日本の魚介缶詰(70g)の価格は地域ごとに異なり、金沢や熊本などでは高価格(181円)、新潟や京都などでは低価格(122円)。最近の価格上昇は、原材料費、物流費、円安などの影響によるもので、特に低価格地域でも増加率が顕著となっています。消費者の購買力と需給バランスが大きな要因です。
加工食品の都市別小売価格
魚介缶詰の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 金沢 | 熊本 | 岡山 | 山口 | 奈良 | 長崎 | 広島 | 鳥取 | 鹿児島 | 那覇 |
最新値[円] | 159.3 | 181 | 181 | 181 | 179 | 179 | 172 | 172 | 171 | 170 | 170 |
平均比[%] | 100 | 113.6 | 113.6 | 113.6 | 112.3 | 112.3 | 107.9 | 107.9 | 107.3 | 106.7 | 106.7 |
前年月同比[%] | 1.656 | 15.29 | 10.37 | -1.093 | -2.717 | 2.286 | 6.832 | 11.69 | 0 | 1.19 | 0 |
魚介缶詰の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 新潟 | 京都 | 神戸 | 福島 | 静岡 | 長野 | 富山 | 福岡 | 名古屋 | 高松 |
最新値[円] | 159.3 | 122 | 137 | 140 | 140 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 |
平均比[%] | 100 | 76.57 | 85.98 | 87.86 | 87.86 | 89.74 | 90.37 | 91 | 91.63 | 92.26 | 92.88 |
前年月同比[%] | 1.656 | -15.86 | -12.18 | -4.762 | 0 | 0.704 | 4.348 | -7.643 | 6.569 | -3.289 | -5.128 |
これまでの魚加工品の推移


詳細なデータとグラフ
魚介缶詰の現状と今後
魚介缶詰の小売価格は近年顕著に変動しており、2016年1月から2025年3月までのデータを基にすると、最も平均的な価格は159.3円となっています。この価格は、製造コストや物流費、地域ごとの需要など、さまざまな要因によって影響を受けています。特に高価格地域と低価格地域での差異が顕著であり、消費者にとっては選択肢が限られた状況が続いています。
高価格地域とその背景
魚介缶詰の高価格地域では、金沢、熊本、岡山が181円という同一の価格で並び、これらの地域は価格が比較的高い傾向にあります。金沢などの地域では、新鮮な海産物の供給が安定しており、需要に対する供給のバランスを取るために高値が設定されている可能性があります。また、物流費や地域特有の流通経路も影響していると考えられます。
それに続く高価格地域には山口(179円)、奈良(179円)などがあり、これらも地元需要や消費者の購買力に依存している部分が大きいです。高価格の原因には、特に輸送コストや他の原材料の価格上昇、円安の影響が背景にあります。さらに、地域ごとの消費者の購買力が価格に影響を与えていることも無視できません。
低価格地域とその要因
一方、低価格地域には新潟(122円)や京都(137円)、神戸(140円)などが見られます。これらの地域では、価格の抑制が見られる一方で、年々価格上昇が顕著となっています。例えば、新潟の増加率は76.57%に達し、京都や神戸も80%を超える増加を示しています。これらの増加率は、魚介缶詰の需要が高まり、供給が追いつかないことに起因している可能性があります。また、これらの地域では他の消費者商品の価格上昇に影響される傾向もあります。
魚介缶詰の価格高騰の要因
魚介缶詰の価格高騰にはいくつかの要因が影響を与えています。まず第一に、原材料となる魚介類の価格上昇が挙げられます。漁業資源の減少や気候変動の影響が原因で、供給が安定せず、結果として缶詰の製造コストが増加しています。加えて、物流費の高騰や円安による輸入コストの増加も、最終的な小売価格に影響を与えています。
また、国際的な食料需要の高まりも価格に反映されていると考えられます。特に、アジア圏などの需要の増加は、供給を圧迫し、国内市場における価格上昇を引き起こしています。これらの外的要因とともに、国内の消費者が魚介缶詰を選ぶ理由として、手軽さや栄養価の高さが挙げられますが、価格高騰により一部の消費者が手を出しづらくなっていることも事実です。
地域ごとの特徴と価格の違い
地域ごとに魚介缶詰の価格に差があるのは、消費者の購買力や地域特有の流通システムが大きな要因です。都市部では高い価格が設定されがちで、これは便利さや生活の質を重視する消費者層が多いためです。一方、地方都市では購買力が限られていることもあり、価格の抑制が見られる場合もあります。しかし、いずれの地域でも年々価格が上昇しているのが現実です。
結論と今後の展望
日本の魚介缶詰の小売価格は、今後も需要と供給、物流、原材料の価格変動など、複数の要因によって影響を受け続けるでしょう。高価格地域では依然として価格が高い傾向にあり、低価格地域でも年々上昇している現状が見受けられます。消費者が求める品質と価格のバランスが重要な要素となり、業界全体での調整が求められます。今後、需要と供給を安定させるために、より効率的な流通システムや、国際的な取引条件の見直しが必要になるでしょう。
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