2025年4月時点での魚介漬物100gあたりの平均小売価格は310.1円で、前年同月比では8.171%の上昇となっている。地域別では福井(399円)や熊本(394円)、宇都宮(383円)などで高価格が目立ち、特に宇都宮は前年比で56.97%と大幅上昇した。一方、鳥取(235円)や鹿児島(239円)など低価格帯では価格が横ばいから減少傾向もある。価格変動は原料漁獲、加工コスト、地域の需要差や物流効率など複合的要因が影響。今後も品質向上とコスト調整が重要となる。
小売物価統計
魚介漬物小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 福井 | 熊本 | 宇都宮 | 松江 | 松山 | 大分 | 福岡 | 東京都区部 | 那覇 | 京都 |
最新値[円] | 310.1 | 399 | 394 | 383 | 376 | 376 | 366 | 362 | 346 | 344 | 341 |
前年同月比[%] | +8.171 | +15.65 | +5.067 | +56.97 | +9.302 | +19.75 | +1.95 | +22.71 | +9.841 | +0.88 | +10 |
魚介漬物小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鳥取 | 鹿児島 | 青森 | 新潟 | 千葉 | 盛岡 | 高松 | 秋田 | 山形 | 富山 |
最新値[円] | 310.1 | 235 | 239 | 248 | 250 | 255 | 257 | 258 | 270 | 272 | 274 |
前年同月比[%] | +8.171 | +3.982 | -15.85 | +9.251 | +1.626 | -1.163 | +16.82 | -16.5 | -4.594 | +17.24 | +4.183 |
魚介漬物の推移


詳細なデータとグラフ
魚介漬物の現状と今後
魚介漬物は日本の伝統的な保存食であり、地域によって独自の味付けや加工法が存在するため、地域ごとに多様な商品展開がみられる。健康志向の高まりや和食の見直しもあり、魚介漬物は特に中高年層を中心に1定の需要を保っている。簡便な惣菜としても定着しているが、原料の魚介類の入手状況や加工工程の手間が価格形成に大きく影響する。
価格推移の全体傾向と地域差の分析
2016年から2025年までのデータで、魚介漬物100gの平均小売価格は310.1円に達し、前年同月比で8.171%の上昇を示している。この上昇率は食品全体の物価上昇トレンドをやや上回る勢いで、原材料費や加工費の増加を反映していると考えられる。
地域別にみると、福井(399円)、熊本(394円)、宇都宮(383円)、松江(376円)などが高価格帯に位置し、とくに宇都宮の前年比56.97%という急激な上昇は注目に値する。1方、低価格帯では鳥取(235円)、鹿児島(239円)、青森(248円)、新潟(250円)といった地域があり、鹿児島や高松などでは前年同月比で15〜16%の価格低下が見られる。
価格変動の背景要因
魚介漬物の価格は複数の要因が複雑に絡み合って形成されている。
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原料魚介の漁獲・供給状況 漁獲量の減少や天候不順、資源管理強化などにより原料入手が不安定化し、価格上昇圧力となっている。
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加工・製造コストの上昇 漬け込み工程の手間や人件費の高騰、エネルギーコストの増加が商品の価格に反映されている。
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地域ごとの消費需要と嗜好差 魚介漬物を好む地域文化の強さや、地域ブランドとしての価値形成が価格差を生む1因となる。
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物流費と流通経路の違い 地方都市や離島地域では輸送コストが高くなるため、商品価格が上昇しやすい。
地域ごとの特色と影響
福井や熊本、宇都宮など高価格帯の地域は、地元の高品質原料使用や伝統的製法によるプレミアム感が価格を押し上げている。特に宇都宮の急激な値上がりは、原料不足や新規加工技術の導入によるコスト転嫁が考えられる。
1方、鹿児島や高松などでは価格低下が進んでおり、流通効率の改善や競合激化、あるいは消費者の節約志向が影響している可能性がある。地域差は今後の価格競争と品質向上の両面での課題を浮き彫りにしている。
今後の価格動向の見通しと課題
今後の魚介漬物の価格は、漁業資源の持続可能性確保、製造現場の効率化、そして物流コストの抑制が重要なカギとなる。気候変動や国際的な物流環境の不安定化は依然としてリスク要因だが、技術革新による加工効率向上やIoT活用による流通最適化が価格安定を支える可能性がある。
また、健康志向・安全志向の高まりに応じて、無添加や地域限定品など高付加価値商品の需要増が期待されるが、低価格帯商品の供給確保も並行して必要となる。
まとめ
魚介漬物の小売価格は過去10年で徐々に上昇傾向にあり、地域ごとの価格差は顕著。原料調達の不安定さや加工・流通コストの変動、消費者の嗜好多様化が価格形成に大きな影響を及ぼしている。今後は価格安定と品質向上の両立を目指した産業構造の強化が求められる。
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