食器戸棚支出ランキング2025年：金沢市が全国平均の100倍超

2025年4月の食器戸棚支出では、金沢市が1575円と全国平均14円を大きく上回り、松江市、高知市も高水準。購入頻度はどの都市も0.01回と低いが、地域文化や住宅事情によって一時的に大きな支出が発生していることが明らかとなった。

食器戸棚は、キッチンやダイニング周辺で食器や調理器具を整理・保管するために欠かせない家具です。しかし、耐久性が高く買い替え頻度が少ないことから、全国的な支出額は非常に小さく、2025年4月の全国平均は14円にとどまっています。これは、100世帯に1世帯が年に1回購入するかどうかという稀な買い物であることを示しています。それでも特定の都市では、時折高額な支出が観測されるため、地域別の分析に意義があります。

金沢市 ― 群を抜く支出トップの理由

金沢市は1575円と、全国平均の100倍以上という高額支出を記録しており、支出額で他都市を大きく引き離しています。このような異常値は、多数の世帯が同時期に食器戸棚を購入した可能性か、1部の大型購入が平均値を引き上げたと考えられます。金沢は伝統工芸や和食文化の根強い地域であり、食器の種類が多い家庭が多いことも食器収納家具の需要につながっている可能性があります。

松江市 ― 地方都市での高水準な支出

松江市は903円と、こちらも全国平均を大きく上回る支出額を示しています。松江市は、歴史的な町並みと生活文化が共存する地域であり、家具のデザインや実用性にこだわる家庭も少なくありません。収納スペースに対する工夫や、食器を見せる・飾る文化が背景にある可能性も考えられます。

高知市・京都市 ― 中位ながら安定した支出の動き

高知市（514円）と京都市（449円）も比較的高めの支出を維持しています。高知市は戸建て中心の住宅が多く、キッチン回りの収納強化に対する需要があると推察されます。京都市は伝統文化と現代生活が交錯する土地柄で、古民家再生やリノベーション需要の中で、家具の買い替えが生じている可能性があります。

盛岡市 ― 高支出都市の中でやや控えめ

盛岡市（124円）は、高支出都市群の中では比較的低めですが、全国平均（14円）に対しては9倍弱という水準であり、やはり家具としては珍しい支出があったことを意味します。東北地方では季節による収納の変化や、家族構成の変動によって1時的な需要が生まれることがあります。

購入頻度 ― 全都市共通で0.01回、特異性のない購買行動

今回支出が高かった都市（高知、金沢、盛岡、松江、京都）いずれも、購入回数はすべて0.01回で共通しています。これは、家具全体に見られる傾向で、食器戸棚のような耐久家具はごく少数の世帯で月単位に購入されるものの、その支出額が非常に高いため、平均値としては大きくばらつきが出るという特徴があります。

総括 ― 小さな支出に大きな地域性

食器戸棚は全国的には注目されにくい家具カテゴリですが、地域によっては文化的・生活的背景から1時的に高い支出が観測されます。特に金沢市や松江市では、生活様式や住宅環境が家具需要に直接結びついており、今後も「暮らし方の多様性」を反映する象徴的な支出項目となりうるでしょう。