電気・ガス・水道等のインフラ産業では労働者数が減少傾向にあり、特にパートタイムの急減が目立つ。高齢化による技術継承や若手・女性人材の不足が課題。今後はデジタル化と多様な人材の育成が不可欠となる。
男女別の労働者数の推移
最近の労働者数データ
合計 | 一般労働者 | 男性計 | 女性計 | パートタイム労働者 | |
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最新 | 2025年1月 | 2025年1月 | 2025年1月 | 2025年1月 | 2025年1月 |
最大期 | 2012年5月 | 2012年5月 | 2012年6月 | 2024年6月 | 2020年4月 |
最新値[万人] | 26.32 | 25.32 | 22.21 | 4.11 | 1.002 |
最大値[万人] | 29.41 | 28.12 | 25.75 | 4.186 | 1.607 |
前年同月比[%] | -1.831 | -0.6487 | -2.029 | -0.7486 | -24.52 |
電気・ガス・水道等の労働者数の推移


詳細なデータとグラフ
日本の全産業の労働者数の特徴
電気・ガス・水道などのインフラ産業は、国民生活を支える基盤でありながら、労働者数の減少と高齢化が進んでいる分野でもあります。2025年1月時点の最新統計から、これまでの動向と課題、男女別・雇用形態別の特徴、今後の見通しについて詳述します。
労働者数の全体動向
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総労働者数:26.32万人(前年比 -1.831%) 近年は緩やかな減少傾向にあり、特にパートタイム労働者が大幅減(-24.52%)となっていることが顕著です。 省力化技術の導入や設備のスマート化、組織再編が影響していると考えられます。
雇用形態別の特徴と課題
一般労働者(常勤)
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25.32万人(前年比 -0.6487%) 電力・ガス・上下水道といったライフラインを担う常勤職は依然として中核を占めます。 現場管理や設備保守、緊急対応など高い専門性が要求される反面、若年層の採用難が課題です。
パートタイム労働者
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1.002万人(前年比 -24.52%) パート雇用は全体のごく一部ですが、急激な減少が目立ちます。 リモート監視や集中管理の進展によって事務系パート職の縮小が進んだことが背景とみられます。
男女別の構造と課題
男性労働者
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22.21万人(前年比 -2.029%) 現場系・技術系職種を中心に、依然として男性比率が高い分野です。 高齢化が進み、熟練技術の継承が大きな課題。技能研修や若手の育成が急務です。
女性労働者
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4.11万人(前年比 -0.7486%) 全体の約15%程度を占め、主に事務職や調査補助業務で活躍しています。 女性のキャリア形成支援や技術系職種への参入促進が今後の焦点となります。
業界の構造的課題
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高齢化と技能継承の危機:熟練技術者の退職が相次ぎ、若手採用の難しさから技術の断絶が懸念される。
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デジタル化による人員最適化:スマートメーターや自動監視装置の導入により、従来型業務の人手が不要になりつつある。
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自然災害対応の負担:災害対応の現場力維持が求められる一方で、人員削減が進んでいるため、災害時の即応体制の確保が課題。
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地域間格差:都市部と地方での設備投資・人員確保の差が拡大。
今後の推移と展望
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若手・女性の積極的登用が鍵:多様な人材確保と育成が業界の持続性に直結。
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リスキリングの推進:ベテランから若手への技術伝承を支える教育制度の拡充が重要。
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外国人技能実習制度の活用余地:一部インフラ保守分野で制度活用が期待されている。
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再生可能エネルギーの普及と雇用:地域電力や小規模水力などの分散型エネルギーの拡大により、ローカル雇用創出の可能性も。
まとめ
電気・ガス・水道業は、社会インフラを支える不可欠な分野ですが、労働者数の減少、特に若手や女性の参入の少なさ、技術継承の遅れが深刻な問題です。今後はデジタル化と人材多様化を両立させる改革が不可欠です。
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