2025年6月の関東のみかん市場は横浜市1,434円/kg、東京都1,344円/kgと前年より価格上昇。卸売数量は東京都で0.535ktだが前年から大幅減少。価格高騰は産地減産と物流費増加が主因。卸売市場の流通縮小が進む中、物流効率化や需要対応が今後の課題となっている。
みかんの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 横浜市 | 1434 | +7.737 |
2 | 東京都 | 1344 | +9.242 |
市場価格の推移

関東の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 東京都 | 0.535 | -26 |
2 | 横浜市 | 0.012 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
みかんの卸売り市場の現状と今後
2025年6月の関東地域の主要市場におけるみかん価格は、横浜市で1,434円/kg、東京都で1,344円/kgと高水準を維持しています。前年同月比では横浜市が+7.737%、東京都が+9.242%の上昇を示し、近年の価格高騰傾向が続いています。
価格推移の背景要因
関東地域におけるみかん価格の上昇は以下の要因によります。
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原材料の高騰:主に南西日本産のみかんの収穫量減少に伴い、供給が逼迫していること。
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物流費の増加:関東は消費地として大きいが生産地から遠いため、輸送コストが価格に反映されやすい。
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需要の堅調:冬季におけるビタミン摂取ニーズ増加や健康志向の高まりが消費を支えています。
卸売数量の現状とその意味
卸売数量では、東京都が0.535ktで関東最大ですが、前年同月比では-26%と大幅な減少を示しています。横浜市は0.012ktと少量であり、数量面では東京に大きく差をつけられています。
卸売数量の減少は、
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消費形態の多様化:直売やネット販売の増加により従来の卸売市場の役割が縮小。
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流通チャネルの変化:小売店が直接産地と契約し市場流通を通さないケースが増加。
といった流通構造の変化が影響しています。
都市別の特徴と消費傾向
東京都
首都圏最大の消費地であり、多様な消費者層が存在。高価格ながら安定的な需要が見られる1方、卸売数量減少は市場以外の流通経路増加を示しています。
横浜市
東京都に次ぐ消費地だが卸売数量は非常に少なく、より小規模な市場や流通チャネルに依存しています。価格上昇率は高く、需要に対して供給がタイトな状況が伺えます。
みかん生産と今後の課題
関東地域はみかんの主要生産地ではなく、主に9州・4国・和歌山など南西日本からの輸入に依存しています。これらの地域では気候変動や災害の影響が生産に影響し、供給の不安定化を招いています。
今後の課題としては、
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産地間物流の効率化:鮮度保持と輸送コスト削減の両立。
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需要予測精度の向上:市場と産地の連携強化。
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消費者嗜好の多様化対応:新たな品種や付加価値商品の開発。
これらにより価格の安定と供給確保を目指す必要があります。
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