関東の米販売量と価格動向|新銘柄とコシヒカリの地域別比較分析

穀物統計

関東の米市場は販売量平均10.41トン、価格平均2.553万円/60kgで、価格は前年より+69.04%と急騰。一方、主力のコシヒカリは軒並み販売減。新銘柄「ふさこがね」「とちぎの星」などは価格・数量ともに好調。今後は中価格帯の充実と生産体制の持続可能性が課題。

関東での米販売量

2025年5月
降順昇順
市場販売数量[トン]平均比前年同月比[%]
平均10.41100+0.761
1栃木 (コシヒカリ)38.6370.9-4.455
2茨城 (コシヒカリ)29.7285.4-7.188
3千葉 (コシヒカリ)23.3223.9-6.426
4千葉 (ふさこがね)12.9124+46.59
5千葉 (ふさおとめ)9.288.4+9.524
6茨城 (あきたこまち)7.168.22+7.576
7栃木 (とちぎの星)6.966.3+38
8茨城 (にじのきらめき)6.865.34
9群馬 (あさひの夢)4.745.16-20.34
10埼玉 (彩のきずな)2.524.02-28.57
11埼玉 (コシヒカリ)1.615.37-33.33
12栃木 (あさひの夢)1.514.41+25
13埼玉 (彩のかがやき)0.65.765-79.31
14群馬 (ゆめまつり)0.32.883-50

米販売量の推移

米販売量(関東)

関東での市場価格

2025年5月
降順昇順
市場価格[万円/60kg]平均比前年同月比[%]
平均2.68100+75.91
1茨城 (コシヒカリ)3.699138+109.7
2埼玉 (彩のきずな)2.804104.6+88.82
3茨城 (にじのきらめき)2.728101.8
4栃木 (コシヒカリ)2.722101.6+83.64
5栃木 (とちぎの星)2.63598.31+84.9
6群馬 (あさひの夢)2.59896.93+78.18
7コシヒカリ2.38588.99+68.01
8ふさおとめ2.31186.22+68.71
9ふさこがね2.2483.56+65.47

市場価格の推移

米価格(関東)

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

米販売量の現状と今後

2025年5月時点での関東地域の米の販売量平均は10.41トン平均価格は2.553万円/60kgとなっており、前年同月と比べて数量は+0.761%の微増価格は+69.04%の大幅上昇となっています。販売数量の停滞とは裏腹に価格は急激に高騰しており、コスト増や需要の質的変化が価格形成に影響を与えていることがうかがえます。


県別の販売量とその傾向

  • 栃木(コシヒカリ):38.6トン(-4.455%) 関東随1の販売量だが、前年より微減。根強いブランド力を持つ1方、生産量の調整や他品種への分散も考えられる。

  • 茨城(コシヒカリ):29.7トン(-7.188%) 関東有数の米どころながら、販売量の減少が顕著。高価格化による需要縮小の影響か。

  • 千葉(コシヒカリ):23.3トン(-6.426%) 他のコシヒカリと同様に減少傾向。価格は抑え気味であるが数量の落ち込みが目立つ。

  • 千葉(ふさこがね):12.9トン(+46.59%) 販売量が急増。地産地消の推進や認知度向上が背景にあると推測される。

  • 栃木(とちぎの星):6.9トン(+38%) 新しい銘柄として順調に市場浸透しており、今後も拡大の可能性が高い。

  • 茨城(あきたこまち):7.1トン(+7.576%) 東北の代表銘柄が関東でも安定した需要を持っており、価格と品質のバランスが支持されている。


価格の高い県・銘柄とその要因

  • 埼玉(彩のきずな):2.804万円/60kg(+88.82%) 高品質で安全性が評価される銘柄。販売量は少ない(2.5トン)が、プレミアム価格帯での販売が確立されている。

  • 茨城(にじのきらめき):2.728万円/60kg 新興銘柄ながらも高単価を維持しており、ブランド構築の成功例のひとつ。

  • 栃木(とちぎの星):2.635万円/60kg(+84.9%) 販売数量も増加し、価格も大きく上昇。品質向上と販売戦略が結びついた成果。

  • 群馬(あさひの夢):2.598万円/60kg(+78.18%) 価格面では躍進しているが、販売量は大幅減(-20.34%)。高価格化に伴う需要抑制の影響が懸念される。


価格高騰の背景と構造的要因

  1. 肥料・資材コストの上昇 国際情勢や円安により農業資材のコストが増加し、生産者が価格転嫁を進めている。

  2. 担い手不足による供給制限 高齢化や後継者不足により供給が減少し、需要を上回る形で価格が上昇。

  3. 消費者の2極化志向 安価な業務用米と、付加価値の高いブランド米の2極化が進行。前者では数量が維持され、後者では価格が上昇。

  4. 新ブランドのプロモーション強化 「とちぎの星」「彩のきずな」など、県独自のブランド強化戦略が功を奏し、単価の高い品種が増加傾向。


今後の見通しと課題

関東地域では、ブランド力の強い新銘柄の成長と、伝統品種の減少傾向が同時に進行しています。今後は以下の課題が重要です:

  • 中価格帯品種の育成による需要安定化 高価格帯と低価格帯の間を埋める新たな選択肢の創出が求められる。

  • 地域間競争の中での差別化 味・食感・環境への配慮といった多面的な価値を打ち出す必要あり。

  • 担い手確保と農業インフラの再構築 地域振興と若者への農業3入支援により、持続可能な生産体制を目指す。

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