関東の輸入果実価格の地域別動向と価格差の要因・今後の見通し

果物価格(都市別)

関東の輸入果実市場では、東京都が398.3円/kgと高価格ながら、前年よりやや値下がり。一方、横浜市は340.3円/kgと全国平均並み。数量は両市とも増加傾向にあり、健康志向や流通の効率化が背景。今後は価格の二極化と安定供給体制の強化が鍵となる。

輸入果実の市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1東京都398.3-5.759
2横浜市340.3-10.99

市場価格の推移

輸入果実の市場価格

関東の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1東京都1.128+6.818
2横浜市0.71+18.14

卸売数量の推移

輸入果実の卸売数量

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詳細なデータとグラフ

輸入果実の卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点での関東における輸入果実の市場動向を見ると、東京都の価格は398.3円/kgと全国平均(350.3円/kg)を上回る水準にあり、関東では最も高価格帯に位置しています。1方、横浜市は340.3円/kgと東京都より低めで、全国平均に近い価格帯です。

卸売数量では、東京都が1.128ktと圧倒的で、横浜市は0.71ktとなっています。前年同月比では、東京都が+6.818%、横浜市が+18.14%と、いずれも堅調な増加を示しています。


価格推移の特徴とその背景

東京都の価格は前年同月から約5.8%減少しており、これは高単価の果実(例:輸入ブドウやマンゴー)の流通割合減少や、為替影響による仕入れコストの変動が影響している可能性があります。また、大量輸入による単価の引き下げ圧力も価格低下の1因です。

横浜市においても約11%の価格下落が見られます。こちらは定番品種(バナナやオレンジなど)の流通量増加により市場価格が調整されたことが大きいと考えられます。


数量増加の背景と地域の特性

東京都と横浜市の両市場に共通して見られる数量増加は、以下の要因に起因しています。

  • 需要の安定増加:健康志向の高まりにより、家庭や業務用での果物消費が継続的に拡大。

  • 流通の効率化:東京湾岸を中心とした港湾と市場の連携によって、輸送ロスが減少。

  • ネットスーパーや量販店需要の増大:特に横浜市では、首都圏の周辺住宅地としての需要吸収力が強い。

また、東京都は大手青果業者が多く集積しており、業務用果実の集中的な仕入れと販売が数量を押し上げています。


都市別の役割と果実の種類の傾向

  • 東京都 高単価果実や業務向けのプレミアムフルーツの流通が多く、贈答・ホテル・レストラン需要を支えています。また、多国籍な消費者層に応えるべく、珍しい果実(パパイヤ、ドラゴンフルーツなど)も扱われやすい傾向があります。

  • 横浜市 家庭向け果実の需要が中心。バナナ、リンゴ、キウイなどの定番果実が多く、価格も比較的安定しています。住宅地の消費構造を反映しており、量をさばくことで全体の流通が支えられています。


価格変動の構造と今後の見通し

関東では以下の要因が価格に影響を及ぼしています。

  • 為替レートの変動:円安が続けば輸入価格が上昇する圧力が高まり、販売価格にも波及。

  • 港湾・通関の効率性:輸入果実の鮮度維持やコスト削減に直結しており、これが価格を左右する。

  • 気候変動と輸入先の作柄:特にアメリカ、南米諸国の天候が価格決定に大きく関係。

今後は、量販店やEC流通の拡大により、安定した中価格帯の果実が主流になる1方で、高級果実市場は東京を中心に維持・拡大していくと見られます。

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