2025年関東の灯油価格動向:都市別特徴と価格上昇要因

灯油

2025年5月の関東地方の灯油18Lの平均価格は2336円で前年同月比9.0%上昇。宇都宮や川崎が高価格で、小山は19.6%の大幅上昇。東京都区部は安定的な供給により上昇率が低い。輸送コストや物流環境、都市間の競争環境が価格差を生み、今後も燃料価格や省エネ動向が価格に影響を与える見込み。

都市別の灯油18Lの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均2276+6.256
1川崎2493+9.679
2川口2430+12.19
3立川2417+8.825
4横浜2401+5.958
5東京都区部2380+3.613
6宇都宮2325-1.525
7相模原2316+5.753
8千葉2310+6.061
9小山2286+13.06
10府中2253+4.888
11熊谷2250+5.337
12浦安2250+12.61
13さいたま2227+9.167
14前橋2160+10.43
15日立2142+2.586
16水戸2120+2.465
17所沢2106+8.389
18八王子2106-1.404
関東灯油18L

詳細なデータとグラフ

関東の小売価格の相場と推移

2025年5月時点での関東地方の灯油18Lの平均価格は2336円です。これは全国平均(約2301円)をわずかに上回る水準であり、寒暖の差が激しい地域ながら、都市部の供給効率が比較的良いため大幅な価格変動は限定的です。しかし前年同月比で約+9.047%の価格上昇が見られ、原油価格の世界的高騰や輸送費の増加などの影響が反映されています。


都市別価格の特徴と地域差

高価格帯都市(2400円以上)

  • 宇都宮(2544円)、川崎(2493円)、横浜(2431円)、川口(2430円)、立川(2423円)、小山(2418円)、東京都区部(2405円)、相模原(2382円)、千葉(2364円)

    • 宇都宮や川崎が特に高く、宇都宮は関東地方の中でも最高値を示しています。北関東の宇都宮は交通の利便性が東京周辺よりやや劣るため輸送コストが高いことが価格上昇に寄与していると考えられます。川崎や横浜、川口などは都市圏の中でも需要が高い地域であり、供給網の多様化が価格に反映されています。

中・低価格帯都市(2300円台前半)

  • 8王子(2310円)

    • 8王子は東京の多摩地域の中核都市であり、交通の便は良いものの都心よりはやや価格が低めに抑えられている傾向です。


前年同月比の価格増加の傾向

  • 関東全体で約+9.047%の灯油価格上昇がみられ、燃料価格や物流コストの上昇が主な要因と推察されます。

  • 都市別で大きな増加が見られたのは、小山(+19.58%)、川口(+12.19%)、川崎(+9.679%)であり、小山は特に大幅な価格上昇が顕著です。これは地方都市としての物流課題や供給量の制約による影響が考えられます。

  • 1方で、東京都区部(+4.702%)は上昇率が比較的抑えられており、都市部の安定的な供給環境が影響しています。


灯油価格に影響を与える要因

需要と季節性

関東地方は冬季の暖房需要が1定の規模であるため、季節変動の影響を受けますが、比較的温暖な地域も含まれるため北海道や東北ほど極端な変動は見られません。

輸送インフラと物流コスト

関東圏は首都圏の物流網が発達していますが、宇都宮や小山など1部北関東の都市では輸送距離やインフラ整備の差が価格差を生み出します。

競争環境と供給業者数

東京・横浜・川崎など大都市圏は供給業者が多く価格競争が起こりやすいため、価格上昇が抑えられる傾向があります。対照的に周辺都市では業者数が限られ、価格がやや高止まりしやすい構造です。


今後の展望と課題

今後も原油価格や輸送費の動向に影響を受けやすい灯油市場ですが、関東地方は比較的安定した供給基盤を持つため、急激な価格変動リスクは限定的と見られます。省エネルギー化や暖房の多様化が進む中で、灯油需要の長期的な減少も予想され、価格動向は複合的な要素に左右されるでしょう。

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