関東の柿価格2025年分析|都市別の違いと今後の価格見通し

果物価格(都市別)



関東地方の柿価格は2025年3月現在、横浜市が最高値(508.7円/kg)、市川市が最安値(296円/kg)で、都市によって大きなばらつきがあります。輸送コストや気候変動が価格に影響しており、今後も高値基調が続くと見られます。一部地域では供給不足や販促要因による急騰・急落も確認され、今後の動向が注目されます。

柿の卸売り市場価格

柿の高い順

横浜市 宇都宮市 東京都 松戸市 さいたま市 水戸市 川崎市 前橋市 千葉市 市川市
最新 2025年1月 2023年12月 2025年3月 2021年12月 2021年12月 2021年12月 2023年12月 2021年12月 2021年12月 2011年12月
最大期 2010年7月 2011年7月 2016年6月 2011年7月 2019年7月 2010年7月 2014年7月 2010年8月 2011年7月 2010年9月
最新値[円/kg] 508.7 435 425.7 416 392 385 371 349 347 296
最大値[円/kg] 1012 1480 1736 1581 1245 1225 1268 1178 1217 439
前月比[%] +7.844 +31.02 -33.42 +41.02 +11.36 +14.24 +18.15 -7.672 +5.471 +35.78
前年同月比[%] +0.3947 +55.91 -41.61 +40.54 +0.5128 +12.9 +50.81 +11.5 +1.462 -11.11

 

柿の推移

柿価格の推移

最新の価格データ

最近の柿価格

 

その他のデータとグラフ

 

柿の価格についての推移と展望

関東地方は日本最大の消費圏であり、柿においても消費量は多く、流通の中心的役割を担っています。生産地は比較的少なく(例:群馬、茨城、栃木の一部など)、多くは奈良・和歌山・福岡などの主産地から仕入れられるため、輸送コストと市場需給が価格に大きな影響を与えます。また、大都市圏特有の高付加価値商品(甘柿・大玉・贈答用)志向が見られます。


2025年3月の価格水準と都市別の特色

最新の価格データでは、横浜市(508.7円/kg)が最も高く、市川市(296円/kg)が最も低いという結果となりました。都市別に見ると以下のような特徴があります:

  • 高価格帯(400円以上):横浜市、宇都宮市、東京都、松戸市 → 大消費地であり、品質志向の強い市場。中でも横浜は高価格の先導役。

  • 中価格帯(350〜400円):さいたま市、水戸市、川崎市、前橋市、千葉市 → 地域の流通網が整っており、安定供給による平均的価格帯。

  • 低価格帯(〜300円):市川市 → 市場競争が激しい地域で、流通効率や販売形態(特売中心)によって価格が抑えられている。


前月・前年同月比から見る価格変動の動向

今回のデータでは、東京都(-33.42%)前橋市(-7.672%)のみが下落、それ以外の都市では軒並み上昇しています。特に以下の点が注目されます:

  • 松戸市(+41.02%)や市川市(+35.78%)の急騰:比較的低価格帯の市場で一気に価格が跳ね上がっており、仕入れコストの上昇や品薄が要因と見られます。

  • 東京都の急落(-33.42%):市場に在庫が流入しすぎた、もしくは販促による価格調整といった一時的な要因が考えられます。

このように、関東圏では価格が都市によって大きくばらついており、「需給のばらつき」が顕著です。


価格に影響する要因と今後のリスク

物流コストの上昇:

トラック運転手の人手不足や燃料高騰が続いており、地方産地からの運搬コストが高騰しています。

気候変動の影響:

近年の温暖化により、柿の品質不良や生産減が発生し、仕入価格の不安定化につながっています。

高齢化と農家減少:

関東圏近郊でも生産農家の減少が進み、地元産の供給力が年々低下している点も中長期的な懸念材料です。


今後の価格推移の予測

短期的(2025年夏まで):

在庫の消化と販売促進によって一部地域では価格がやや下がる可能性がありますが、全体的には高値維持傾向。

中長期的(2025年秋〜):

・物流費や気象リスクを反映し、500円/kg超えの都市が常態化する可能性・差別化商品の拡大(種なし柿・早生品種・有機栽培)により、都市間格差が広がる見通しです。・デジタル流通や産直の進化が、地域間価格差を縮小する役割を果たす可能性もあります。

 

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