関東の果物価格動向を解説:東京高値、宇都宮・水戸は急上昇

果実計

関東地方の果実計市場は、東京都で618.3円/kg、横浜市で516.3円/kgと高水準。東京都は全国最高値を記録し、価格も上昇傾向。一方で卸売数量は両都市とも減少。価格高騰の背景には高級志向の消費や物流コストの上昇、生産地の供給不安がある。今後は産地との連携と流通の効率化が鍵。

果実計の市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1東京都618.3+4.624
2横浜市516.3+3.889

市場価格の推移

果実計の市場価格

関東の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1東京都18.25-13.75
2横浜市2.556-3.693

卸売数量の推移

果実計の卸売数量

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詳細なデータとグラフ

果実計の卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点での関東における果実計の市場価格は、東京都で618.3円/kg、横浜市で516.3円/kgとなっており、いずれも全国平均(521.7円/kg)を上回っています。特に東京都は、全国で最も高い単価を記録しており、前年同月比でも+4.624%と大幅な上昇を見せています。横浜市も+3.889%と同様に上昇傾向です。

これは、首都圏における果実需要の堅調さと、物価上昇の波が果物にも及んでいることを示唆しています。贈答用・高級果実の流通が多い東京では、特に価格が上振れしやすい傾向があります。


卸売数量の推移と地域別傾向

卸売数量においては、東京都が18.25ktで圧倒的な規模を誇っており、横浜市の2.556ktを大きく上回っています。しかし、東京都は前年同月比で-13.75%と大幅な減少、横浜市も-3.693%とやや減少しています。

この数量減少の背景には以下の要因が考えられます:

  • 輸入果実の減少:円安などの影響により、輸入果実が減少し、国内流通量が減った。

  • 物流の制約:人手不足や燃料費高騰によって輸送効率が落ち、市場への搬入量が抑えられている。

  • 需要の質的変化:高単価果実へのシフトにより、量よりも質を重視した流通が増えている。


都市別市場の特徴

  • 東京都 都内最大の中央卸売市場を有し、全国から高品質果実が集まる1大集積地。高級フルーツの取扱比率が高く、贈答需要や飲食業界の需要も大きいため、価格水準は全国トップ。物流や販売体制も高度に整備されており、果実流通の中枢機能を果たしています。

  • 横浜市 港湾都市としての特性を活かし、輸入果実の取り扱いが多いのが特徴。都市部としての消費力も強く、価格は全国平均に近い水準を保ちながらもやや上昇傾向。市場規模では東京に劣るが、安定した需要に支えられています。


価格上昇の背景と要因

関東地方の果実計価格上昇には、以下のような要因が重なっています:

  1. 高級志向の消費トレンド 特に都市部ではシャインマスカットやブランドいちごなど、見た目や糖度にこだわった高価格帯商品の人気が継続。これにより、平均単価が上昇。

  2. 流通コストの上昇 燃料費・人件費・パッケージコストの上昇が価格転嫁され、結果的に小売価格および市場価格も高くなる。

  3. 産地での供給不安 気候変動や台風、霜害などによる収量減が1部果実で発生し、供給量の減少が価格を押し上げている。


果実生産と流通の今後

関東地方そのものは大規模な果実生産地ではないが、近県(山梨・長野・福島など)からの供給を受け、巨大消費地として機能しています。しかし、こうした産地でも高齢化や担い手不足が深刻であり、生産量の確保が課題です。

今後は以下のような対応が重要になると見られます:

  • 産地直送体制の強化:産直ECや市場外流通の活性化によって、価格と品質の最適化が期待される。

  • 都市部市場のデジタル化:AIを用いた需要予測、適正在庫管理による価格安定化。

  • 果実輸入の多様化:輸入先国の分散によってリスクヘッジを図る必要がある。

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