関東のバナナ市場では、横浜市が237円/kg、東京都が231.3円/kgと全国平均をやや上回る水準。価格はほぼ安定しており、流通量も多く、両市が関東の流通を支える拠点である。輸入依存が高いバナナは、為替や輸送費の影響を受けやすいが、関東では大規模な港湾と効率的な物流体制により安定した供給が維持されている。
バナナの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 横浜市 | 237 | -2.869 |
2 | 東京都 | 231.3 | +0.578 |
市場価格の推移

関東の卸売数量
市場 | 卸売数量[k円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 横浜市 | 0.237 | -2.869 |
2 | 東京都 | 0.231 | +0.578 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
バナナの卸売り市場の現状と今後
関東地域は日本の消費・物流の中心地であり、バナナの取扱量においても全国的に上位に位置します。2025年6月時点で、横浜市の市場価格は237円/kg、東京都は231.3円/kgと、いずれも全国平均(224円/kg)をやや上回っています。横浜市では前年同月比で-2.869%の価格下落、東京都は+0.578%と微増しており、都市間でやや異なる動きが見られます。
都市別の特徴と数量動向
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横浜市:関東最大の港湾都市であり、卸売数量は0.237k円/kgと首都圏で最も多く、流通の中心的存在です。価格はやや高めであるものの、全国的には平均的な水準を保っています。
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東京都:大消費地であるにもかかわらず、卸売数量は0.231k円/kgと横浜市に僅差で次ぐ規模。価格は前年より微増しており、安定供給が維持されていることがうかがえます。
価格推移と安定要因
2008年以降、関東地域ではバナナの価格はおおむね200〜250円/kgの範囲内で推移しており、極端な価格変動は見られません。この安定性は、次の要因によって支えられています:
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大規模な流通網とコールドチェーン(低温物流)の整備
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港湾インフラを利用した安定した輸入体制
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大都市圏における高い消費量によるスケールメリット
価格高騰・下落の要因
2025年6月における価格の微増・微減は、為替相場の変動や原油価格の推移といった外的要因に影響されるものです。特にバナナは東南アジア(主にフィリピン)からの輸入に依存しているため、現地の気候異変、疫病被害、輸送費の変動が価格に直結します。また、横浜市ではわずかな値下がりが見られますが、これは過去に比べて在庫調整や流通の合理化が進んだ可能性があり、価格競争が1定程度発生していることを示唆します。
生産と流通の構造
日本ではバナナはほぼ全量が輸入品であり、国内生産は極めて限定的です。そのため、流通面の信頼性と効率性が価格形成に大きな影響を及ぼします。関東は、東京港・横浜港を経由した1大流通圏を形成しており、輸入から消費者までのタイムラグが短く、コストパフォーマンスに優れた供給が可能です。さらに、量販店やコンビニエンスストアの取り扱いが多く、定番商品としての地位が確立されていることも、価格の安定に寄与しています。
今後の展望
今後も人口の多い関東では安定した需要が続くと予測されますが、輸送費や労務費の上昇が価格に波及する可能性があります。特に物流2024年問題の影響で人手不足による配送コスト増が起きれば、消費者価格の上昇も懸念されます。1方で、AI物流管理やドローン配送の導入など新技術による効率化が進めば、価格上昇を抑える動きも期待されます。
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