関東のガソリン価格動向|都市別の差と上昇要因を詳しく解説

ガソリン



2025年4月の関東地方のガソリン平均価格は186.1円。前橋や立川など内陸・郊外型都市で価格が高く、港湾都市の浦安や千葉では低い傾向。価格上昇の背景には円安、原油高、輸送コストの増大があり、スタンド減少や競争の弱体化も影響。今後はEV普及や物流効率化が鍵。

自動車・交通の都市別小売価格

関東価格の高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 前橋 立川 日立 宇都宮 川口 東京都区部 所沢 川崎 熊谷 横浜
最新値[円] 186.1 193 190 189 189 188 187 187 187 186 186
平均比[%] 100 103.7 102.1 101.6 101.6 101 100.5 100.5 100.5 99.94 99.94
前年月同比[%] +7.454 +10.29 +6.742 +8.621 +9.249 +7.429 +6.857 +6.25 +9.357 +6.897 +7.514

関東価格の低い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 小山 浦安 千葉 相模原 さいたま 水戸 府中 八王子 横浜 熊谷
最新値[円] 186.1 181 182 183 183 184 184 185 186 186 186
平均比[%] 100 97.25 97.79 98.33 98.33 98.87 98.87 99.4 99.94 99.94 99.94
前年月同比[%] +7.454 +6.471 +6.433 +7.018 +7.018 +5.747 +7.602 +6.936 +10.71 +7.514 +6.897

 

これまでのガソリンの推移

関東の小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

関東の現状と今後

2010年から2025年4月にかけて、関東地方のガソリン価格は国内・国際情勢に連動して変動を繰り返してきました。特に近年は円安と原油高が影響し、2025年4月時点での関東平均価格は186.1円となっています。

首都圏という大都市圏に位置する関東では、物流・商業・人口密集度の違いが都市ごとの価格差を生んでいます。また、都市部と郊外・内陸部で輸送コストやスタンド競争の強弱に差があることも影響します。


ガソリン価格が高い都市の特徴

2025年4月の高価格上位10都市:

  • 前橋:193円(+10.29%)

  • 立川:190円(+6.74%)

  • 日立:189円(+8.62%)

  • 宇都宮:189円(+9.25%)

  • 川口:188円(+7.42%)

  • 東京都区部:187円(+6.86%)

  • 所沢:187円(+6.25%)

  • 川崎:187円(+9.36%)

  • 熊谷:186円(+6.90%)

  • 横浜:186円(+7.51%)

特徴と要因:
  1. 内陸都市・郊外型地域の輸送コスト 前橋や宇都宮、熊谷などは港湾からの距離がある内陸都市で、燃料の輸送コストが高くなる傾向にあります。

  2. 競争の弱さと需要の安定性 立川や所沢などは商業地や住宅地が共存する地域であり、固定客を持つスタンドが多く価格競争が激化しにくい状況です。

  3. 首都圏に近いが交通量が多い地域 川口、川崎、東京都区部などは交通量が多く、需要が安定して高いため値下げ圧力が弱い傾向があります。

  4. 前年比での上昇幅が大きい前橋(+10.29%)や宇都宮(+9.25%) 前年まで価格が抑えられていた反動や、地方給油所の廃業・供給網の整理も1因と考えられます。


ガソリン価格が低い都市とその背景

2025年4月の低価格下位10都市:

  • 小山:181円(+6.47%)

  • 浦安:182円(+6.43%)

  • 千葉:183円(+7.02%)

  • 相模原:183円(+7.02%)

  • さいたま:184円(+5.75%)

  • 水戸:184円(+7.60%)

  • 府中:185円(+6.94%)

  • 8王子:186円(+10.71%)

  • 横浜:186円(+7.51%)

  • 熊谷:186円(+6.90%)

特徴と要因:
  1. 港湾都市や供給網に近い地域 浦安や千葉は湾岸部に近く、供給の安定性や配送コストの低さが価格を抑える要因になっています。

  2. 価格競争が働きやすい地域 相模原、さいたまなどはスタンドが密集し、競争環境が整っているため価格が下がりやすいとされます。

  3. 地方都市の規模と供給の効率性 小山や水戸などは地方都市でありながら交通インフラが発達しており、供給効率がよいと評価されます。

  4. 急上昇に注意が必要な都市:8王子(+10.71%) 前年よりの急騰は、スタンド廃業や供給網再編の影響が局地的に発生している可能性があります。


ガソリン価格上昇の背景要因(全国共通および関東特有)

円安による原油輸入コストの上昇

 1ドル=150円台を超える円安により、ドル建ての原油価格が高くなり、国内価格に反映されました。

中東情勢不安と原油供給リスク

 イスラエル・イラン情勢や紅海ルートの混乱などが影響し、国際市場で原油価格が上昇傾向にあります。

物流の集中と過密による配送効率の悪化

 関東では交通渋滞や都市部への配送制限(時間・環境規制)があり、人件費・配送コストが上昇

ガソリンスタンドの減少と寡占化

 特に郊外や住宅街においてはスタンド廃業が進行し、競争が緩和→価格硬直化が起きています。


今後の課題と対応の方向性

EVインフラ整備によるガソリン依存低下の促進

 政府のEV普及政策と合わせて、ガソリン需要の長期的減少が想定されるが、現状ではインフラ不足も課題。

物流の共同化・効率化

 地域間輸送の効率化(例:スタンド連携、配送網統合)により、中間マージンやコストの抑制が期待されます。

地域価格監視と透明化の推進

 消費者が価格動向を正確に把握できるように、政府による公開情報整備やスタンド表示の厳格化が必要です。

原油依存体制からの段階的脱却

 再生可能エネルギーや合成燃料の導入支援により、ガソリン依存からの脱却が中長期的課題として浮上しています。

 

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