関東のガソリン価格動向|都市別の差と上昇要因を詳しく解説

ガソリン

2025年5月の関東のガソリン平均価格は182.7円/Lで、都市別では日立・前橋が高値、川崎・川口が安値。前年同月比で+5.7%の上昇。原油高、円安、物流コストの上昇が背景にあり、都市ごとの流通網や競争環境が価格差を生んでいる。

都市別のガソリン1Lの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均170.8-1.167
1前橋176+1.149
2熊谷174+1.163
3宇都宮174-0.571
4東京都区部173-1.143
5日立173-1.143
6府中173
7立川172-3.371
8横浜172
9川崎172+1.176
10所沢171-4.469
11川口170-3.409
12八王子170+2.41
13相模原169-1.17
14千葉169-0.588
15水戸168-1.176
16浦安167-1.183
17小山166-1.775
18さいたま166-4.046
関東ガソリン1L

詳細なデータとグラフ

関東の小売価格の相場と推移

2025年5月現在、関東地域のガソリン平均価格は182.7円/Lで、全国平均(184.1円)よりやや安い傾向を示しています。ただし、都市ごとのばらつきは大きく、日立市や前橋市のようなやや地方寄りの都市では187円と高値圏にある1方で、東京23区や川口市では185円〜183円とやや低めです。

前年同月比で平均+5.742%と上昇しており、関東全体でもガソリン価格の高止まり傾向が続いています。


都市別のガソリン価格の構造的特徴

高価格帯:日立市・前橋市・立川市・宇都宮市(186〜187円)

  • 日立(187円)と前橋(187円)は関東内で最も高く、供給網の末端に位置することや交通量の偏りなどが価格を押し上げていると考えられます。

  • 宇都宮(186円)も高水準。内陸部に位置し、輸送コストの負担がやや大きいのが影響していると見られます。

  • 立川(186円)は都内であるにもかかわらずやや高めで、周辺の価格競争の緩さ郊外住宅地としての特性が影響している可能性があります。

中価格帯:東京都区部・横浜市・所沢市・府中市(184〜185円)

  • 東京都区部(185円)は、人口密度と需要の集中により安定的な価格水準が維持されています。

  • 横浜・所沢・府中(各184円)は競争の激しい都市圏であり、スタンドの多さや仕入れルートの効率化により価格が抑制されていると考えられます。

低価格帯:川崎市・川口市(183円)

  • 川崎・川口(183円)は、工業地帯に近く流通経路が整備されている地域です。流通効率や卸価格の影響を受けやすく、比較的安価でガソリンが供給されています。


これまでの価格推移

関東地域のガソリン価格は、2007年からのデータを見ると、2008年の原油高騰による急騰2011年の東日本大震災後の混乱期2020年のコロナ禍による1時的な下落などの変動を経てきました。

2022年以降は、ウクライナ情勢や円安、原油価格の不安定化により再び価格が上昇傾向に転じ、2025年も前年同月比+5.742%と高止まりしています。


価格上昇の主な要因

  1. 原油価格の国際的な上昇 世界情勢の不安定化が輸入価格に直結し、ガソリン価格に波及。

  2. 円安の進行 エネルギー輸入コストが上昇し、小売価格に反映。

  3. 輸送・物流費の上昇 特に郊外や地方都市では、燃料配送コストが増加傾向。

  4. 価格補助金や税制の影響 補助金終了やトリガー条項未発動の影響により、価格が抑えられにくくなっている。


今後の展望

今後もガソリン価格は高水準で推移する可能性が高いです。政府による補助金政策や、為替の安定、原油市場の動向が鍵を握ります。また、EVやハイブリッド車の普及、交通政策の変化により、ガソリン需要そのものが縮小する可能性もありますが、当面は都市ごとの構造的な価格差が続く見通しです。

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