関東地域のスイカ卸売価格動向と地域別特徴、今後の市場展望解説

すいか

関東のすいか市場は、横浜市と東京都が価格・数量ともに全国的に上位。高品質ブランドの集積や物流整備が価格を押し上げている。数量も安定しており、需要の多様化に対応。今後は物流費上昇や生産者減少が課題となる。

すいかの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1横浜市289+3.336
2東京都273.3+2.497

市場価格の推移

すいかの市場価格

関東の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[k円/kg]前年同月比[%]
1横浜市0.289+3.336
2東京都0.273+2.497

卸売数量の推移

すいかの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

すいかの卸売り市場の現状と今後

関東の主要市場である横浜市のすいか価格は289円/kgと、全国平均(263.3円/kg)を大きく上回っており、前年同月比+3.336%の上昇が見られます。1方、東京都も273.3円/kgと高水準で、+2.497%の上昇を記録しています。卸売数量も横浜市が0.289k円/kg、東京都が0.273k円/kgと、全国的にも上位に位置する取扱量を誇ります。価格・数量ともに、関東圏はすいか流通の中核地域といえます。


過去の価格・数量推移と傾向

2008年以降のデータを見ると、関東のすいか市場は夏場を中心に価格が260~290円/kgで安定的に推移してきました。ただし年によっては、気象影響による不作や物流の乱れで1時的に価格高騰するケースもありました。数量面では東京都が長年にわたりトップを維持していましたが、近年は横浜市が増加傾向にあり、2025年6月時点では東京都を上回っています。これは神奈川県内での物流網の強化や需要の増加が背景にあると考えられます。


都市別の特徴と役割

  • 横浜市:神奈川県内の広範な消費地を抱え、川崎や湘南地域を含めた広域供給拠点となっています。市場へのアクセスの良さと冷蔵施設の整備により、他地域産の高品質すいかの集積拠点にもなっており、価格の上昇にも反映されています。

  • 東京都:中央卸売市場を中心に、日本全国からすいかが集まる「首都圏の流通センター」。価格帯はやや落ち着いていますが、大量流通と多様な品種取扱いが特徴。家庭用から贈答用まで、需要の幅広さが数量の安定化に寄与しています。


価格高騰の要因

  1. 高品質志向の消費者ニーズ 関東圏ではブランドすいか(熊本・山形・鳥取など)への支持が強く、高単価でも売れやすい消費傾向があります。

  2. 都市部特有の物流費上昇 2020年代以降、都市部でのトラック運転手不足やガソリン価格高騰により、卸価格に物流費が転嫁される形で上昇要因となっています。

  3. 気候変動による生産量の不安定化 春先の低温や初夏の大雨の影響で、すいかの収量が減少する年もあり、需給のミスマッチが価格高騰に繋がるケースが散見されます。


すいか生産と今後の流通動向

関東圏に直接的なすいか産地は少ないものの、千葉県・茨城県・山形県南部など、比較的近距離の産地からの供給が中心です。これに加えて、9州(特に熊本)や鳥取、山形(尾花沢)からの高品質品が初夏~盛夏にかけて多く流入します。近年は小玉すいかの人気やカット販売の定着により、商品バリエーションの広がりが量販店を中心に進んでおり、これが卸売数量の堅調さにも寄与しています。


将来の課題と展望

  • 物流コストの上昇労働力不足への対応は引き続き重要な課題です。

  • また、すいかは家庭消費の減少傾向にある1方、外食やギフト市場では高品質品の需要が根強く、その2極化が進んでいます。

  • 高齢化が進む生産現場の担い手確保も、供給安定化に向けた鍵となります。

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