銅の価格チャート、エネルギー転換がもたらす市場の見通し

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銅は加工性が高く、熱・電気伝導性に優れた金属で、建材や合金、電気配線、再生可能エネルギーインフラなど幅広い用途で需要があります。銅市場は地域ごとに異なる経済状況に影響され、アメリカでは夏季の需要低迷が見られる一方、長期的にはエネルギー転換プロジェクトによる需要拡大が期待されています。ヨーロッパでは市場が低迷していますが、再生可能エネルギー関連需要が一部を支えています。全体として銅価格の見通しは強気であり、供給制約とエネルギー転換需要が価格を押し上げると予測されています。

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銅先物 (1時間足)

最新:2025/1/1 10:00

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最新:2025/1/1 10:00

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通貨の換算はドルベースの銅価格を日本円やユーロの為替価格を掛けて計算しています。為替はそれぞれの時間足の始値と終値の平均で算出しています。

銅について

銅は柔らかく、加工が容易で延性に優れた金属であり、非常に高い熱伝導性と電気伝導性を持っています。純銅の新鮮な表面は、特有のピンクがかったオレンジ色をしています。銅は熱と電気の導体、建材、そしてさまざまな金属合金の成分として広く使用されています。例として、ジュエリーに用いられるスターリングシルバー、海洋機器や硬貨に使われる白銅、および温度測定に使われるひずみゲージや熱電対の材料であるコンスタンタンが挙げられます。

銅化合物として一般的に見られるものには銅塩があり、これはアズライト、マラカイト、トルコ石といった鉱物に青や緑の色彩を与え、歴史的に顔料として広く利用されてきました。また、建築物で用いられる銅(特に屋根材)は、酸化されて「緑青」と呼ばれる緑色の錆を形成します。この緑青は「ヴェルディグリス」とも呼ばれる化合物で、銅の特性として知られています。銅はそのまま金属として装飾芸術に用いられるほか、銅化合物は顔料としても使用されています。さらに、銅化合物は抗菌剤、防カビ剤、木材防腐剤としても利用されており、多岐にわたる用途を持っています。

銅は、微量ながら全ての生物にとって必要不可欠な栄養素です。呼吸酵素複合体「シトクロムcオキシダーゼ」の重要な構成成分であるためです。また、軟体動物や甲殻類においては、銅は血液色素であるヘモシアニンの構成成分となっており、魚類やその他の脊椎動物では鉄を含むヘモグロビンに置き換わっています。人間の体内では、銅は主に肝臓、筋肉、骨に存在し、成人の体内には体重1キログラムあたり約1.4~2.1ミリグラムの銅が含まれています。

銅はその化学的特性と生物学的役割から、私たちの生活に欠かせない金属であり、建築、工業、医療、装飾といった多くの分野で活用されています。

銅価格の今後

銅の価格は、世界経済や産業需要の変化、金融政策、地政学的要因によって大きく変動してきました。2003年以降、中国の急速な経済成長により銅の需要が増加し、2006年には1ポンド4.00ドルまで上昇しました。しかし、2008年のリーマンショックにより1.50ドル以下に暴落しました。その後、各国の金融緩和策やインフラ投資の影響で2011年には過去最高の4.58ドルを記録しましたが、2015年には中国経済の減速で1.94ドルまで下落しました。2020年のコロナ禍では、一時2.10ドルまで下落したものの、経済回復やEV需要の拡大を背景に2021年には4.76ドルの最高値を記録しました。近年は脱炭素政策や供給不安により価格が再び上昇し、2024年には4.20ドルを超える場面もありました。今後もエネルギー転換や産業需要によって変動が続くと予想されます。


2003~2008年:中国の経済成長と銅価格の急騰

  • 出来事:2000年代初頭、中国の急速な工業化と都市開発により、銅の需要が急増しました。特に2003年以降は、インフラ投資や製造業の拡大が進み、銅の供給が逼迫しました。
  • 価格変動
    • 2003年:1ポンドあたり0.75ドル前後だった銅価格が上昇を開始。
    • 2006年5月:供給不足と投機資金の流入により、一時4.00ドルまで急騰。
    • 2008年7月:世界的なコモディティブームにより、4.26ドルを記録。
    • 2008年末:リーマンショックにより景気が悪化し、1.50ドル以下に急落。

2010~2011年:金融緩和とインフラ投資による上昇

  • 出来事:リーマンショック後の景気回復のため、世界各国が金融緩和を実施。中国やアメリカが大規模なインフラ投資を行い、銅の需要が再び急増しました。
  • 価格変動
    • 2010年:2.50ドルから3.50ドルへ上昇。
    • 2011年2月:最高値の4.58ドルを記録。
    • 2011年後半:欧州債務危機の影響で景気懸念が広がり、3.00ドル台へ下落。

2015~2016年:中国経済の減速による下落

  • 出来事:2015年、中国の経済成長が鈍化し、鉄鋼や銅の需要が低迷しました。また、ドル高の影響でコモディティ市場全体が低迷しました。
  • 価格変動
    • 2015年:3.00ドル前後から2.00ドルを割り込む。
    • 2016年1月:1.94ドルまで下落し、金融危機後の最低水準を記録。

2020~2022年:コロナ禍と供給不足による高騰

  • 出来事:新型コロナウイルスの影響で鉱山の操業が停止し、供給が大幅に減少。また、各国の景気刺激策や再生可能エネルギーへの投資拡大が銅需要を押し上げました。
  • 価格変動
    • 2020年3月:コロナショックで2.10ドルまで急落。
    • 2021年5月:世界的な経済回復と電気自動車(EV)需要の増加で4.76ドルの過去最高値を記録。
    • 2022年:インフレ対策の金融引き締め政策の影響で、価格が低下し、3.50ドル台へ。

2023~2024年:エネルギー転換と供給不安

  • 出来事:世界的な脱炭素政策により、電動化や再生可能エネルギーの拡大が進み、銅の需要が増加。一方で、鉱山開発の遅れや地政学リスクにより供給懸念が高まりました。
  • 価格変動
    • 2023年:3.50~4.00ドルの範囲で推移。
    • 2024年初頭:供給不安が強まり、4.20ドルを超える場面も。

まとめ

銅の価格は、中国の経済成長(2003~2008年)、金融緩和(2010~2011年)、コロナ禍とその後の供給不足(2020~2022年)などの影響で大きく変動してきました。特に、銅は電気自動車や再生可能エネルギー関連の需要が高まるため、今後も価格の変動が続くと予想されます。

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