毎月勤労統計調査
毎月勤労統計調査全国調査は、日本標準産業分類に基づく16大産業の常用労働者5人以上の事業所を対象に、賃金や労働時間、雇用の変動を毎月把握する調査です。約190万事業所から抽出した約33,000事業所を対象に、名目賃金や実質賃金、労働時間などのデータを収集します。2012年から最新のデータを含め労働者数や給料のデータをグラフ化しています。
金融・保険業の男女別、雇用別データ
全体平均 | 一般労働者 | 女性計 | 男性計 | パートタイム労働者 | |
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最新 | 2025年1月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 |
最大期 | 2017年5月 | 2016年6月 | 2022年7月 | 2012年2月 | 2013年5月 |
最新値[万人] | 132.1 | 119 | 75.13 | 57.33 | 13.46 |
最大値[万人] | 145.3 | 128.4 | 79.87 | 69.92 | 18.9 |
前月比[%] | -0.2379 | -0.4291 | -0.5304 | 0.04799 | 1.049 |
前年同月比[%] | 0.1446 | -1.055 | -1.047 | -1.47 | -2.749 |
金融・保険業の従業員数規模別データ
5-29人 | 30-99人 | 100-499人 | 1000人以上 | 500-999人 | |
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最新 | 2025年1月 | 2025年1月 | 2025年1月 | 2024年12月 | 2024年12月 |
最大期 | 2016年6月 | 2012年1月 | 2024年4月 | 2017年5月 | 2021年10月 |
最新値[万人] | 50.58 | 34.65 | 23.65 | 13.87 | 9.411 |
最大値[万人] | 58.17 | 41.2 | 24.44 | 15.63 | 11.29 |
前月比[%] | -0.1942 | -0.4156 | -0.1878 | -0.2509 | 0.06167 |
前年同月比[%] | 1.401 | -1.219 | -0.6378 | -2.879 | -3.49 |
金融・保険業の労働者数の傾向
金融・保険業は日本の経済基盤を支える重要な産業であり、労働者数の動向は経済の変化を反映する指標の一つです。本稿では、2012年1月から2025年1月までのデータを基に、金融・保険業の労働者数の推移を男女別、雇用別、企業規模別に分析し、業界の特徴や課題、今後の展望について詳しく解説します。
金融・保険業の最新の労働者数の概要
2025年1月時点での最新データによると、金融・保険業における5人以上の企業の労働者数は132.1万人となっています。これは、過去最大の145.3万人と比較して減少しており、業界の雇用環境が変化していることがうかがえます。
男女別の労働者数
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女性労働者数:75.13万人(過去最大79.87万人)
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男性労働者数:57.33万人(過去最大69.92万人)
金融・保険業では女性労働者の割合が比較的高く、特に事務職などで多くの女性が活躍しています。しかし、過去最大値と比べると減少しており、業界内での人材確保が課題となっています。
雇用形態別の労働者数
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一般労働者:119万人(過去最大128.4万人)
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パートタイム労働者:13.46万人(過去最大18.9万人)
一般労働者の割合が非常に高く、正規雇用が主流となっていることが特徴です。一方で、パートタイム労働者の数も減少傾向にあり、業界全体での人材確保が求められます。
企業規模別の労働者数
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5-29人規模:50.58万人(過去最大58.17万人)
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30-99人規模:34.65万人(過去最大41.2万人)
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100-499人規模:23.65万人(過去最大24.44万人)
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500-999人規模:9.411万人(過去最大11.29万人)
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1000人以上規模:13.87万人(過去最大15.63万人)
中小規模の企業が多くの雇用を生み出しており、大手企業よりも小規模企業での雇用が中心となっています。しかし、すべての企業規模で労働者数が減少しており、特に5-29人規模の企業での減少が顕著です。
金融・保険業の労働者数の特徴と問題点
労働者数減少の背景
金融・保険業の労働者数が減少している背景には、以下の要因が考えられます。
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デジタル化の進展:オンラインバンキングやAIによる自動化が進み、業務の効率化が進んだことで、必要な人員が減少。
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経済状況の変化:低金利政策や市場の不安定化により、金融機関の収益が圧迫され、雇用の縮小につながった。
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労働環境の変化:長時間労働やノルマの厳しさが問題視され、特に若年層の離職が増加。
男女別の課題
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女性のキャリアアップ:女性労働者の割合は高いものの、管理職への昇進機会が限られている。
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男性の減少:金融・保険業は伝統的に男性が多かったが、他業種への流出が増えている。
企業規模別の課題
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中小企業の雇用減少:小規模企業では人材確保が難しく、事業継続のリスクが高まっている。
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大企業の効率化:大企業ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、人員削減が進行中。
今後の労働者数の推移と期待
デジタル化と人材需要の変化
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DXによる新たな雇用創出:データ分析やAI活用の専門職の需要が増加。
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リモートワークの拡大:地方在住者や女性の活躍の場が広がる可能性。
労働環境の改善
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柔軟な働き方の導入:フレックスタイム制やテレワークの推進。
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キャリアアップ支援:特に女性の管理職登用を促進し、長期的な雇用安定化を図る。
雇用の安定化策
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人材確保のための施策:賃金や福利厚生の改善、離職率の低減。
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中小企業支援:政府による助成金やDX推進の支援策の充実。
まとめ
金融・保険業の労働者数は、2012年から2025年にかけて減少傾向にあります。デジタル化や経済状況の変化により、業界の雇用構造が大きく変化しているため、今後はDXの活用による新たな雇用創出や、労働環境の改善が求められます。特に、女性のキャリアアップ支援や中小企業の雇用維持が課題となるでしょう。労働市場の変化を注視しながら、持続可能な雇用の確保に向けた取り組みが必要です。
労働者数の推移


月間の労働者数の増減


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