金価格のチャート、上昇の背景と短期的変動要因に注目

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金価格の将来は、長期的には上昇傾向が予測されています。その理由は、金の埋蔵量の限界や採掘コストの上昇、装飾品や工業分野での需要増加にあります。一方で、世界経済が安定すると金の需要は減少し、価格が下落する可能性もあります。これは、安定した経済環境では金融商品への投資が増えるためです。このように、金価格は世界経済の安定性と逆相関の関係があり、地政学的リスクや経済状況などの要因による短期的な変動には注意が必要です。

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金先物 (1時間足)

最新:2025/1/1 10:00

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金先物 (1月足)

最新:2025/1/1 10:00

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通貨の換算はドルベースの金価格を日本円やユーロの為替価格を掛けて計算しています。為替はそれぞれの時間足の始値と終値の平均で算出しています。

金の価値

金は歴史を通じて通貨として使用され、地域や国ごとの経済において通貨の基準として機能してきました。しかし、近代に至るまでにその役割は変化しています。19世紀後半、多くのヨーロッパ諸国が金本位制を採用しましたが、第一次世界大戦に伴う金融危機により一時的に停止されました。第二次世界大戦後、ブレトンウッズ体制において米ドルは1トロイオンスあたり35ドルの金と固定されましたが、この体制は1971年のニクソン・ショックにより、米国がドルと金の直接交換を一方的に停止し、管理通貨制度へ移行したことで終焉を迎えました。

金価格は他のコモディティと同様に需要と供給に影響を受けますが、消費よりも保存や処分が価格に与える影響が大きい点で異なります。これまでに採掘された金の多くは、地金や大量生産された宝飾品の形で現存しており、その重量に応じた価値を超えることは少なく、地金と同様に流動性が高く市場に戻る可能性があります。2006年末時点で、採掘された全ての金の総量は約158,000トンと推定されています。

地上に存在する金の量が年間生産量を大幅に上回っているため、金価格は生産量の変動よりも、市場の供給と需要を均等に左右する「市場心理」の変化に大きく依存しています。世界金協会によれば、近年の年間金生産量は約2,500トンで、そのうち約2,000トンが宝飾品や工業、歯科製品に使用され、残りの約500トンが個人投資家や上場投資信託に向けられています。

金価格のこれまで

金の価格は、世界の重要な出来事に強く影響を受けてきました。1971年、アメリカのニクソン大統領がドルと金の交換を停止した「ニクソンショック」により、金の市場価格は急騰を始め、1974年には180ドルを超えました。続いて、1980年にはイラン・イラク戦争や石油危機の影響で金価格は1オンス850ドルに達し、ピークを迎えました。次に、2001年の9.11同時多発テロ後や2008年のリーマンショックでは、世界的な不安から金が「安全資産」として注目され、2008年に700ドルから1,200ドルへ急上昇しました。2011年のユーロ危機や米国債務問題で金価格は過去最高の1,900ドルを超え、2020年のコロナ禍では金融緩和やインフレ懸念から、金は一時2,070ドルを記録しました。これらの変動は、金が経済の不確実性に対する避難先として評価される証左です。

  1. 1971年:米ドルと金の交換停止(ニクソンショック)

    • 出来事:1971年、アメリカ合衆国のリチャード・ニクソン大統領は、米ドルと金の交換を停止しました。この「ニクソンショック」により、金の価格は完全に市場で決定されるようになり、金の価格は急上昇を始めました。
    • 金価格:1971年に約35ドルだった金価格は、1974年には180ドルに達し、約5倍に跳ね上がりました。
  2. 1980年:イラン・イラク戦争と石油危機

    • 出来事:1979年からのイラン革命とその後のイラン・イラク戦争、さらには石油ショックが世界経済に不安をもたらしました。この不安定な状況により、金は「安全資産」としての需要が高まりました。
    • 金価格:1980年1月には金価格はピークに達し、1オンスあたり850ドルを超えました。この時期、金は世界の不確実性へのヘッジとして急騰しました。
  3. 2001年:ドットコムバブル崩壊と9.11同時多発テロ

    • 出来事:2000年代初頭、ドットコムバブルの崩壊や2001年9月のアメリカ同時多発テロが世界的な経済危機を引き起こしました。特にテロ事件は、米国の金融市場に大きな影響を与え、金は再び「安全資産」として注目されました。
    • 金価格:2001年から金価格は上昇を開始し、2005年には500ドルを突破しました。これは、安全資産としての需要が高まったためです。
  4. 2008年:リーマンショックと世界金融危機

    • 出来事:2008年、リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、世界金融システムが大きな混乱に見舞われました。この金融危機によって、金は再び大きな需要を集め、「リスク回避」のために投資家が金に資産を移しました。
    • 金価格:2008年の初めに700ドル前後だった金価格は、2009年末には1,200ドルを超える水準に達しました。
  5. 2011年:ユーロ危機と米国債務上限問題

    • 出来事:2011年、ユーロ圏の財政危機や米国の債務上限問題が金価格を押し上げました。特に、欧州の銀行危機や米国の財政赤字が拡大する中で、金の安全性が改めて評価されました。
    • 金価格:2011年9月、金価格は過去最高の1,900ドルを超えました。
  6. 2020年:コロナ禍と世界的な金融緩和

    • 出来事:2020年、世界的な新型コロナウイルスのパンデミックにより、各国が大規模な金融緩和政策を実施しました。これにより、インフレ懸念と不安定な経済状況から金価格は急上昇しました。
    • 金価格:2020年8月、金価格は一時2,070ドルを超え、史上最高値を更新しました。

これらの出来事を通じて、金価格は世界的な経済の不安定性やリスクに応じて大きく変動し、特に不安定な時期には「安全資産」としての役割を果たすことが明確になっています。

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