2025年最新|野菜缶詰1kg小売価格の地域差と価格動向、今後の展望を解説

加工食品

野菜缶詰1kgの全国平均は1,394円。富山・熊本・水戸などで1,500円超えの高価格を記録。熊本では前年比+16%と大幅上昇。要因は原材料費やエネルギー・包材コストの上昇に加え、地方都市における流通コストの影響も大きい。今後も価格上昇圧力は続く可能性が高い。

都市別の野菜缶詰1kgの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均1391+0.527
1富山1575-7.025
2横浜1536+3.854
3熊本1514+16.19
4水戸1511+13.52
5松山1511+5.223
6高知1508+6.422
7東京都区部1493+0.81
8大津1483
91478
10さいたま1467-1.544
11千葉1458+4.741
12京都1453+2.18
13宇都宮1450+7.727
14鳥取1447-0.207
15仙台1442
16大阪1437+2.423
17札幌1430+8.498
18長野1425+4.472
19福島1419-7.797
20広島1419
21名古屋1419-2.07
22新潟1417+2.237
23神戸1403+2.259
24金沢1397-4.052
25奈良1394+2.199
26青森1389+2.057
27那覇1386
28山形1386
29盛岡1369
30福井1367
31和歌山1364+3.569
32徳島1358+2.957
33松江1342+0.449
34長崎1336+2.141
35岡山1328
36高松1325-6.493
37岐阜1325-12.31
38前橋1319-13.79
39甲府1306-8.543
40山口1303
41静岡1297+2.368
42鹿児島1272
43大分1264+1.608
44秋田1258-11.03
45福岡1223+4.085
46宮崎1214+5.291
47佐賀1156+2.756
野菜缶詰1kg

詳細なデータとグラフ

野菜缶詰の小売価格の相場と推移

2025年5月時点での野菜缶詰1kgの全国平均価格は 1,394円。この水準は、野菜という原材料の価格に加え、加工・保存・包装といった付加工程のコストが含まれているため、1般的な生鮮野菜よりも高額です。都市別では、富山(1,694円)が全国最高値で、次いで 横浜(1,536円)熊本(1,514円)、水戸・松山(各1,511円)と続きます。都市ごとの価格には100円〜300円の開きがあり、地域による差が顕著です。


価格上昇率と注目都市の動向

前年同月比の増加率は全国平均で +0.879%と穏やかな伸びですが、都市別に見ると以下のような特徴的な動きが見られます:

  • 熊本:+16.19% 今回最大の上昇率。仕入れコストや流通の変化が考えられます。

  • 水戸:+13.52% 野菜加工品の供給ルートや需要変化の影響が疑われます。

  • 松山:+5.223%高知:+4.305%横浜:+3.854% 地方都市と大都市圏の双方で上昇が見られ、地域を問わずコスト圧力が働いていることがうかがえます。

1方、東京都区部(+0.47%)や千葉(+1.532%)は比較的安定しており、大規模流通網による価格調整力が働いている可能性があります。


価格高騰の構造的要因

野菜缶詰価格の地域差や上昇傾向は、いくつかの共通要因に起因しています:

原材料費の高止まり

特に2020年代に入り、加工用野菜(例:にんじん、とうもろこし、グリーンピースなど)の価格が上昇傾向にあります。円安や天候不順の影響で、輸入素材にもコストがかかっています。

エネルギー・包材コストの上昇

缶詰製造には、加熱・密封などの工程で多くのエネルギーが必要です。燃料価格や電力コストの上昇は、製品価格に直結しています。また、缶やラベルといった包装資材の価格も上昇しており、特に輸送の多い都市で価格への転嫁が進みやすい傾向があります。

地方都市における流通コスト

富山や熊本、水戸といった都市では、製造拠点からの距離や流通ルートの複雑さが価格に影響していると考えられます。また、これらの都市では地場産業やスーパーマーケットの競争が緩やかで、価格が上がりやすい市場構造であることも1因です。


安定価格都市の背景

東京都区部や千葉のように価格上昇率が低い都市では、以下の要因が価格安定に寄与していると考えられます:

  • 広域流通ネットワークの整備 大量調達と価格交渉力を持つ量販チェーンが市場を主導しており、価格の平準化が進んでいます。

  • 消費者層の価格感度 首都圏では比較的低価格帯の商品需要が強く、価格転嫁を抑える動きが見られます。

  • PB(プライベートブランド)の普及 低価格志向のPB商品が普及しており、全体の相場を下支えしている可能性があります。


今後の見通しと注意点

野菜缶詰は、保存性や調理の手軽さから、コロナ禍以降も需要が安定していますが、以下の要因により今後も価格の上昇リスクが続きそうです:

  • 物流・人件費の上昇 人手不足や運送費の増加は、今後の価格上昇圧力として無視できません。

  • 円相場や国際需給の変動 輸入原料に依存する商品では、為替や国際価格の変動が価格に反映されやすくなります。

1方で、大都市を中心に「冷凍野菜」「簡便野菜」など代替商品も普及しており、価格が横ばいまたは低下する都市も出てくる可能性があります。

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