野菜缶詰1kgの全国平均は1,394円。富山・熊本・水戸などで1,500円超えの高価格を記録。熊本では前年比+16%と大幅上昇。要因は原材料費やエネルギー・包材コストの上昇に加え、地方都市における流通コストの影響も大きい。今後も価格上昇圧力は続く可能性が高い。
都市別の野菜缶詰1kgの相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 1391 | +0.527 | |
1 | 富山 | 1575 | -7.025 |
2 | 横浜 | 1536 | +3.854 |
3 | 熊本 | 1514 | +16.19 |
4 | 水戸 | 1511 | +13.52 |
5 | 松山 | 1511 | +5.223 |
6 | 高知 | 1508 | +6.422 |
7 | 東京都区部 | 1493 | +0.81 |
8 | 大津 | 1483 | |
9 | 津 | 1478 | |
10 | さいたま | 1467 | -1.544 |
11 | 千葉 | 1458 | +4.741 |
12 | 京都 | 1453 | +2.18 |
13 | 宇都宮 | 1450 | +7.727 |
14 | 鳥取 | 1447 | -0.207 |
15 | 仙台 | 1442 | |
16 | 大阪 | 1437 | +2.423 |
17 | 札幌 | 1430 | +8.498 |
18 | 長野 | 1425 | +4.472 |
19 | 福島 | 1419 | -7.797 |
20 | 広島 | 1419 | |
21 | 名古屋 | 1419 | -2.07 |
22 | 新潟 | 1417 | +2.237 |
23 | 神戸 | 1403 | +2.259 |
24 | 金沢 | 1397 | -4.052 |
25 | 奈良 | 1394 | +2.199 |
26 | 青森 | 1389 | +2.057 |
27 | 那覇 | 1386 | |
28 | 山形 | 1386 | |
29 | 盛岡 | 1369 | |
30 | 福井 | 1367 | |
31 | 和歌山 | 1364 | +3.569 |
32 | 徳島 | 1358 | +2.957 |
33 | 松江 | 1342 | +0.449 |
34 | 長崎 | 1336 | +2.141 |
35 | 岡山 | 1328 | |
36 | 高松 | 1325 | -6.493 |
37 | 岐阜 | 1325 | -12.31 |
38 | 前橋 | 1319 | -13.79 |
39 | 甲府 | 1306 | -8.543 |
40 | 山口 | 1303 | |
41 | 静岡 | 1297 | +2.368 |
42 | 鹿児島 | 1272 | |
43 | 大分 | 1264 | +1.608 |
44 | 秋田 | 1258 | -11.03 |
45 | 福岡 | 1223 | +4.085 |
46 | 宮崎 | 1214 | +5.291 |
47 | 佐賀 | 1156 | +2.756 |

詳細なデータとグラフ
野菜缶詰の小売価格の相場と推移
2025年5月時点での野菜缶詰1kgの全国平均価格は 1,394円。この水準は、野菜という原材料の価格に加え、加工・保存・包装といった付加工程のコストが含まれているため、1般的な生鮮野菜よりも高額です。都市別では、富山(1,694円)が全国最高値で、次いで 横浜(1,536円)、熊本(1,514円)、水戸・松山(各1,511円)と続きます。都市ごとの価格には100円〜300円の開きがあり、地域による差が顕著です。
価格上昇率と注目都市の動向
前年同月比の増加率は全国平均で +0.879%と穏やかな伸びですが、都市別に見ると以下のような特徴的な動きが見られます:
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熊本:+16.19% 今回最大の上昇率。仕入れコストや流通の変化が考えられます。
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水戸:+13.52% 野菜加工品の供給ルートや需要変化の影響が疑われます。
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松山:+5.223%、高知:+4.305%、横浜:+3.854% 地方都市と大都市圏の双方で上昇が見られ、地域を問わずコスト圧力が働いていることがうかがえます。
1方、東京都区部(+0.47%)や千葉(+1.532%)は比較的安定しており、大規模流通網による価格調整力が働いている可能性があります。
価格高騰の構造的要因
野菜缶詰価格の地域差や上昇傾向は、いくつかの共通要因に起因しています:
原材料費の高止まり
特に2020年代に入り、加工用野菜(例:にんじん、とうもろこし、グリーンピースなど)の価格が上昇傾向にあります。円安や天候不順の影響で、輸入素材にもコストがかかっています。
エネルギー・包材コストの上昇
缶詰製造には、加熱・密封などの工程で多くのエネルギーが必要です。燃料価格や電力コストの上昇は、製品価格に直結しています。また、缶やラベルといった包装資材の価格も上昇しており、特に輸送の多い都市で価格への転嫁が進みやすい傾向があります。
地方都市における流通コスト
富山や熊本、水戸といった都市では、製造拠点からの距離や流通ルートの複雑さが価格に影響していると考えられます。また、これらの都市では地場産業やスーパーマーケットの競争が緩やかで、価格が上がりやすい市場構造であることも1因です。
安定価格都市の背景
東京都区部や千葉のように価格上昇率が低い都市では、以下の要因が価格安定に寄与していると考えられます:
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広域流通ネットワークの整備 大量調達と価格交渉力を持つ量販チェーンが市場を主導しており、価格の平準化が進んでいます。
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消費者層の価格感度 首都圏では比較的低価格帯の商品需要が強く、価格転嫁を抑える動きが見られます。
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PB(プライベートブランド)の普及 低価格志向のPB商品が普及しており、全体の相場を下支えしている可能性があります。
今後の見通しと注意点
野菜缶詰は、保存性や調理の手軽さから、コロナ禍以降も需要が安定していますが、以下の要因により今後も価格の上昇リスクが続きそうです:
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物流・人件費の上昇 人手不足や運送費の増加は、今後の価格上昇圧力として無視できません。
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円相場や国際需給の変動 輸入原料に依存する商品では、為替や国際価格の変動が価格に反映されやすくなります。
1方で、大都市を中心に「冷凍野菜」「簡便野菜」など代替商品も普及しており、価格が横ばいまたは低下する都市も出てくる可能性があります。
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