2025年3月までの家計調査により、二人以上世帯の野菜・海藻支出は1.013万円となり、さいたま市や奈良市など都市部で高水準を記録。一方、地方都市では支出額が低く、北九州市では前年同期比で減少も見られた。都市間・世代間の生活様式や購買習慣の違いが反映されており、今後も高齢化や物価上昇が影響を与えると予測される。都市部では健康志向や共働き世帯の増加が支出増を後押しし、地方との格差拡大の懸念もある。
野菜・海藻の家計調査結果
野菜・海藻の多い都市
野菜・海藻の少ない都市
これまでの野菜・海藻の推移


詳細なデータとグラフ
野菜・海藻の野菜現状と今後
2025年3月時点での全国平均は1.013万円と、物価高の影響や健康志向の高まりを背景に、長期的には緩やかな上昇傾向が続いている。特に都市部では支出増加が顕著で、さいたま市(1.268万円)や富山市(1.261万円)、横浜市(1.25万円)といった上位都市では20%以上の増加率を記録している。これは新鮮な野菜や海藻の価格上昇に加え、健康志向の強まり、調理済みカット野菜やミールキットなどの購入が含まれているためと考えられる。
都市ごとの傾向──支出額の格差
高支出都市の特徴
さいたま市や川崎市、東京都区部など首都圏の大都市圏では、以下のような要因が支出を押し上げている。
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健康志向の強い中高年層の多さ
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高所得世帯の比率が高い
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共働き世帯による中食・時短調理品(サラダミックスなど)の需要
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流通網の整備による高品質野菜の入手容易さ
これにより、平均額を1.2万円以上とする都市が複数存在している。
低支出都市の特徴
1方、支出額が0.8万円前後にとどまっている高知市、鹿児島市、松山市などでは、
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自家栽培や親族からの供給
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高齢化による買い控え
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地場産品への依存で物価統計に反映されにくい傾向が見られる。特に北9州市や前橋市では前年比で減少しており、地元経済の停滞や人口構成の変化が影響している可能性がある。
世代別の支出傾向と消費スタイルの違い
若年層の共働き世帯では、加工済み野菜や調理済み惣菜に支出が偏りがちで、量よりも利便性や安全性が重視される。これにより、価格が割高でも簡便な商品が選ばれやすく、都市部での支出増加を後押ししている。
1方で高齢世帯では、手作り志向や倹約志向が残っており、安価で旬の野菜を使った料理が中心。特に地方ではスーパーのセールや直売所を活用することで支出を抑えている。
課題──都市間格差と物価上昇の影響
今後の課題として、以下のような点が挙げられる。
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物価上昇による支出の地域差拡大:都市部では高額商品を選べるが、地方では選択肢が限られ実質的な「栄養格差」にもつながりかねない。
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物流コストの上昇:特に離島や山間部では生鮮品の流通が高コストになり、消費者の負担が増している。
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高齢化社会と購買力の低下:年金生活者の多い地域では、出費そのものを抑制する傾向が強く、統計上の支出額が低く見える。
今後の予測──健康志向と地方の見直し
中長期的には、以下の流れが予測される。
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都市部では今後も支出増が続く:健康志向と簡便志向が両立される商品が多く流通し、家計の中で「健康投資」としての位置づけが強まる。
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地方では「地産地消」の価値再評価が鍵に:地域特有の野菜や伝統的な食材を活かした取り組みが注目されれば、支出の中身が質的に向上する可能性がある。
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自治体の食育・健康促進政策が消費に影響:特に学校給食や高齢者向け配食サービスを通じた地場野菜の導入は、地域経済の活性化にもつながる。
まとめ
2人以上世帯の野菜・海藻支出は、単なる物価や量の変動だけでなく、地域社会の構造や生活様式、価値観の反映である。今後も支出額だけでなく「なぜ支出しているのか」「どのような商品を選んでいるか」という視点で読み解くことが重要となるだろう。
また、地方と都市の格差是正、若年層への栄養教育、高齢者への購買支援など、生活の質の向上を支える政策が、家計調査の数字の裏にある社会的課題を解決する鍵となる。
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