酢0.5Lの価格動向と地域差|全国平均と今後の価格予測を解説

加工食品



酢0.5Lの全国平均価格は2025年4月時点で150.4円。価格は安定的で、上昇率は+0.694%。山口や徳島など西日本で高め、関東や北海道で安値傾向。原材料や製造工程が安定しており、価格の急変は少ない。今後も標準品は横ばい傾向、地域差と高付加価値商品の二極化が進む見込み。

小売物価統計

酢小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 山口 徳島 福井 岡山 広島 和歌山 福山 熊本 松江 高松
最新値[円] 150.4 192 187 182 181 176 176 171 171 171 170
前年同月比[%] +0.694 +2.674 +2.326 +10.32 +14.77

酢小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 八王子 相模原 函館 さいたま 川口 熊谷 立川 秋田 川崎 旭川
最新値[円] 150.4 105 105 107 111 118 118 118 121 122 124
前年同月比[%] +0.694 -17.32 -17.32 -28.19 -5.128 +0.855 -9.701 -8.271

 

酢の推移

酢小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

酢の現状と今後

酢は日本の食文化に深く根付いた調味料であり、寿司、酢の物、南蛮漬け、ドレッシングなど、幅広い用途があります。2010年から2025年までの15年間にわたるデータによると、2025年4月時点での0.5Lの酢の全国平均価格は150.4円となっています。

この期間の価格推移は緩やかな上昇傾向にありますが、近年のような急激な物価上昇とは異なり、比較的安定的な物価推移を保っているのが特徴です。2024年から2025年にかけての直近1年間の全国平均増加率はわずか+0.694%にとどまり、他の調味料(しょうゆ、食用油など)と比べると値上がり幅は小さく抑えられています。


地域差から見る価格の特徴と要因

今回のデータでは、最も価格が高い地域は山口(192円)であり、以下、徳島(187円)、福井(182円)、岡山(181円)など中国・4国地方を中心に価格が高くなっています。1方で、最も安いのは8王子と相模原(ともに105円)、函館(107円)、さいたま(111円)と続いています。

このような地域差が生まれる背景には、以下のような構造的な要因があります:

  • 物流距離と輸送コスト:本州中心部から離れた地域では、調味料の輸送コストが価格に転嫁されやすい。

  • 地域スーパーの競争状況:関東や北海道の都市部では、ディスカウント店やPB(プライベートブランド)の充実によって価格が抑えられている。

  • 地場メーカーとブランド嗜好:価格が高い地域では地元の老舗酢メーカーの製品が好まれることも多く、結果として平均価格が上昇。


価格変動の要因と安定要素

酢の価格は、以下のような理由で比較的安定しています。

  • 主原料(米・麦・酒かすなど)の価格が比較的安定:酢の原材料は国産比率が高く、天候や国際価格の影響を受けにくい。

  • 製造工程が安定している:酢の製造は機械化が進み、大量生産によってコストが1定範囲内に収まっています。

  • 保存性が高く、廃棄リスクが少ない:長期保存可能な酢は小売側もロスを抑えやすく、無理に価格転嫁する必要が少ない。

  • 価格転嫁に慎重な業界体質:しょうゆ・味噌などと並び、酢も「生活調味料」として価格維持が意識されやすいジャンルです。

ただし、1部地域では10%〜15%前後の急激な価格上昇も確認されており(松江+14.77%、熊本+10.32%など)、流通再編や製造所の統合など、ローカル要因による価格変動も無視できません。


消費者動向と商品構成の変化

酢は以前から「健康志向調味料」として注目されており、以下のような消費者の変化が見られます:

  • 調味酢や機能性酢への関心:黒酢やリンゴ酢など、通常の穀物酢よりも高価格帯の商品が伸長しています。

  • 少量化・個包装の進行:単身世帯の増加や調理機会の減少により、小容量やチューブタイプの酢も登場。

  • 「酢活」ブームの継続:美容や健康維持を目的とした飲用酢・割り酢の人気が背景にあり、付加価値製品が市場に定着。

こうした動きは、1方で基本的な0.5L酢の価格競争には直接的な影響を与えにくく、今後もこの規格の商品は安定的な価格帯を維持しやすいと予想されます。


今後の価格の推移と見通し

酢の価格に関して、今後の動きは以下の要素に左右されると見られます:

  1. 原材料費の動向:米価や酒かすなどの副産物価格が上昇すれば、酢の原価にも波及します。

  2. 電気・燃料コストの影響:酢の製造には1定の加温・発酵工程があり、電力料金次第では製造コストに影響します。

  3. 流通の変化:今後、地方の小売店の統廃合や物流改革が進むことで、1部地域での価格上昇または下降が見込まれます。

  4. 脱炭素・環境規制の影響:酢のボトル容器や包装資材の環境対応が進めば、それに伴うコスト増の可能性もあります。

全体として、酢は「比較的安定するが、地域差は広がる傾向」という構図がしばらく続くと考えられます。今後は、標準品の価格は横ばい〜微増傾向、付加価値型商品の価格はインフレ圧力を受けやすいという2極化が進むと予測されます。

 

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