2025年4月の桃卸売価格は東京都が最も高く8639円/kg、地方では仙台市の224円/kgなど価格差が顕著。都市別の価格変動は非常に大きく、地域ごとの需要や流通規模が影響している。今後は流通量増加で価格はやや安定すると見られ、地方市場でもブランド化による価格改善が期待される。
桃の卸売り市場価格
桃の高い順
東京都 | 大阪市 | 福岡市 | 横浜市 | 旭川市 | 札幌市 | 長崎市 | 大阪府 | 高松市 | 京都市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2024年11月 | 2021年12月 | 2024年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2024年11月 | 2024年12月 |
最大期 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2019年12月 | 2024年11月 | 2020年11月 | 2016年11月 | 2021年4月 | 2019年4月 | 2018年11月 | 2022年11月 |
最新値[円/kg] | 8639 | 7660 | 6185 | 6120 | 4486 | 3456 | 3067 | 3054 | 3024 | 2820 |
最大値[円/kg] | 8639 | 7660 | 7200 | 6120 | 9180 | 3780 | 7020 | 5622 | 7020 | 6249 |
前月比[%] | +247.1 | +231.7 | +36.11 | +1066 | +545.5 | +545.2 | +8.49 | -25.31 | +328.9 | +10.81 |
前年同月比[%] | +22.84 | +15.63 | +127.7 | -2.837 | +3.226 | +201.6 | +20.9 |
桃の安い順
沖縄県 | 広島市 | 山形市 | 仙台市 | 長野市 | 八戸市 | 函館市 | 岡山市 | 高松市 | さいたま市 | |
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最新 | 2024年10月 | 2024年9月 | 2021年10月 | 2024年10月 | 2021年10月 | 2023年10月 | 2016年9月 | 2023年12月 | 2024年11月 | 2021年10月 |
最大期 | 2023年12月 | 2019年4月 | 2012年5月 | 2014年4月 | 2010年4月 | 2014年4月 | 2013年4月 | 2013年12月 | 2018年11月 | 2021年4月 |
最新値[円/kg] | 1009 | 684 | 690 | 224 | 862 | 425 | 475 | 2230 | 3024 | 516 |
最大値[円/kg] | 3259 | 8424 | 1670 | 4312 | 5040 | 3456 | 2800 | 4078 | 7020 | 6038 |
前月比[%] | +43.12 | -12.61 | +39.39 | -57.55 | +26.21 | -7.002 | +27.69 | -18.14 | +328.9 | -10.1 |
前年同月比[%] | -10.47 | +49.35 | -40.27 | +27.51 | +59.18 | +38.08 | +2.907 | +29.97 |
桃の推移


その他のデータとグラフ
桃の価格についての推移と展望
最新の桃の卸売価格(円/kg)上位10都市は以下の通りです:
順位 | 都市名 | 単価(円/kg) |
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1位 | 東京都 | 8639 |
2位 | 大阪市 | 7660 |
3位 | 福岡市 | 6185 |
4位 | 横浜市 | 6120 |
5位 | 旭川市 | 4486 |
6位 | 札幌市 | 3456 |
7位 | 長崎市 | 3067 |
8位 | 大阪府 | 3054 |
9位 | 高松市 | 3024 |
10位 | 京都市 | 2820 |
また、価格の低い都市の例は以下の通りです:
順位 | 都市名 | 単価(円/kg) |
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下位1位 | 仙台市 | 224 |
下位2位 | 広島市 | 684 |
下位3位 | 山形市 | 690 |
下位4位 | 八戸市 | 425 |
下位5位 | 沖縄県 | 1009 |
このランキングから、大都市圏における価格の高さと、地方都市での価格の安さが際立っており、消費需要・物流費・品質評価により大きな価格差が生じていることが分かります。
都市別の価格変動の特徴(前月比・前年比)
前月比の主な変化(注目都市):
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横浜市:+1066%非常に急激な伸びで、これまで取引量が少なかったところへ高品質品が一時的に多く流通した可能性があります。
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旭川市・札幌市:+545%前後北海道の取引価格が急騰しており、これまで流通が少なかった中で突然大きな需要が生じた、またはプレミアム品が一時的に流入した影響が考えられます。
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高松市:+328.9%香川県産の果実や流通品の価格上昇による影響と見られます。
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大阪府:-25.31%一方で、近隣の大阪市と異なり価格が下落しており、卸売市場の事情の違いや安価品の増加が要因と考えられます。
年間比較の注目点:
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長崎市:+201.6%
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福岡市:+127.7%九州地方では前年に比べて倍増以上の上昇が見られ、品質向上やブランド果実の普及が要因となっている可能性があります。
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仙台市:-40.27%
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広島市:-10.47%一部都市では前年より大きく下落しており、気候不順や販売不振による安値が影響している可能性もあります。
価格地域差の構造的要因
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消費地価格の高さ(東京・大阪・横浜)高級果実としての桃の需要が高く、特に贈答需要や百貨店取引が価格を押し上げている。流通網の充実、物流コスト吸収力の高さも一因。
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地方都市での価格の安さ(仙台・山形・八戸)生産地であるにもかかわらず、卸売価格は安価。地元消費が中心であり、出荷量の多さや競争による価格圧力が強い。
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北海道・四国地方の変動の激しさ旭川・札幌・高松などは一時的な出荷・需要によって価格が大きく変動しており、流通規模が小さい都市ほど価格変動リスクが高い傾向にある。
桃価格に関する近年の課題
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急激な価格変動前月比数百%の変動が続く状況は、市場参加者にとって不安要素であり、価格の予測が困難。
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産地と消費地の価格格差同じ桃でも流通先によって3~5倍もの価格差が生じており、「高付加価値流通」の偏在が課題。
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物流・気象リスクコスト上昇や収穫量の不安定化によって、特に地方市場での価格の予測性が低下。
今後の展望と価格推移の予測
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価格の安定化に向けた調整期に入る可能性春から夏にかけて流通量が増えることで価格はやや下がる見通し。
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地方市場の価格是正とブランド化の期待地方都市でも「地域ブランド桃」の構築と販路開拓が進めば、価格格差の是正と産地の利益改善が期待されます。
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新たな消費トレンドへの対応小容量化・贈答需要・糖度表示の明確化など、今後の流通改革次第で新たな価格帯構造が生まれる可能性もあります。
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