全国イチゴ卸売価格ランキングと地域別特徴、価格変動の原因と今後展望

イチゴ

日本のイチゴ卸売価格は徳島市を筆頭に地域差が大きく、近年は気候や需給の変動で価格の二極化が進んでいる。技術革新やブランド戦略で高付加価値化が期待される一方、気候変動リスクや物流課題も残る。今後の市場は安定化と多様化が鍵となる。

イチゴの卸売り市場価格

イチゴの高い順

徳島市 高知市 大阪府 宮崎市 岡山市 姫路市 浜松市 青森市 福山市 和歌山市
最新 2023年12月 2023年12月 2021年12月 2023年12月 2023年12月 2023年12月 2023年12月 2023年12月 2021年12月 2023年12月
最大期 2023年11月 2010年10月 2020年10月 2016年10月 2023年10月 2022年10月 2023年8月 2022年10月 2011年10月 2019年10月
最新値[円/kg] 3434 2835 2723 2650 2636 2629 2599 2554 2514 2508
最大値[円/kg] 3662 3406 3015 3326 3742 4410 4131 3467 3545 4622
前月比[%] -6.226 -10.96 +11.28 -12.28 -5.824 -15.03 -16.4 +1.753 +6.076 -10.68
前年同月比[%] +6.58 +37.82 +35.68 +6.212 +17.89 +14.4 +11.83 +10.18 +42.44 +9.424

イチゴの安い順

千葉市 佐賀市 福岡市 大分市 和歌山市 川崎市 沖縄県 久留米市 福島市 福山市
最新 2021年12月 2021年12月 2025年5月 2021年12月 2023年12月 2023年12月 2025年5月 2023年12月 2021年12月 2021年12月
最大期 2010年8月 2020年10月 2020年10月 2008年10月 2019年10月 2022年10月 2023年11月 2021年10月 2020年10月 2011年10月
最新値[円/kg] 1976 2457 979 2175 2508 2259 1691 2147 2351 2514
最大値[円/kg] 3560 2851 10800 6405 4622 3612 3605 3098 3529 3545
前月比[%] +11.7 +14.07 -8.675 -5.476 -10.68 -1.526 +21.41 +3.172 +21.94 +6.076
前年同月比[%] +5.274 +44.87 -1.805 +30.08 +9.424 +6.708 +23.48 +6.445 +7.205 +42.44

イチゴの推移

イチゴの市場価格
イチゴの市場価格

その他のデータとグラフ

イチゴの価格についての推移と展望

日本のイチゴ卸売価格は都市別で大きく異なり、地域の生産環境や流通体制、ブランド価値の違いが価格に反映されています。徳島市は3434円/kgと全国トップクラスの高価格で推移しており、高糖度品種の栽培技術向上や地元ブランド化が強みです。高知市、大阪府も高価格帯にあり、特に近年は前年同月比で30~40%台の大幅な価格上昇を見せているのが特徴です。1方、福岡市(979円/kg)、沖縄県(1691円/kg)などは安価で、流通量や生産規模、消費地の特性により価格差が生じています。2008年からの長期データでは、季節変動や気象条件、経済環境の変化が価格に大きな影響を与え、安定的な価格維持が課題となっています。

近年の価格変動の課題と要因

2025年5月時点の前月比では、徳島市や高知市、宮崎市など多くの高価格地域で5~16%程度の価格下落が見られ、これは収穫量の増加や1時的な需給バランスの変化、輸送コストの上昇と消費者の価格感応度が影響している可能性があります。逆に大阪府や福山市、青森市では価格が上昇し、大阪府は11.28%の増加が顕著です。前年同月比では福山市が42.44%増、佐賀市44.87%増、沖縄県23.48%増など1部地域で大きな伸びを示し、地域ごとの需給や生産技術の差異が浮き彫りとなっています。こうした2極化は生産者間の競争だけでなく、地域の消費構造や物流体系の違いも影響しています。

地域別ランキングの特色と要因分析

価格上位は徳島、高知、大阪、宮崎、岡山などで、これらは高品質イチゴの栽培環境やブランド戦略の成功例が目立ちます。徳島市の高価格は糖度・食味の向上を目指した研究開発と農家の技術力が反映されています。高知市も気候が安定しているため、通年品質を保つことが可能です。下位地域は福岡市、沖縄県、千葉市などで、気候の影響や生産規模、流通コストなどが価格抑制要因となっています。首都圏近郊の川崎市や千葉市は輸送距離や中間流通コストが価格に反映されやすく、中間層の価格帯に位置しています。こうした地域差は日本の農業多様性の表れであり、各地域の政策や産業構造の違いも価格に影響を及ぼしています。

今後の価格推移の期待と市場展望

今後はスマート農業やIT技術の導入による生産効率の向上が価格安定の鍵を握ります。都市近郊の流通網整備や消費者の健康志向の高まりに伴い、高付加価値イチゴの需要が増加しやすい環境です。1方、気候変動の不確実性や生産リスクの増大は価格の変動幅を広げる可能性があります。地域間の価格格差縮小には、生産技術の共有や物流改善、地域ブランドの育成が重要です。また、消費者ニーズに合わせた多様な商品開発と市場戦略が求められ、今後も市場は成熟と変動を繰り返すと予想されます。

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