日本における運動靴1足の小売価格は、2025年3月時点で平均5478円と上昇傾向にあります。福井や川口では6600円と高値を記録し、特に富士とさいたまで大幅な伸びが見られます。一方、広島や福岡では低価格化が進行。価格上昇は原材料費高騰、高機能志向、健康ブーム、円安などが要因であり、今後は市場の二極化が進む見通しです。
衣類・美容の都市別小売価格
運動靴価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 福井 | 川口 | 富士 | 姫路 | 松本 | さいたま | 岐阜 | 秋田 | 津 | 新潟 |
最新値[円] | 5478 | 6600 | 6600 | 6600 | 6600 | 6490 | 6490 | 6325 | 6270 | 6270 | 6270 |
平均比[%] | 100 | 120.5 | 120.5 | 120.5 | 120.5 | 118.5 | 118.5 | 115.5 | 114.5 | 114.5 | 114.5 |
前年月同比[%] | 2.258 | 9.091 | 1.695 | 53.85 | 9.091 | 0 | 68.57 | 0.877 | -3.39 | 17.77 | 26.67 |
運動靴価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 広島 | 盛岡 | 京都 | 佐賀 | 前橋 | 宇部 | 東大阪 | 松江 | 松阪 | 福岡 |
最新値[円] | 5478 | 3267 | 4070 | 4290 | 4290 | 4290 | 4290 | 4290 | 4290 | 4290 | 4290 |
平均比[%] | 100 | 59.64 | 74.3 | 78.32 | 78.32 | 78.32 | 78.32 | 78.32 | 78.32 | 78.32 | 78.32 |
前年月同比[%] | 2.258 | -14.41 | -7.5 | 0 | -17.02 | 0 | 0 | -33.9 | 0 | 0 | -31.58 |
これまでの靴の推移


詳細なデータとグラフ
運動靴の現状と今後
2017年以降、日本国内の運動靴(スニーカー・ランニングシューズ等)の小売価格は、緩やかに上昇してきました。特に2020年以降はコロナ禍により健康志向が高まり、ウォーキングやランニング需要が拡大。これに応じて、機能性やデザイン性を重視した商品へのシフトが進みました。2025年3月時点の最新全国平均は5478円で、2017年時点と比較しても明らかな上昇傾向が確認されます。
都市別価格と特徴
高価格帯都市
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福井・川口・富士・姫路(各6600円)
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松本・さいたま(6490円)
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岐阜(6325円)
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秋田・津・新潟(各6270円)
福井、川口、富士、姫路では最高水準の6600円を記録しています。特に富士市は前年同期比で53.85%もの大幅な価格上昇、さいたま市も68.57%と突出した伸びを見せました。これら地域では、ナショナルブランドの取扱い拡大、最新モデル導入による単価上昇、地元住民の健康志向強化などが背景と考えられます。
一方、秋田は高価格帯に属するものの前年から-3.39%と減少傾向であり、地方では高価格商品への一部抵抗感も読み取れます。
低価格帯都市
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広島(3267円)
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盛岡(4070円)
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京都・佐賀・前橋・宇部・東大阪・松江・松阪・福岡(各4290円)
広島市は3267円と、全国平均を大きく下回り、低価格で突出しています。さらに、前年同期比で-14.41%と大幅な下落が見られました。東大阪では-33.9%、福岡も-31.58%と、価格下落が激しい都市が目立ちます。これら地域では、量販店中心の価格競争、廉価モデル重視の消費傾向が続いていると推測されます。
最近の価格上昇要因
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原材料・輸送コストの上昇靴底素材(EVA、ラバー)、アッパー素材(メッシュ、合成皮革)などが国際的に値上がりし、輸送費の高騰も重なって製品価格を押し上げています。
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高機能・高付加価値商品の普及耐衝撃性、軽量性、通気性に優れた最新技術搭載モデル(例:エアクッション、反発素材ミッドソールなど)が人気を集め、単価を底上げしています。
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健康志向・フィットネスブームの影響コロナ禍以降、自宅周辺での運動ニーズが高まり、ランニングシューズやウォーキングシューズの売れ行きが好調に。これにより従来の安価モデル中心から、高性能モデル志向へと市場構造が変化しています。
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円安の影響輸入品が多い運動靴市場において、円安進行は販売価格への転嫁圧力となり、結果として消費者負担が増加しています。
今後の展望と課題
今後の運動靴市場では、機能性をさらに重視した「ハイエンド市場」と、コストパフォーマンス重視の「ローエンド市場」の二極化が進むでしょう。特に地方都市では、値上げが購買意欲を削ぐリスクもあり、小売業者にはターゲットに合わせた品揃え戦略が求められます。また、持続可能性への意識が高まる中で、リサイクル素材を使ったエコ・スニーカーの需要増加にも注目すべきです。
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