近畿の米の集荷動向|滋賀が牽引、減少続く他県の課題と展望

穀物統計

米価格米販売量米の集荷数量


近畿地方の米の集荷数量は平均5.169トンで、滋賀県が最も多く、他県は減少傾向が顕著です。特に三重や奈良では前年比30%以上の減少も見られ、担い手不足や気候の影響が大きいと考えられます。今後は滋賀を中心にブランド化やスマート農業導入など、構造改革が求められます。

米の集荷数量のデータとグラフ

米の集荷数量の多い順

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7
名称 平均 滋賀 (コシヒカリ) 滋賀 (みずかがみ) 兵庫 (コシヒカリ) 滋賀 (キヌヒカリ) 三重 (コシヒカリ一般) 奈良 (ヒノヒカリ) 三重 (コシヒカリ伊賀)
最新値[トン] 5.169 16 9 8.1 6.9 6.5 5.5 4.3
前月比[%] +0.75 +1.911 -2.817 +6.557
前年同月比[%] -26.48 -17.53 -21.05 -26.36 -28.13 -35.64 -34.52 -25.86

米の集荷数量の少ない順

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7
名称 平均 京都 (ヒノヒカリ) キヌヒカリ 京都 (キヌヒカリ) 兵庫 (ヒノヒカリ) 兵庫 (キヌヒカリ) 京都 (コシヒカリ) 三重(コシヒカリ伊賀)
最新値[トン] 5.169 0.5 0.6 0.8 2.4 2.8 3.8 4.3
前月比[%] +0.75
前年同月比[%] -26.48 -37.5 -45.45 -42.86 -46.67 -17.65 -15.56 -25.86

 

近畿の米の集荷数量の推移

米の集荷数量
最近の米の集荷数量

最新の価格データ

最新の米の集荷数量
最新の米の集荷数量

 

詳細なデータとグラフ

 

近畿の米の集荷数量についての特徴

近畿地方は全国の中でも中規模な米の生産地であり、滋賀、三重、兵庫、奈良、京都といった内陸・沿岸両地域を持つ多様な地形の中で、多品種の米が栽培されています。特に滋賀県は琵琶湖を中心とした水資源に恵まれ、安定した米作りが伝統的に行われてきました。


これまでの集荷数量の推移と平均値

2014年から2025年3月までの期間における近畿地方の米の最新の集荷数量の平均は5.169トンであり、関東地方(13.72トン)と比較すると規模はやや小さいながらも、地域ごとの特色が表れています。


地域別の集荷数量の特色

  • 滋賀県(コシヒカリ 16トン、みずかがみ 9トン)滋賀は依然として近畿トップの米集荷量を誇っています。コシヒカリは主力品種であり、県独自の「みずかがみ」も存在感を見せています。

  • 兵庫県(コシヒカリ 8.1トン)大都市を抱える兵庫でも内陸部での米作りが続けられており、集荷量も比較的安定しています。

  • 三重県(コシヒカリ一般 6.5トン、伊賀産 4.3トン)地域ブランドである「伊賀米」などが注目されていますが、全体的な集荷量はやや縮小傾向です。

  • 奈良県(ヒノヒカリ 5.5トン)ヒノヒカリが主力ですが、他地域に比べて量は少なく、安定供給には課題もあります。


最近の問題点 ― 大幅な減少傾向

2025年3月時点の前年同月比では、ほぼすべての県・品種で大幅な減少が見られます:

  • 三重(コシヒカリ一般) -35.64%

  • 滋賀(キヌヒカリ) -28.13%

  • 奈良(ヒノヒカリ) -34.52%

  • 京都(ヒノヒカリ) -37.5%

  • 三重(キヌヒカリ) -45.45%

これらの大幅な減少には以下の要因が影響していると考えられます:

  • 高温障害・気象不安定化による収量減

  • 高齢化・担い手不足による作付面積縮小

  • 他作物への転作や、農業そのものの離脱


地域ごとの課題とポテンシャル

  • 滋賀県は依然として集荷数量が高く、県独自品種のブランド化が進んでおり、今後も有望。

  • 兵庫・三重・奈良は減少率が高く、収益性の高いブランド構築か、若年農業者支援策が急務。

  • 京都府は全般的に集荷量が少なく、供給維持のための政策支援が求められる。


今後の推移の期待と予想

  • 短期的にはさらなる減少傾向が続く可能性があります。特に兵庫・京都・三重での減少率が深刻なため、構造的な改善がない限り回復は困難と見られます。

  • 滋賀県がリーダーシップをとる形で、近畿全体の米生産を支える構造になる可能性があります。

  • ブランド米の強化と輸出振興、スマート農業の導入が今後の突破口となるでしょう。

 

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