近畿地方の桃価格は大阪市で異例の7660円/kgを記録し、都市部では高級品流通が価格を押し上げている。一方、和歌山や奈良では安定した地場供給が続き、価格は抑制傾向。今後は高級化と日常消費向けの価格二極化が進む可能性が高い。
桃の卸売り市場価格
桃の高い順
大阪市 | 大阪府 | 京都市 | 姫路市 | 神戸市 | 大津市 | 奈良県 | 和歌山市 | 北勢 | 尼崎市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2021年12月 | 2024年12月 | 2023年12月 | 2024年9月 | 2021年10月 | 2023年9月 | 2023年10月 | 2016年10月 | 2011年9月 |
最大期 | 2025年4月 | 2019年4月 | 2022年11月 | 2022年4月 | 2023年4月 | 2020年5月 | 2023年4月 | 2008年4月 | 2015年5月 | 2008年4月 |
最新値[円/kg] | 7660 | 3054 | 2820 | 1091 | 676.3 | 622 | 619 | 539 | 485 | 427 |
最大値[円/kg] | 7660 | 5622 | 6249 | 5727 | 7524 | 3240 | 3426 | 4200 | 1581 | 3019 |
前月比[%] | +231.7 | -25.31 | +10.81 | +34.36 | -18.64 | -0.639 | -13.55 | -26.06 | +2.754 | +16.03 |
前年同月比[%] | +15.63 | +20.9 | -6.271 | -1.696 | -11.4 | +6.357 | -21.51 |
桃の推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
桃の価格についての推移と展望
近畿地方は、山間部から平野部まで多様な地形を持ち、和歌山県や奈良県を中心に果樹栽培が盛んです。桃に関しては、和歌山・奈良などで生産され、大阪・京都・神戸といった都市部へと流通する構図が基本です。地域内需要が旺盛で、贈答用・家庭用ともに市場の厚みがあるのが特徴です。
都市別の価格状況と価格差の特徴(2025年4月時点)
2025年4月現在の価格から見ると、極めて特異な価格差が存在しています。
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大阪市(7660円/kg):非常に高額で、前月比・前年比ともに+231.7%の異常な高騰。百貨店や高級品、希少品種(白鳳やあら川の高級品)の特別価格が反映されている可能性が高い。
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大阪府平均(3054円/kg)・京都市(2820円/kg)も比較的高値帯。観光・贈答需要の高さが影響。
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姫路市(1091円/kg)・神戸市(676.3円/kg)・奈良県(619円/kg)・和歌山市(539円/kg)などは中〜低価格帯。
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最安値は北勢(485円/kg)と尼崎市(427円/kg)。
このように、都市部・観光地・百貨店中心のエリアでは高価格、地場消費・郊外型エリアでは安価という傾向が見て取れます。
価格変動の要因とその背景
価格の大きな変動には以下の要因が複合的に関与しています:
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大阪市の価格急騰は、特定の高価格流通ルートでの取引が集計値に大きく反映された可能性がある。収穫時期前の端境期で供給が限定されていたことも一因と考えられます。
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大阪府・和歌山市・奈良県・神戸市の値下がり傾向は、供給過多や需要停滞、または一般家庭向け商品の価格圧力を示しています。
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一方、姫路市(+34.36%)・京都市(+10.81%)・尼崎市(+16.03%)では消費需要が堅調で、観光地や人口密集地域での回復基調がうかがえます。
地域別価格の特色と消費傾向
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大阪市・京都市:観光客・高所得層向け需要が強く、高級品志向もあり、特定時期には価格が跳ね上がる傾向。
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神戸市・奈良県・和歌山市:地場生産地が近く、価格は控えめ。日常的な家庭需要が中心。
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姫路市・尼崎市:価格は中庸で推移しており、比較的安定した市場。
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北勢(三重県北部):生産地に近く、地元消費と直売主体で価格は最安クラス。
今後の推移と注目される点
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高価格帯は継続か?大阪市などでの高価格傾向は、特殊要因である可能性が高く、今後は反動で価格が調整されると予想されます。
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中位〜低価格帯の安定感地場供給が続く和歌山・奈良・三重などでは、消費者にとっては価格の安定感が期待できる地域です。
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生産者側の懸念高齢化・後継者不足により、将来的に安定供給に陰りが出る恐れもあり、価格の変動リスクが潜在しています。
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高級志向の消費が一部に根強く残る高級桃(特に白鳳・あら川系)は今後も一部市場で高値を維持し、価格の二極化が進行する可能性があります。
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