近畿地域の柿市場価格は神戸市や京都市で高値を維持しつつ、三重県で大幅上昇しています。一方で和歌山市や奈良県、大津市では価格が下落し地域差が拡大中です。今後はスマート農業やブランド化による安定供給と付加価値向上が期待されますが、需給バランスの調整と消費者対応が重要課題です。
柿の市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 神戸市 | 613 | +16.91 |
2 | 京都市 | 586.7 | +18.92 |
3 | 大阪市 | 574.7 | +20.98 |
市場価格の推移

近畿の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 神戸市 | 0 | |
2 | 大阪市 | 0 | |
3 | 京都市 | 0 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
柿の卸売り市場の現状と今後
近畿地方は日本の主要な果物産地の1つであり、柿の生産も盛んです。神戸市、京都市、大阪市など都市圏では消費需要が高く、それに支えられて柿の市場価格は比較的高めに推移してきました。1方、姫路市や3重県、奈良県などは生産量や流通環境によって価格にばらつきがあります。過去10年以上のデータでは、都市部での需要と地域間の供給バランスが価格形成の大きな要因となっています。
最近の価格動向と課題
2025年1月のデータでは、神戸市(+49.27%)、京都市(+48.15%)、3重県(+57.14%)などで大幅な価格上昇が見られます。特に3重県の上昇率は高く、市場の需給ひっ迫や収穫量の減少が影響している可能性があります。1方で和歌山市(-18.58%)、奈良県(-11.58%)、大津市(-26.79%)では価格が下落しており、地域による価格差の拡大が課題です。これらの差は生産環境の違いや流通効率、消費者の嗜好の変化が影響していると考えられます。
地域別の価格の特色
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神戸市・京都市・大阪市これらの大都市圏では、需要の強さと流通網の整備により高価格帯を維持しています。価格上昇率も高く、市場での評価が堅調です。
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姫路市・大阪府中規模の都市・県域で、価格は中間的な水準。増減は比較的穏やかで、市場の安定性がうかがえます。
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和歌山市・奈良県・大津市価格が下落傾向にある地域で、供給過多や需要減少が影響している可能性があります。これにより農家の収益圧迫や経営不安が懸念されます。
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尼崎市・3重県価格上昇が顕著な地域。特に3重県の+57.14%は供給不足や生産環境の変化が背景と推測され、市場の注目地域となっています。
今後の推移と期待
今後は気象変動や労働力不足などの生産課題が依然として続く見込みです。しかし、近畿地域では農業技術の革新やスマート農業の導入により収量安定化が期待されます。また、高品質柿のブランド化や加工品開発による付加価値向上が価格の下支えとなるでしょう。1方で、地域間での価格差が拡大しないよう、市場調整や需給バランスの改善が重要な課題です。消費者の嗜好変化にも柔軟に対応する必要があります。
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