近畿のみかん市場価格動向:神戸の高騰と地域別特色、今後の展望分析

みかん

2025年6月の近畿のみかん市場は神戸市が1,520円/kgで最も高値。京都市と大阪市も上昇傾向にあり、卸売数量は大阪が最多だが減少傾向。価格高騰は気候変動や物流コスト増が要因。卸売数量減少は流通多様化の影響で、今後は安定供給とブランド強化が課題となる。

みかんの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1神戸市1520+2.752
2京都市1422+12.95
3大阪市1342+8.102

市場価格の推移

みかんの市場価格

近畿の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1大阪市0.216-8.861
2京都市0.018-14.29
3神戸市0.007+16.67

卸売数量の推移

みかんの卸売数量

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

みかんの卸売り市場の現状と今後

2025年6月の近畿地域におけるみかんの市場価格は、神戸市で1,520円/kgと地域内で最も高値を記録しています。次いで京都市が1,422円/kg、大阪市が1,342円/kgとなっています。前年同月比では、神戸市が約2.75%、京都市が12.95%、大阪市が8.10%の価格上昇が見られました。1方、卸売数量は大阪市が0.216ktで最も多く、京都市が0.018kt、神戸市は0.007ktと比較的少量ですが、神戸市のみ前年から16.67%の増加が見られました。


価格推移の背景と要因

近畿地域の価格上昇は以下の要因が関与しています。

  • 気候変動の影響近年の異常気象により生産量が減少し、希少価値が高まったことが価格上昇に繋がっています。

  • 輸送・物流コストの増加燃料費や人件費の高騰が物流コストを押し上げ、市場価格に反映されています。

  • 消費者の高品質志向高級志向の強まりにより、質の良いみかんへの需要が増加し、価格を押し上げる要因となっています。


卸売数量の動向と市場規模の変化

大阪市の卸売数量は地域内で最大ながら前年より約8.9%減少しました。これは、

  • 流通チャネルの多様化直販やネット販売の増加が市場を通る量を減少させていることが考えられます。

  • 消費者の購入行動変化大量購入から必要量の購入へ変わり、市場の卸売数量が減少傾向にあることも影響しています。

1方、神戸市の卸売数量は16.67%増加しており、地元消費の拡大や市場の活性化が見られます。


都市別の特徴と消費傾向

神戸市

価格が地域内で最も高く、市場卸売数量も増加。高品質なみかんの需要が強いほか、地元の流通網や消費者層の厚みが価格・数量ともに影響を与えています。

京都市

高価格ながら卸売数量は減少。観光客向けや贈答用の需要が強い反面、地元消費の伸び悩みや他チャネルへの移行が見られます。

大阪市

地域最大の卸売市場であるものの数量は減少傾向。多様な販売チャネルの競合が卸売数量に影響しつつも、価格は堅調に上昇しています。


みかん生産と今後の課題

近畿地域はみかんの主要生産地ではなく、多くは南西日本などからの輸入に依存しています。今後の課題は、

  • 安定供給体制の確立輸送効率や流通改善による安定供給の推進。

  • ブランド力強化と品質管理地域ブランドの育成や高品質品の供給を通じた差別化。

  • 消費者ニーズの多様化への対応健康志向や付加価値商品の開発による需要喚起。

これらを通じて、地域市場の持続的成長を図ることが重要となります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました