近畿地方のなす市場価格動向:地域別価格差と今後の予測

なす

近畿のなす市場では大阪市、神戸市、京都市で価格が安定的に推移しつつ、神戸市で7%台の価格上昇が見られる一方、卸売数量は3〜13%減少。天候変動や生産コスト上昇、労働力不足が価格変動の主因。生産技術の革新や後継者育成、流通改善が市場安定に不可欠である。

なすの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1大阪市371.3+0.995
2神戸市371+7.018
3京都市357.7+0.0952

市場価格の推移

なすの市場価格

近畿の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1大阪市1.127-3.922
2京都市0.633-12.81
3神戸市0.145-13.17

卸売数量の推移

なすの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

なすの卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点での近畿地域のなす市場価格は、大阪市で371.3円/kg、神戸市で371円/kg、京都市で357.7円/kgとなっています。前年同月比では大阪市がわずかに上昇(+0.995%)、神戸市はやや顕著な上昇(+7.018%)、京都市はほぼ横ばい(+0.0952%)です。

卸売数量は大阪市が1.127kt、京都市が0.633kt、神戸市が0.145ktで、前年同月比ではすべて減少傾向にあり、大阪市は-3.922%、京都市は-12.81%、神戸市は-13.17%と、特に京都と神戸で数量減少が顕著です。


価格と数量の推移および市場動向

近畿地域のなす市場は、価格が比較的安定しながらも若干の上昇傾向が見られ、特に神戸市での価格上昇が目立ちます。1方、卸売数量は減少傾向が続いており、これは生産量の減少や流通面の課題を反映しています。

  • 価格推移:大阪市は横ばいから微増、神戸市は昨年からの天候不順等による影響で価格上昇が見られる。

  • 数量推移:全般的に減少傾向で、特に京都市と神戸市での卸売数量減少が大きく、供給縮小の可能性が示唆される。


大阪市、京都市、神戸市の市場特性

大阪市

  • 近畿最大の市場として大量の流通を担う。価格は安定的であり、流通効率の高さが特徴。

  • 卸売数量は最多だが、前年に比べて減少傾向にある。

京都市

  • 京都特有の品質志向が強く、地域ブランドのなすが求められる傾向。

  • 数量減少が目立つが、高付加価値品としての位置づけが維持されている。

神戸市

  • 神戸港を通じた輸送網の発達により流通の要所。価格上昇が顕著だが、数量は減少し流通量は縮小傾向。

  • 需給バランスの変化が価格に影響を与えている可能性。


価格高騰の要因

  1. 天候変動と自然災害近畿地域では近年の異常気象が生育に影響し、供給が不安定になるケースがある。

  2. 生産コストの増加肥料や資材価格の上昇、人件費の高騰が生産コストに直結し、価格に転嫁されている。

  3. 労働力不足農業従事者の高齢化と後継者不足で生産量維持が困難になっている。

  4. 消費者の品質要求京都市などでは特に品質重視の需要が高く、付加価値を反映した価格形成が進んでいる。


なす生産の動向と課題

  • 技術革新の推進施設栽培やスマート農業の導入が徐々に進み、生産の効率化が模索されている。

  • 後継者育成の重要性若手農家の育成支援が不可欠であり、地域ブランドの強化と連動して取り組まれている。

  • 流通改善の必要性物流網の強化や販路拡大により、卸売数量の減少を食い止める施策が求められる。

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