近畿地方のじゃがいも市場は2025年6月、京都市157円/kg、神戸市149.7円/kg、大阪市135円/kgと前年から大幅に価格が下落。一方、卸売数量は全都市で増加し特に神戸市は前年比100%超。豊作による供給過剰と需要の伸び悩みが主な要因。今後は生産調整や付加価値化、需要喚起による市場安定化が課題である。
じゃがいもの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 京都市 | 157 | -44.26 |
2 | 神戸市 | 149.7 | -50.98 |
3 | 大阪市 | 135 | -53.13 |
市場価格の推移

近畿の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 大阪市 | 2.516 | +21.43 |
2 | 京都市 | 0.925 | +13.08 |
3 | 神戸市 | 0.232 | +105.3 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
じゃがいもの卸売り市場の現状と今後
2025年6月の近畿地方におけるじゃがいもの市場価格は以下の通りです。
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京都市:157円/kg(前年同月比 -44.26%)
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神戸市:149.7円/kg(前年同月比 -50.98%)
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大阪市:135円/kg(前年同月比 -53.13%)
卸売数量は、
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大阪市:2.516kt(前年比 +21.43%)
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京都市:0.925kt(前年比 +13.08%)
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神戸市:0.232kt(前年比 +105.3%)
となっており、価格は大幅に下落している1方で、卸売数量は増加傾向にあります。特に神戸市の数量増加は顕著で、前年の倍以上となっています。
過去の推移と背景
近畿地方のじゃがいも市場は、これまでおおむね安定した価格推移を示してきましたが、ここ数年は以下の要因で大きな変動が見られます。
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全国的な生産増加と気象条件の改善により供給過剰状態が続くことが主な要因。
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近畿地方は農業生産が都市近郊型で、都市圏の消費に直結しているため、市場価格の影響が即座に現れやすい。
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近年の物流網の発達により、他地域産との競争が激化し、価格が抑制される傾向が強まっている。
都市別の市場特徴
大阪市
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近畿地方最大の消費地かつ流通ハブとして、卸売数量が多い。
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2025年は卸売数量が前年から約20%増え、需給過剰による価格低下が顕著。
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都市圏内での多様なルートによる流通が価格変動に影響。
京都市
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農産物の品質に対する消費者ニーズが比較的高い地域。
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価格下落幅は大阪市よりやや小さいが、それでも約44%の減少。
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卸売数量は安定的に増加している。
神戸市
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じゃがいもの扱いは近畿の中では最小規模だが、卸売数量は前年比で100%以上増加。
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価格下落は最大で50%近くとなっており、供給過多の影響が大きい。
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流通網の効率化により、市場への流入量が急増していると推察される。
価格下落の要因と影響
近畿地方でのじゃがいも価格が大幅に下落した主な要因は以下の通りです。
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豊作と供給過剰 全国的な豊作により、中部・北陸や北海道をはじめ各地からの大量出荷が集中。
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消費の伸び悩み 家庭での消費量は1定水準にとどまり、外食産業も依然として不安定なため需要の伸びが供給に追いつかない。
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競合産地からの流入増加 他地域産の流入が増え、価格競争が激化。
これらにより、特に価格が低迷しながらも卸売数量は増え、市場では価格下落圧力が強くかかっています。
近畿地方のじゃがいも生産動向
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近畿地方は主に大阪府、兵庫県、京都府の都市近郊農業が中心で、栽培面積は限定的。
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生産者は効率化を図りつつも、都市近接ゆえに土地面積の制約があり、全国的な供給量増加には限界がある。
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近年は加工用じゃがいもの需要や地産地消の動きが注目されているが、全体の供給過多を解消するには至っていない。
今後の展望と対策
近畿市場のじゃがいも価格安定に向けては、
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生産調整と需給バランスの改善が急務。
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地域特性を活かした付加価値商品(加工品、ブランド化など)の開発。
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消費者へのPR強化による需要喚起。
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都市近郊農業の特色を活かした安全・安心の訴求。
が求められます。物流の効率化と市場連携も市場安定化に寄与するでしょう。
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