2025年6月、近畿地方のきゅうり市場は神戸市で331.7円/kg、大阪市で325.3円/kgと高騰し、いずれも前年比40%以上の上昇を記録。一方で数量は軒並み減少し、需給バランスのひっ迫が顕著。天候不順や生産コスト上昇が影響し、今後の供給安定には施設栽培や物流強化が鍵となる。
きゅうりの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 神戸市 | 331.7 | +49.62 |
2 | 大阪市 | 325.3 | +41.25 |
3 | 京都市 | 304.7 | +47.42 |
市場価格の推移

近畿の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 大阪市 | 1.349 | -13.3 |
2 | 京都市 | 0.651 | -7 |
3 | 神戸市 | 0.338 | -2.874 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
きゅうりの卸売り市場の現状と今後
2025年6月時点で、近畿地方の主要市場におけるきゅうりの市場価格は全体的に高騰しています。
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神戸市:331.7円/kg(前年比+49.62%)
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大阪市:325.3円/kg(+41.25%)
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京都市:304.7円/kg(+47.42%)
このようにいずれの都市も40%以上の大幅な上昇を記録しています。1方、卸売数量は減少しています。
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大阪市:1.349kt(-13.3%)
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京都市:0.651kt(-7%)
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神戸市:0.338kt(-2.874%)
これは、供給不足が需給バランスを崩し、価格高騰を招いていることを示しています。
価格・数量の過去からの推移
過去10年余りにわたって、近畿地方のきゅうり市場は次のような傾向を示してきました:
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価格は比較的安定的であったが、近年はじわじわと上昇。
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1方、数量は減少傾向が続く。特に大阪市ではここ数年、輸送費や人件費の高騰を背景に、入荷量が縮小。
このような背景により、近年は需要に対して供給が追いつかず、価格の振れ幅が大きくなっています。
都市別の特徴
大阪市
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近畿地方で最大の市場。
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東海や4国などの広域からの集荷に依存。
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取扱数量は多いが、2025年6月は前年比13.3%減という大幅減。
京都市
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地元産中心の供給構造。
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伝統的な京野菜需要が強く、品質志向の消費傾向が価格を支える。
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数量減少はやや緩やか。
神戸市
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港湾都市として他地域からの集荷が安定。
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数量減(-2.874%)は他都市に比べて小幅で、相対的に供給が保たれている。
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それでも価格は最も高く、需給バランスが特に逼迫。
価格高騰の主因
2025年6月の価格高騰の背景には以下の要因があると考えられます:
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異常気象:春先の高温や水不足により栽培不良。
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生産コスト増:肥料・燃料・ビニール資材などの価格上昇。
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農家の高齢化:担い手不足で出荷規模が縮小。
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需要の安定性:家庭や業務用でのきゅうり需要は季節を問わず1定に存在。
このような構造的要因により、今後も高値傾向が続く懸念があります。
きゅうり生産と今後の見通し
近畿地方では、和歌山・奈良・滋賀などの内陸部できゅうりの生産が盛んですが、露地栽培が中心で気象の影響を受けやすいという課題があります。
府県を超えた広域流通ネットワークにより都市部への供給は維持されていますが、輸送コストや物流人員の確保が難しくなってきています。
今後の展望としては、以下のような対応が期待されます:
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施設栽培の普及支援
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省力化技術の導入
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地産地消モデルの強化これらによって価格の安定化と生産継続が図られる見込みです。
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