近畿のスイカ市場価格動向と地域別特徴、今後の安定成長の展望

すいか

近畿地方では、大阪市・京都市・神戸市すべてで2025年6月のすいか価格・数量が前年同月比で減少。供給過多や家庭消費の減退が背景にあり、市場構造の変化が進行中。今後は高付加価値品とカット商品の普及が鍵となる。

すいかの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1大阪市260-2.377
2京都市255.7-2.909
3神戸市231.3-8.082

市場価格の推移

すいかの市場価格

近畿の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[k円/kg]前年同月比[%]
1大阪市0.26-2.377
2京都市0.256-2.909
3神戸市0.231-8.082

卸売数量の推移

すいかの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

すいかの卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点の近畿地方におけるすいかの市場価格は以下の通りです:

  • 大阪市:260円/kg(前年同月比 -2.377%)

  • 京都市:255.7円/kg(同 -2.909%)

  • 神戸市:231.3円/kg(同 -8.082%)

いずれの都市でも前年同月比で価格は下落しています。卸売数量は以下の順で推移しており、価格と同様に減少傾向です:

  • 大阪市:0.26k円/kg

  • 京都市:0.256k円/kg

  • 神戸市:0.231k円/kg

数量もすべての都市で前年同月から減少しており、市場におけるすいかの取引量の縮小がうかがえます。


価格と数量の長期的推移

2008年以降、近畿地域のすいか価格は夏季に250〜280円/kgの間で推移し、季節変動が顕著です。2010年代中頃には1時的に価格が上昇した年もありましたが、2020年代に入ってからはやや下落傾向が見られます。数量面では大阪市が1貫して最も多く、近畿全体の流通のハブとしての機能を果たしてきましたが、2025年は数量・価格ともに前年割れとなっています。


都市別の特徴

  • 大阪市:商業流通の中心地として、量販店や業務用需要が多く、安定した価格帯を維持。ただし今年は供給過多や需要の減少が価格に影響していると考えられます。

  • 京都市:観光地としての需要もあるが、すいかに関しては中価格帯を維持しつつ、取扱量は大阪に次ぐ規模。

  • 神戸市:輸入果実の比率が高い傾向にあり、国産すいかの扱いは相対的に少なめ。価格帯も3都市の中で最も低くなっています。


価格下落の要因

近年のすいか価格下落には以下の要因が関係しています:

  1. 家庭消費の減少 共働き家庭の増加や調理の簡便化志向から、丸ごと1玉の購入が減少し、カットすいかの需要が主流に。

  2. 生産量の安定化 全国的な天候安定により、主要産地(熊本・山形など)の出荷量が豊富で、供給過多が価格を押し下げています。

  3. 卸市場の分散化 生産者と量販店間での直販契約やネット販売の拡大により、中央卸売市場を通さない流通が拡大し、市場価格に影響を与えています。


すいか生産と流通の現状

近畿地方では、和歌山県や奈良県の1部で地場のすいか生産が見られますが、取扱いの多くは熊本、鳥取、山形などの主要産地からの出荷品です。卸売市場では、品質よりも価格優先で取引される傾向があり、ブランドすいか(尾花沢、ひとりじめ等)と汎用品の価格差も拡大しています。


今後の展望と課題

  • 高付加価値商品の導入(糖度保証や個包装、ブランド化)によって価格の底上げが期待されます。

  • カットすいかや小玉品種の導入が進めば、新たな消費層の獲得にもつながる可能性があります。

  • 1方で、生産者の高齢化や流通コストの増加は今後の大きな課題です。

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