2025年4月時点の日本の車関係用品への世帯支出は平均2.083万円で、九州・沖縄では4万円を超える高水準。コロナ禍や物価上昇、安全志向の高まりが支出増の背景。今後はEV普及や高齢化に伴い支出内容が変化し、地域差や世帯特性による二極化が進む可能性がある。
家計調査結果
車関係用品の相場
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 九州・沖縄 | 小都市B | 東北 | 北陸 | 近畿 | 小都市A | 全国 | 大都市 | 四国 | 北海道 |
最新値[万円] | 2.083 | 4.034 | 2.932 | 2.737 | 2.211 | 2.194 | 2.123 | 1.996 | 1.882 | 1.781 | 1.62 |
前年同月比[%] | +28.62 | +139.5 | +65.93 | +53.75 | +49.36 | +41.59 | +13.86 | +29.07 | +45.69 | +10.72 | -27.51 |
車関係用品支出の世帯割合
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 東北 | 東海 | 北海道 | 四国 | 小都市A | 小都市B | 中都市 | 関東 | 北陸 | 全国 |
最新値[%] | 3.115 | 3.46 | 3.44 | 3.41 | 3.4 | 3.39 | 3.3 | 3.26 | 3.14 | 3.1 | 3.05 |
前年同月比[%] | +6.992 | +13.07 | +8.517 | +2.711 | +2.41 | +11.88 | +4.762 | +12.8 | +3.974 | +0.977 | +6.272 |
車関係用品の推移


詳細なデータとグラフ
車関係用品の自動車関連現状と今後
2025年4月時点における全国の世帯あたり月間支出額は平均で2.083万円となっており、2020年11月以降の期間において顕著な増加が見られます。中でも9州・沖縄(4.034万円)や小都市B(2.932万円)、東北(2.737万円)は全国平均を大きく上回り、車関係用品への支出が地域ごとに偏在していることが明らかです。
この「車関係用品」とは、タイヤやワイパー、チャイルドシート、カーナビ、ドライブレコーダー、芳香剤、洗車用品、アクセサリーパーツなどを指すもので、車を安全・快適に使う上で重要な品目です。
世帯支出の地域差とその背景
支出額の高さで最も目立つのが9州・沖縄の4.034万円であり、前年同月比でも+139.5%と急増しています。この背景には以下のような要因が考えられます。
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公共交通の利便性の低さ:地方では車依存が強く、家族全員が車を所有・使用する家庭が多いため、用品の消耗や買い替え頻度も高くなります。
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自然環境の影響:台風や豪雨などの影響で車の保護用品(カバー、撥水コート材など)や修繕関連支出が増えた可能性があります。
1方、北海道では1.62万円と全国で最も低く、前年同月比も-27.51%と大きく減少しています。これは寒冷地向け用品の購入が前年度で1巡したことや、支出の反動減によるものと見られます。
支出世帯割合の動向とその意味
車関係用品を購入した世帯の割合は全国平均で3.115%と、決して高くはありません。ただしこれは「月間支出」に基づくものであり、車用品の購入頻度が必ずしも毎月ではない点を踏まえる必要があります。
特筆すべきは小都市A(3.39%)や小都市B(3.3%)のような都市規模の小さい地域で購入世帯割合が高い傾向があることです。これはDIYでの整備やメンテナンス志向が強い地域性を反映している可能性があります。
前年同月比でも、中都市(+12.8%)、小都市A(+11.88%)などの増加が目立ち、車に対する「自主管理志向」がより定着してきていると読み取れます。
これまでの支出増加の要因
この4年間で車関係用品の支出が平均で+28.62%増加した背景には、次のような社会的・経済的変化が影響しています。
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コロナ禍以降のマイカー需要増加感染症対策として公共交通機関の利用を避け、マイカー利用が増えたことで、ドライブレコーダーや空気清浄器、除菌グッズなどの用品が新たに購入される傾向が強まりました。
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物価上昇・円安の影響海外製パーツや輸入製品の価格上昇により、同じ用品でも支出金額が上昇しています。
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安全・快適性重視の傾向強化自動運転補助装置や最新ナビ、エコタイヤなど、安全かつ環境に配慮した商品の普及が進み、単価の高い用品が主流になっています。
今後の支出推移の見通しと課題
今後も車関係用品への支出は緩やかに増加すると見込まれますが、以下のような複雑な動きが予想されます。
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電動車(EV)やハイブリッド車の普及EV化によって、これまで主流だったオイル関連やエンジン部品の需要は減少する1方で、充電器・補助バッテリー・EV特化アクセサリーの支出は増加が見込まれます。
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高齢化社会の影響高齢世帯の運転免許返納が進むことで、車用品支出そのものが縮小する可能性もあります。
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DIY整備需要の拡大と収縮の2極化地域によっては自ら整備をする家庭が増える1方、都市部では「カー用品はすべて業者任せ」という層が拡大し、支出の内容と傾向がさらに2極化するかもしれません。
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