2025年4月時点で、12か月定期点検の全国平均は1.085万円。最も高いのは東京都区部の1.584万円、最安は高松の0.715万円。地域間の差は2倍以上に及びます。東京都区部や大津など都市部で価格上昇が目立ち、人件費や点検体制の違いが要因。一方、地方でも富山や高松で大幅な上昇が見られ、点検体制の再編や整備士不足が影響しています。今後は点検の自動化と地域格差の拡大が同時に進行する可能性があります。
自動車・交通の都市別小売価格
定期点検価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 東京都区部 | 山形 | 青森 | 長野 | 大津 | 札幌 | 大阪 | 静岡 | 横浜 | 長崎 |
最新値[万円] | 1.085 | 1.584 | 1.513 | 1.41 | 1.386 | 1.375 | 1.32 | 1.269 | 1.265 | 1.247 | 1.21 |
平均比[%] | 100 | 146.1 | 139.4 | 130 | 127.8 | 126.7 | 121.7 | 117 | 116.6 | 114.9 | 111.5 |
前年月同比[%] | +2.05 | +10.3 | +7.843 | +0.8 | +13.64 | +8.108 | -0.157 |
定期点検価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 高松 | 大分 | 鹿児島 | 千葉 | 福岡 | 神戸 | 岡山 | 前橋 | 宇都宮 | 富山 |
最新値[万円] | 1.085 | 0.715 | 0.743 | 0.875 | 0.88 | 0.88 | 0.885 | 0.908 | 0.921 | 0.924 | 0.935 |
平均比[%] | 100 | 65.91 | 68.44 | 80.66 | 81.12 | 81.12 | 81.58 | 83.65 | 84.9 | 85.17 | 86.19 |
前年月同比[%] | +2.05 | +20.37 | -14.63 | +14.86 |
これまでの駐車料・免許の推移


詳細なデータとグラフ
定期点検の現状と今後
自動車保有者にとって欠かせない12か月定期点検。これは車検とは別に、安全性や機能面の劣化を早期に発見するための保守作業です。2025年4月の全国平均価格は1.085万円であり、2010年1月の平均0.85万円程度から見ると、約27%の上昇を示しています。
この間の主な価格上昇要因には以下が挙げられます:
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整備士の人件費高騰
-
電子制御機能の複雑化に伴う点検項目の増加
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ディーラー・大手整備工場の価格統1化による値上げ圧力
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消費税や環境規制対応など法制度の変化
定期点検が高額な都市の傾向と背景
最新データによる高額上位都市は以下の通りです:
都市 | 価格(万円) | 前年比増加率 |
---|---|---|
東京都区部 | 1.584 | +10.3% |
山形 | 1.513 | +7.843% |
青森 | 1.41 | 不明 |
長野 | 1.386 | +0.8% |
大津 | 1.375 | +13.64% |
札幌 | 1.32 | +8.108% |
大阪 | 1.269 | -0.157% |
静岡 | 1.265 | 不明 |
横浜 | 1.247 | 不明 |
長崎 | 1.21 | 不明 |
都市部の高価格化の要因:
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点検設備の高度化:最新車両への対応に専用機器が必要。
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ディーラー主導の価格設定:純正部品使用や標準点検項目の徹底により割高。
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人件費・土地コストの上昇:特に東京、大阪、札幌などでは顕著。
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サービス付加価値の拡大:洗車や車内清掃のサービス込みが1般化。
大津や山形といった地方中核都市でも大幅な値上がりが見られ、都市型整備網への依存や整備士不足による競争減退が影響していると考えられます。
定期点検料金が安価な都市とその背景
低価格帯の都市は以下の通りです:
都市 | 価格(万円) | 前年比増減率 |
---|---|---|
高松 | 0.715 | +20.37% |
大分 | 0.743 | 不明 |
鹿児島 | 0.875 | -14.63% |
千葉 | 0.88 | 不明 |
福岡 | 0.88 | 不明 |
神戸 | 0.885 | 不明 |
岡山 | 0.908 | 不明 |
前橋 | 0.921 | 不明 |
宇都宮 | 0.924 | 不明 |
富山 | 0.935 | +14.86% |
安価な地域の特徴:
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地域整備業者による自由価格設定:ディーラー比率が低く競争が活発。
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点検項目の簡略化傾向:必要最小限で済ませることを希望する顧客も多い。
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サービスの分離提供:洗車やオイル交換を別料金にすることで点検単価を抑制。
ただし、高松(+20.37%)や富山(+14.86%)のように、これまで安価だった地域が急に値上げに転じる例も出ており、サービスの再編や整備人材不足の影響が出始めています。
地域格差の構造と問題点
地域別の価格差は最大で2倍以上にもなります。これには単なる人件費の違いだけでなく、「点検に対する認識や文化の違い」が影響しています。
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都市部では、ディーラー任せが主流 → 標準価格での提供が多い
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地方では、セルフ整備や地域整備業者への依頼が根強く、価格交渉も柔軟
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定期点検そのものが「省略されがち」な地域も存在
また、「予防整備」にお金をかける文化が強い地域と、「車検まで最低限整備で済ます」文化の地域でも違いが見られます。
今後の見通しと注目点
値上がり継続の要因:
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車両構造の複雑化:ハイブリッド・EV対応点検が特殊化
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整備士の高齢化と後継者不足:人材確保のための賃金上昇が不可避
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デジタル診断機器の導入コスト:ソフト更新費や接続費も増加要因に
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点検の「サービスパッケージ化」:洗車、ナビ更新、エアコン清掃など含まれ実質値上げ
地域格差の展望:
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地方の点検価格もいずれ都市部に近づく方向で上昇傾向
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自動車ディーラーの統廃合や全国チェーン整備業者の進出で、価格が均質化する可能性も
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1方で、「点検不要」を謳う新型EV車の台頭が市場構造を揺るがすリスクも
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