調理カレー1箱180gの価格推移と地域差|2025年4月最新データ分析

冷凍・調理



2025年4月時点で調理カレー1箱180gの全国平均価格は133.3円と安定しており、大きな変動は見られないが、地域間で最大47円の価格差がある。特に広島や新潟では前年比2桁の値上がりが目立ち、一方で鳥取や高知などでは価格が大幅に下がっている。今後も大幅な上昇は限定的だが、物流費や人件費の上昇により、じわじわとした価格上昇が懸念される。

小売物価統計

調理カレー小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 福井 新潟 甲府 宮崎 広島 徳島 山口 千葉 静岡 那覇
最新値[円] 133.3 153 152 150 149 147 146 146 146 145 145
前年同月比[%] -0.143 +4.11 +22.5 +2.817 +14.96 +8.148

調理カレー小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 高知 鳥取 大分 長崎 仙台 山形 京都 松山 神戸 大津
最新値[円] 133.3 106 112 116 117 119 120 122 123 123 124
前年同月比[%] -0.143 -5.357 -18.84 +1.709 -2.439 +9.821 +3.333

 

調理カレーの推移

調理カレー小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

調理カレーの現状と今後

調理カレー(レトルトカレー)は、時間がないときの強い味方であり、単身世帯や共働き家庭の増加に伴い、日本の食卓に定着してきた。180gサイズの個食用は特に流通量が多く、価格の変動は生活コスト全体にも影響する。今回提示されたデータをもとに、地域差、過去の価格傾向、要因分析、今後の見通しを解説していく。


調理カレー価格の現状と地域別の特徴

最新の全国平均価格は133.3円。この価格は非常に安定的で、前年同月比でもわずか-0.143%の減少にとどまっている。

高価格地域の傾向

  • 福井(153円)・新潟(152円)・甲府(150円)といった地方都市で高値が観測される。

  • 高価格地域には中小スーパーや食品チェーンが主流のエリアが多く、流通の効率性や大手ディスカウント店の不足が背景にあると推測される。

  • 特に広島(147円)では前年比+22.5%と大幅な上昇があり、これは地場スーパーの価格改定や地域特有の物流コスト増などが影響している可能性がある。

低価格地域の傾向

  • 高知(106円)・鳥取(112円)・大分(116円)など、地方でも比較的物価が安い地域が並ぶ。

  • 鳥取の前年比-18.84%の下落は目を引くが、これは特売の集中や特定ブランドの価格戦略の影響と考えられる。

  • 高知も前年比-5.357%と安値を維持しているが、逆に持続可能性の点では課題がある。


2021年以降の価格推移と要因

データは2021年9月からスタートしており、コロナ禍終盤から物価上昇が社会問題化する2023年を含んでいる。

  • 2021〜2022年:価格は比較的安定

    • サプライチェーンの1時的混乱はあったものの、備蓄需要やメーカーの在庫戦略で価格は大きく上昇しなかった。

  • 2023年:原材料費の上昇

    • 食用油・小麦粉・輸送費が上昇し、多くの食品で値上げが実施された。

    • しかし、調理カレーは低価格帯商品の代表格であるため、「据え置き戦略」をとった企業が多かった。

  • 2024年以降:値動きは2極化

    • 1部地域では大幅な上昇(広島+22.5%など)、1方で値下がりする地域も(鳥取-18.84%)。

    • これは地域間競争や販売戦略の違いが鮮明になった結果と見られる。


構造的な問題と今後の懸念

① 地域間物流コストの格差

  • 離島や山間部は流通網が限定的で、商品単価が高騰しやすい。

  • 特に調理カレーのような低単価商品では、物流費が販売価格に直結するため、効率性の差が価格格差を生む。

② メーカーの利益圧迫

  • 利幅の少ない商品であるため、価格競争はメーカーや小売の収益を圧迫している。

  • 今後、低価格維持の限界が訪れる可能性がある。

③ 消費者の価格感度

  • 調理カレーは100円〜150円帯の商品が主流で、数十円の価格差でも購買行動に影響する。

  • 安値競争が激化すれば、品質低下や内容量の減少(ステルス値上げ)に転じる可能性もある。


今後の価格見通しと企業の戦略

安定維持の可能性が高い

  • 原材料の価格はピークを越えつつあり、急激な値上げのリスクは限定的

  • ただし物流費や人件費はじわじわ上昇しており、2025〜2026年にかけてはじわじわとした値上げも想定される。

地域格差はさらに拡大か

  • 1部地域ではディスカウントスーパーの拡大で低価格を維持。

  • 他方、地方中都市ではインフラ・流通網の課題から今後も価格が高止まりしやすい。

  • よって、全国平均は大きく変動しなくとも、地域差は拡大傾向と見られる。


まとめと消費者への示唆

調理カレーは、価格が安定しやすい食品である1方、今後は「静かな上昇」や「内容量の調整」という形で家計にじわじわ影響を与える可能性がある。消費者としては、地域ごとの底値を把握し、セール時期を活用する工夫が求められる。メーカーや小売にとっては、「価格だけでなく、量や品質の最適化による納得感ある製品づくり」がますます重要になるだろう。

 

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