2025年3月時点での解熱鎮痛剤1箱の平均価格は703.6円。熊本や八戸などで高価格傾向が見られる一方、高知や所沢では安価。価格差の背景には物流コストや店舗競争力の違いがあり、原料費や円安の影響で今後も価格上昇が懸念される。
医薬品の医療・保険
解熱鎮痛剤の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 熊本 | 八戸 | 徳島 | 鳥取 | 佐世保 | 奈良 | 相模原 | 和歌山 | 札幌 | 福岡 |
最新値[円] | 703.6 | 988 | 894 | 880 | 856 | 849 | 834 | 819 | 818 | 817 | 815 |
平均比[%] | 100 | 140.4 | 127.1 | 125.1 | 121.7 | 120.7 | 118.5 | 116.4 | 116.3 | 116.1 | 115.8 |
前年月同比[%] | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
解熱鎮痛剤の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 高知 | 所沢 | 熊谷 | 静岡 | 松山 | 伊丹 | 前橋 | 岐阜 | 大分 | 山口 |
最新値[円] | 703.6 | 565 | 566 | 566 | 569 | 577 | 603 | 606 | 614 | 618 | 620 |
平均比[%] | 100 | 80.3 | 80.45 | 80.45 | 80.87 | 82.01 | 85.71 | 86.13 | 87.27 | 87.84 | 88.12 |
前年月同比[%] | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
これまでの解熱鎮痛剤の推移


詳細なデータとグラフ
解熱鎮痛剤の現状と今後
解熱鎮痛剤は、発熱や頭痛、筋肉痛、月経痛など多様な痛みに対応する汎用性の高い医薬品です。一般家庭でも常備されることが多く、需要は安定しています。しかし、近年は医薬品全体の価格上昇傾向とともに、解熱鎮痛剤にも変化が表れています。本章では、2024年7月〜2025年3月のデータに基づき、全国平均、都市別の価格差、背景にある要因を詳述します。
全国平均と価格の現状
2025年3月時点の解熱鎮痛剤1箱の全国平均価格は703.6円。比較的手頃な印象を与えますが、上位都市と下位都市では400円以上の価格差が見られ、地域間格差が顕著です。物価全体の上昇とともに、医薬品価格にもじわじわと影響が及んでいます。
高価格地域の特徴
以下は高価格順の上位都市です:
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熊本:988円
-
八戸:894円
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徳島:880円
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鳥取:856円
-
佐世保:849円
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奈良:834円
-
相模原:819円
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和歌山:818円
-
札幌:817円
-
福岡:815円
これらの地域では、地理的な配送コスト、ドラッグストア競争の少なさ、医薬品価格統制の緩さなどが価格上昇の要因と考えられます。特に熊本は全国平均を大きく上回っており、地方中核都市での需要集中と流通経路の複雑化が影響している可能性があります。
低価格地域の特徴
価格が安い都市には以下のような地域が含まれます:
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高知:565円
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所沢・熊谷:566円
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静岡:569円
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松山:577円
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伊丹:603円
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前橋:606円
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岐阜:614円
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大分:618円
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山口:620円
これらの都市の共通点として、中規模都市でありながら薬局チェーンが密集していることや、関東・東海圏に位置し物流効率が良好であることが挙げられます。また、消費者が価格に敏感な地域性も影響し、ディスカウント販売やジェネリック品の普及が進んでいると考えられます。
価格上昇の背景と構造的課題
2024年以降の医薬品価格上昇には以下の要因が関与しています:
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原材料費の高騰:特にアセトアミノフェンなど主要成分の原料価格が世界的に上昇。
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製造・輸送コストの増加:エネルギー価格や人件費の高騰が影響。
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円安の進行:輸入原料が多い製品では特に影響が大きい。
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需要の変化:コロナ禍以降、解熱剤の備蓄が増え、販売量が安定的に増加。
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製薬業界の再編:小規模メーカーの撤退や統合による価格の均質化・高止まり。
今後の見通しと消費者への提言
今後も解熱鎮痛剤の価格は緩やかな上昇が続く可能性があります。特に地方都市や離島では、物流コストの高騰が直撃する恐れがあります。
消費者には、以下のような対策が推奨されます:
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価格比較サイトやアプリの活用
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ネット通販によるまとめ買い
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ジェネリック医薬品の選択
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ドラッグストアの特売日やポイント還元の活用
また、政府や自治体による価格監視や医薬品アクセス改善の取り組みが、将来的な価格安定の鍵となるでしょう。
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