2025年4月の補聴器1台の平均価格は44.33万円で、地域別には約38万円から47万円まで差があります。前年同月比では平均約3.1%の値上がりが見られ、高価格地域では約9%の上昇が顕著です。高額な価格が普及の課題となっており、今後は技術革新や補助金拡充、オンライン販売の進展により価格の適正化と普及促進が期待されますが、地域差や負担軽減の課題も依然存在します。
小売物価統計
補聴器小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 高知 | 福岡 | 札幌 | 山口 | 宮崎 | 和歌山 | 千葉 | 佐賀 | 仙台 | さいたま |
最新値[万円] | 44.33 | 47 | 47 | 47 | 47 | 47 | 47 | 47 | 47 | 47 | 47 |
前年同月比[%] | +3.072 | +6.818 | +9.302 | +9.302 | +6.818 | +9.302 | +9.302 | +9.302 | +9.302 | +9.302 | +6.818 |
補聴器小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 松江 | 長野 | 高松 | 奈良 | 大阪 | 徳島 | 宇都宮 | 神戸 | 富山 | 岡山 |
最新値[万円] | 44.33 | 38.91 | 39 | 39 | 40.3 | 40.72 | 41.45 | 42 | 42.45 | 43 | 43 |
前年同月比[%] | +3.072 | -7.687 | -4.645 | -4.645 | -2.592 | +0.119 | +4.878 | +4.878 |
補聴器の推移


詳細なデータとグラフ
補聴器の現状と今後
補聴器は高齢化社会における必需医療機器の1つで、聴力低下に悩む多くの高齢者にとって生活の質(QOL)向上に直結する製品です。日本は世界でも有数の高齢化国家であり、補聴器の需要は年々拡大しています。しかし、高額な価格設定が普及の障壁となる場合も多く、価格動向と消費者負担のバランスが重要な課題となっています。
2025年4月時点の補聴器小売価格と地域差
2025年4月の最新データでは、補聴器1台の全国平均小売価格は44.33万円です。地域別では、高知、福岡、札幌、山口、宮崎、和歌山、千葉、佐賀、仙台、さいたまの10都市が揃って約47万円と最も高く、全国平均を上回っています。1方、松江(38.91万円)や長野(39万円)、高松(39万円)、奈良(40.3万円)、大阪(40.72万円)などは比較的低価格帯で推移しています。
前年同月比の価格変動と要因
前年同月比で見ると、全国平均では約+3.072%の上昇となっています。特に福岡、札幌、宮崎、和歌山、千葉、佐賀、仙台の7地域で+9.302%と顕著な価格上昇が見られ、高知、山口、さいたまも6〜7%台の上昇となっています。
これに対し、低価格帯地域では松江が約-7.687%、長野・高松がそれぞれ約-4.645%、大阪も約-2.592%の価格下落が見られ、宇都宮はほぼ横ばい(+0.119%)、富山・岡山は約4.9%の上昇とばらつきがあります。
これらの差異は販売店の価格戦略、地域ごとの需要動向、競争状況、さらには補聴器の機種構成やサービス内容の違いが影響していると考えられます。
補聴器価格のこれまでの推移と市場の特徴
2015年以降、補聴器の価格は概ね横ばいから緩やかな上昇傾向にあります。高齢化の進展に伴い需要が増える1方、技術革新により性能が向上し、デジタル補聴器やスマート機能搭載製品の割合も増加しました。これにより1部高機能モデルの価格は上昇しましたが、廉価モデルの普及も進み、価格帯の幅が広がる傾向にあります。
また、医療機関や販売店のサービス体制強化、補聴器の調整・アフターサービスの重要性が価格形成に影響を与えています。
現状の課題と問題点
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価格の高止まりと普及率の課題補聴器は高額であるため、経済的負担が利用者の拡大を妨げています。特に低所得層や地方在住者では購入をためらうケースが多いです。
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地域間の価格格差同1製品でも地域によって10万円近い価格差が存在し、公平な医療・福祉サービスの観点から問題視されています。
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販売とサービスの透明性不足補聴器の価格にサービス料が含まれるケースが多く、消費者には価格構成が見えづらいことが普及の阻害要因となっています。
今後の補聴器価格推移の見通しと期待
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技術革新によるコストダウンの期待AIやスマートフォン連携機能の普及に伴い、低コストで高性能な製品の開発が進み、価格の低下や価格帯の多様化が見込まれます。
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補助制度の拡充と市場活性化政府の補助金拡充や保険適用範囲の見直しが進めば、経済的負担が軽減され、普及率の向上につながるでしょう。
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販売チャネルの多様化と競争促進オンライン販売や遠隔調整サービスの普及により、サービスコスト削減と価格競争が進み、価格のさらなる適正化が期待されます。
まとめ
補聴器1台の平均小売価格は2025年4月時点で44.33万円で、地域によって約8万円近い価格差が存在します。前年同月比では全国平均で3.1%程度の価格上昇が見られ、高価格地域と低価格地域で大きく動向が分かれています。今後は技術革新や補助政策、販売方法の多様化を背景に、価格の適正化と普及促進が期待される1方、地域差解消や消費者負担軽減の課題も残ります。
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