二人以上世帯の菓子類支出は富山市や新潟市、川崎市などで高く、和歌山市や大分市で低い傾向にあります。近年は健康志向や高齢化の影響で菓子の種類や購入形態が多様化。都市間の消費格差は文化や所得の違いが大きく、世代間でも嗜好や健康意識の違いが顕著です。今後は健康志向商品や利便性重視の商品が市場を牽引し、消費動向はさらに多様化すると予測されます。
菓子類の家計調査結果
菓子類の多い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 富山市 | 新潟市 | 川崎市 | 千葉市 | 奈良市 | 横浜市 | 山形市 | 相模原市 | 東京都区部 | さいたま市 |
最新値[円] | 8576 | 10250 | 10120 | 9967 | 9803 | 9793 | 9748 | 9612 | 9515 | 9450 | 9411 |
前年月同比[%] | +8.2 | +38.93 | +26.82 | +20.19 | +10.52 | +15.62 | +5.179 | -6.124 | +14.97 | +8.111 | +2.149 |
菓子類の少ない都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 和歌山市 | 大分市 | 北九州市 | 那覇市 | 堺市 | 岐阜市 | 徳島市 | 津市 | 松江市 | 甲府市 |
最新値[円] | 8576 | 5556 | 7029 | 7076 | 7126 | 7209 | 7579 | 7733 | 7806 | 7808 | 7833 |
前年月同比[%] | +8.2 | -14.3 | -11.48 | +5.423 | +1.64 | -7.966 | +9.729 | -7.4 | +4.163 | +3.692 | -4.336 |
これまでの菓子類の推移


詳細なデータとグラフ
菓子類の飲料・菓子現状と今後
菓子類は日本の家庭で長く親しまれている嗜好品であり、子どもから高齢者まで幅広い世代で消費されています。2000年代以降、生活習慣の変化や健康志向の高まり、さらには商品ラインナップの多様化に伴い、家庭での菓子類消費も変化を見せています。外食やコンビニ、ネット通販の普及も菓子消費に影響を与えています。
全国平均と支出推移の概要
2008年から2025年3月までの家計調査で、菓子類の最新の平均支出は8,576円です。この15年強で、菓子消費は全体的に緩やかな上昇傾向にありますが、地域や世帯によって増減の幅が大きく、特に都市部での支出増加が顕著です。
都市別支出の特徴
支出が高い都市の傾向
富山市(10,250円)、新潟市(10,120円)、川崎市(9,967円)などが上位を占めます。
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これらの都市は所得水準や購買力が比較的高い傾向にあり、贅沢菓子や輸入菓子、機能性菓子など多様な商品が消費されています。
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富山市の+38.93%増は健康志向の高まりや季節限定商品の人気、さらにリモートワーク増加により自宅での嗜好品消費が増加した影響が推察されます。
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都市部の消費者は品質やブランドを重視する傾向が強く、新商品や話題性のある菓子に対する感度も高いです。
支出が低い都市の傾向
和歌山市(5,556円)、大分市(7,029円)、北九州市(7,076円)などは支出が低く、和歌山市は前年同期比で-14.3%の減少を示しています。
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これらの地域では伝統的な食文化や生活様式の影響で菓子消費が控えめ、また高齢者の比率が高いことから糖分摂取を控える傾向も一因です。
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所得水準の差や人口減少も消費減少の要因と考えられます。
世代間の消費動向とライフスタイルの変化
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若年層は新商品やSNS映えする菓子、スナック菓子、チョコレート類を好み、手軽で安価なものを求める傾向が強いです。
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中高年層は健康や美容志向から糖質カット菓子や機能性表示食品に注目し、消費形態が多様化しています。
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高齢者層は甘味の摂取量を抑える一方で、小分け包装や和菓子、伝統的菓子の需要が安定しています。
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共働き世帯の増加により、簡便で保存性の高い菓子やおやつの需要も高まっています。
健康志向と菓子市場の変化
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糖質オフ、低カロリー、機能性表示食品など健康に配慮した菓子類が市場の伸びを牽引。
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一方でストレス解消やご褒美消費としての嗜好菓子も根強く、二極化傾向が強まっています。
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コロナ禍の影響で家庭内での間食需要が増加し、菓子類全体の支出増に寄与しましたが、近年は健康志向の浸透により選択基準が細分化しています。
今後の推移予測と市場展望
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都市間格差の拡大が続くと見られ、高所得都市や都市圏での菓子支出は引き続き増加傾向。
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健康志向商品のさらなる拡充と普及により、中高年層や高齢者層の消費が促進される。
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若年層の間ではデジタルマーケティングやSNS発信による新商品への関心が高まり、消費の多様化を加速。
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地方都市や人口減少地域では、所得減少や高齢化により菓子消費が減少する傾向が継続すると予測。
まとめ:多様化する嗜好と健康志向が菓子消費を左右
二人以上世帯における菓子類の支出は、所得や地域文化、世代による嗜好の違いによって大きく左右されています。健康志向の高まりと共に機能性菓子や低糖質菓子が市場を牽引しつつも、嗜好性の強いスイーツや話題商品も根強い人気を保っています。今後は都市部の需要増加と地方の消費減少という二極化が続くなか、多様な商品展開と市場の細分化が進むでしょう。
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