茶飲料1Lの価格動向と地域差、今後の値上げ傾向を徹底解説

コーヒー・茶飲料



2025年4月時点での茶飲料1Lの平均価格は166.3円と前年比+4.46%の上昇を示し、宇都宮や岐阜などで大きな値上がりが見られます。物流費や原材料費の上昇が背景にあり、今後も年2〜3%の価格上昇とともに、PB商品の普及や機能性飲料の成長による市場の多様化が進むと予想されます。

小売物価統計

茶飲料小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 鹿児島 岐阜 宇都宮 長崎 福島 福井 熊本 大阪 松山 福岡
最新値[円] 166.3 190 190 184 181 180 177 177 177 176 174
前年同月比[%] +4.463 +0.529 +9.827 +14.29 +7.101 +8.434 +7.927 +7.273 -3.279 +6.667 +8.075

茶飲料小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 青森 高松 盛岡 秋田 大津 新潟 甲府 さいたま 山口 水戸
最新値[円] 166.3 150 151 154 155 156 156 156 157 158 158
前年同月比[%] +4.463 +3.448 -5.031 +1.987 -4.321 -2.5 -2.5 -2.5 -3.086 +8.966 +6.04

 

茶飲料の推移

茶飲料小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

茶飲料の現状と今後

かつては急須で淹れるお茶が主流だった日本でも、近年はペットボトル入りの茶飲料が日常の定番となっています。特に1Lサイズの製品は、家庭やオフィス、学校などでのまとめ買い需要が多く、価格の動向は飲料業界全体の消費傾向を映す重要な指標です。

2025年4月時点での全国平均価格は166.3円。価格は過去10年で着実に上昇しており、前年同月比では+4.463%とやや大きな伸びを示しています。


地域別価格の比較──鹿児島・岐阜 vs 青森・高松

高価格地域の特徴

鹿児島や岐阜(190円)、宇都宮(184円)などは価格が高く、これらの地域は茶葉の産地に近い、あるいは輸送コストや地場メーカーの影響を受けていると考えられます。宇都宮の前年比+14.29%という大幅上昇は、仕入れ価格の上昇か、特定ブランドへの依存が背景にあると見られます。

低価格地域の特徴

1方、青森(150円)や高松(151円)などの地域は、量販店によるPB商品が流通している可能性が高く、価格競争が厳しい状況です。とくに高松(前年比-5.031%)や秋田(-4.321%)などでは前年を下回っており、特売や在庫調整の影響が考えられます。


価格推移の背景──コスト上昇と企業戦略

茶飲料1Lの価格変動には、次のような要素が関与しています。

  1. 原材料と資材費の上昇 茶葉、PETボトル原料(石油系樹脂)、段ボール包装、物流費が上昇し、メーカーのコスト構造に圧力をかけています。とくに2022年以降はエネルギー価格の高騰が大きな影響を与えました。

  2. 人件費・輸送費の増加 2020年代に入り、ドライバー不足と最低賃金の引き上げにより、流通コストが上昇。1Lという重量物のため、効率的な配送が求められつつも負担が重くなっています。

  3. 企業の価格戦略 大手飲料メーカーは価格据え置きと容量減(いわゆる“ステルス値上げ”)を続けてきましたが、限界に達し、ついに1L製品でも価格引き上げが避けられない局面となっています。


消費者行動の変化とPB商品の台頭

消費者は、1Lサイズの茶飲料に「安くてたくさん飲める」ことを期待しており、価格に対して非常に敏感です。このため、スーパーやドラッグストアではPB(プライベートブランド)商品が存在感を増しており、大手ブランド品との価格差が拡大しています。

また、環境問題への配慮からリターナブル容器や紙パックへの移行が進む中、コスト削減と利便性の両立が問われています。


今後の茶飲料価格の見通し

今後の茶飲料1Lの価格は、以下のような傾向が予測されます。

  • 安定的な上昇基調 2024年から2025年にかけての価格上昇率は平均+4.463%とやや高め。今後も年2〜3%程度の上昇が続く見込みで、200円を超える地域も1部出てくる可能性があります。

  • 地域差の拡大 販路・輸送コスト・購買力の違いから、都市部や観光地では価格が高くなる傾向にあり、逆に物流効率が高い郊外やPB比率が高い地域では安価に保たれるでしょう。

  • 需要の維持と多様化 健康志向を背景に、糖分ゼロやカフェイン控えめなどの機能性製品が売れ筋となっており、これらの製品はやや高単価で推移することが想定されます。


まとめ──「安さ」から「価値」への転換期

1Lの茶飲料市場は、安さと利便性を競いながらも、コスト上昇に直面しています。今後は、単なる「量の多さ」ではなく、「機能性」や「ブランド信頼」に価値を見出す時代へとシフトするでしょう。

企業は、価格転嫁に加えて付加価値の提案が求められ、消費者は価格に敏感でありながらも品質を見極める力が試される局面にあります。2025年以降も、価格は上昇基調を保ちつつ、地域間の価格差と製品の多様化が進むと見られます。

 

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