2025年4月の茶わん1個の平均価格は508.6円で、前年比+3.865%と緩やかな上昇。相模原など都市部では700円超、八戸など地方では300円台と大きな地域差がある。今後は原材料費高騰やクラフト志向の高まりから価格はさらに上昇し、二極化が進む見通し。
小売物価統計
茶わん小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 相模原 | 千葉 | 福島 | 長崎 | 川崎 | 松山 | 熊本 | さいたま | 鳥取 | 仙台 |
最新値[円] | 508.6 | 791 | 775 | 769 | 749 | 734 | 731 | 724 | 670 | 650 | 628 |
前年同月比[%] | +3.865 | +15.98 | -7.759 | +8.1 | +4.361 | +9.599 |
茶わん小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 八戸 | 函館 | 伊丹 | 大分 | 川口 | 熊谷 | 鹿児島 | 青森 | 奈良 | 徳島 |
最新値[円] | 508.6 | 283 | 290 | 336 | 345 | 378 | 388 | 392 | 393 | 400 | 400 |
前年同月比[%] | +3.865 | +33.64 | +7.692 | +18.97 | -4.061 | -2.513 | -6.22 |
茶わんの推移


詳細なデータとグラフ
茶わんの現状と今後
茶わん(飯碗)は、日本の食卓に欠かせない器の1つであり、食文化や地域性、家庭の価値観が色濃く反映される生活用品です。価格は以下のような要因で形成されます:
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材質・製法:磁器、陶器、土もの(備前、信楽など)や量産型と手作りの違い
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ブランドと窯元の価値:有田焼、波佐見焼、美濃焼などのブランド価値
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流通経路:量販店・100円ショップ・百貨店・専門店の違い
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装飾・絵付けの有無
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セット販売の有無(夫婦茶わんなど)
日常的な道具でありながら、器へのこだわりや贈答品としての需要もあるため、価格帯は非常に幅広くなっています。
2025年4月現在の平均価格と地域差
最新(2025年4月)の全国平均価格は508.6円で、前年同月比では+3.865%の上昇を示しています。これは比較的緩やかな伸びであり、鍋(+8.971%)と比べると物価上昇の影響を抑えていると考えられます。
高価格地域 TOP10:
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相模原:791円(+15.98%)
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千葉:775円(※増減不明)
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福島:769円(※増減不明)
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長崎:749円(-7.759%)
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川崎:734円(+8.1%)
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松山:731円(※増減不明)
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熊本:724円(※増減不明)
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さいたま:670円(+4.361%)
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鳥取:650円(※増減不明)
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仙台:628円(+9.599%)
低価格地域 BOTTOM10:
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8戸:283円(※増減不明)
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函館:290円(+33.64%)
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伊丹:336円(+7.692%)
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大分:345円(+18.97%)
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川口:378円(-4.061%)
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熊谷:388円(-2.513%)
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鹿児島:392円(-6.22%)
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青森:393円(※増減不明)
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奈良:400円(※増減不明)
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徳島:400円(※増減不明)
高い地域では700円以上、安い地域では300円前後と、最大で2倍以上の価格差が見られます。
地域差の要因と製造背景
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産地からの距離と製造拠点の有無 9州や東北には陶磁器の産地が多く、地元産の茶わんが地元流通に乗ることで価格が抑えられる傾向があります(例:8戸・青森・鹿児島など)。
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都市部特有の販売形態 首都圏(相模原、川崎、千葉など)ではデパート・雑貨店・ライフスタイル系店舗が多く、デザイン重視で高単価な商品が中心となるため、価格が高くなりがちです。
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観光地と伝統産業の融合 松山や熊本、長崎など観光地を有する地域では、土産物需要に対応した地元ブランド茶わんが価格を押し上げていると推察されます。
過去の推移と現在の課題
この数年、茶わんの価格は比較的安定していましたが、以下の要因でゆるやかな上昇傾向が見られます。
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原材料(陶土、釉薬など)のコスト上昇 資源の価格高騰に加え、電気・ガス窯のエネルギーコストが増加しています。
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窯元や職人の減少 高齢化や後継者不足により、手作りの茶わんは減少傾向にあり、希少価値の上昇も影響します。
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ライフスタイルの変化による需要減と高級志向の2極化 若年層の「ミニマル志向」により食器点数自体を減らす傾向がある1方で、こだわる層は作家物や個性的な茶わんを選び、価格を押し上げています。
今後の価格推移の展望と消費動向
今後の茶わん価格は、以下のシナリオが考えられます:
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全国平均価格は520〜540円に緩やかに上昇 資材高とエネルギー費の影響が続けば、年間+3〜5%程度の伸びは継続する可能性があります。
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100円ショップ・量販ルートの安価品は健在 8戸・函館などで見られるように、低価格層の市場も根強く、価格帯は2極化する見通しです。
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地域ブランド・クラフト系の価値上昇 地方創生の1環として、陶芸体験やローカル窯元支援が活発化すれば、伝統工芸系茶わんの価格は上昇傾向が続くでしょう。
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食器セットから個別購入へのシフト 近年は「必要な器だけを選ぶ」風潮が強まっており、茶わんも個別購入が主流に。この流れが価格の「質重視化」を促進すると見られます。
まとめ
2025年4月の茶わん1個の全国平均価格は508.6円で、前年比+3.865%と緩やかな上昇を見せています。高価格帯(相模原、千葉)と低価格帯(8戸、函館)で最大2倍以上の差があり、背景には製造地、販売形態、地域文化など多様な要素があります。今後は、原材料費の上昇と消費者の嗜好変化により、価格の「緩やかな上昇」と「2極化」が進行していくと予想されます。
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