茶の生葉収穫量の県別動向と減少傾向の詳細分析

かんしょ・豆類

2023年の全国生葉収穫量は32万トンで約3.3%減少。鹿児島と静岡が約78%を占め、両県とも減少傾向にあるが、省力化やICT導入で生産効率向上に努める。三重や京都など中小産地は一部増加。将来は技術革新とブランド強化、気候変動対策が鍵となる。

生葉収穫量のランキング

2023年
降順昇順
都道府県最新値[万t]全国比[%]前年比[%]
全国32100-3.347
1鹿児島12.6539.53-2.991
2静岡12.238.13-5.573
3三重2.568.001-0.775
4宮崎1.414.407-2.759
5京都1.284+1.587
6福岡0.9082.838+0.442
7熊本0.6381.994+2.408
8埼玉0.3521.1+6.991
生葉収穫量
生葉収穫量

詳細なデータとグラフ

生葉収穫量の現状と今後

2023年の全国生葉収穫量は32万トンで、前年から約3.3%減少しました。国内茶産業は高齢化や労働力不足、気候変動の影響を受けて収穫量が減少傾向にあります。特に大規模産地の減少幅が大きく、生産体制の維持が課題となっています。1方、品質向上や多様な加工品開発による付加価値向上が進められています。


鹿児島県の生葉収穫量の動向

鹿児島県は39.5%のシェアで12.65万トンを生産し、全国最大の生産地です。前年から約3%の減少が見られますが、温暖な気候と多様な品種栽培が強みです。機械収穫の導入や省力化技術の拡充により、労働負担軽減が進められています。将来的には気候変動対策も重要視されています。


静岡県の生葉収穫量の動向

静岡県は約38.1%を占め12.2万トンの生葉を収穫していますが、前年から5.6%の減少が目立ちます。高齢化や労働力不足が影響しており、若手後継者の育成が急務です。ブランド力維持のための高品質茶づくりと、ICTやロボットの活用による生産効率向上に取り組んでいます。


3重県以下の中小生産地の動向

3重(8.0%)、宮崎(4.4%)、京都(4.0%)などは全国シェアは小さいものの伝統ある茶産地です。京都は前年比1.6%増加、熊本や埼玉も増加傾向で、それぞれ特色ある茶づくりや産地ブランドの強化に努めています。地方の中小産地は地域密着型の生産形態が多く、観光や地産地消との連携も進んでいます。


将来展望と課題

全国的に生葉収穫量は減少傾向が続く見込みですが、省力化技術や品種改良の普及で収量・品質の維持が期待されます。産地ごとの特色を活かしたブランド戦略や付加価値向上が重要です。また、輸出拡大や観光資源としての茶産業活用も将来的な成長ポイントとなるでしょう。気候変動への対応策も今後の大きな課題です。

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