自動車保険料(自賠責)の支出動向と地域差、今後の見通しを解説

家電・車



日本の世帯における自動車保険料(自賠責)の月間支出は、2025年4月時点で平均1.988万円となり、四国や北陸で高めの支出が見られる一方、近畿などで減少傾向もあります。支出世帯割合は平均3.026%で、東海や中国地方がやや高く、支出額と比例しない地域差も見られます。保険料の支出額は全体として安定していますが、人口動態や自動車保有構造の変化が今後の動向を左右する可能性があります。

家計調査結果

自動車保険料(自賠責)の相場

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 四国 北陸 東海 関東 大都市 小都市B 全国 中都市 小都市A 近畿
最新値[万円] 1.988 2.241 2.112 2.071 2.057 2.027 1.991 1.988 1.971 1.969 1.918
前年同月比[%] +1.091 +16.28 +1.426 +8.724 +4.72 -1.764 +6.996 +1.176 +1.473 -0.876 -5.629

自動車保険料(自賠責)支出の世帯割合

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 東北 北陸 北海道 中都市 東海 小都市B 中国 小都市A 全国 近畿
最新値[%] 3.026 4.18 3.41 3.33 3.31 3.25 3.17 3.14 2.99 2.88 2.82
前年同月比[%] -1.144 -2.564 +22.66 -8.264 +11.07 -12.63 -11.94 -9.51 -3.859 +3.597 +8.88

 

自動車保険料(自賠責)の推移

自動車保険料(自賠責)の支出額
支出世帯の割合

 

詳細なデータとグラフ

 

自動車保険料(自賠責)の自動車関連現状と今後

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、日本の法律により自動車・バイク所有者に加入が義務付けられている強制保険です。事故によって第3者に身体的被害を与えた場合の最低限の補償を目的としており、任意保険とは異なり、基本的に全国1律の保険料が適用されます。ただし、車種や使用目的(業務用など)によって保険料が異なるため、世帯単位で見ると支出額に地域差が現れることがあります。


これまでの支出動向と地域格差の背景

2025年4月時点での月間平均支出額は1.988万円と安定していますが、地域別では以下のような違いが出ています。

  • 支出額上位:4国(2.241万円)、北陸(2.112万円)、東海(2.071万円)

  • 支出額下位: 近畿(1.918万円)、小都市A(1.969万円)

前年同月比では、4国や東海、関東などで大きく増加しています。特に4国の+16.28%、東海の+8.724%といった伸びは、自賠責の更新集中時期や、軽自動車・原付の比率変化などが背景にある可能性があります。

1方、大都市(-1.764%)や近畿(-5.629%)では減少しており、都市部では車離れや維持費負担を理由に保有車両数が減っている影響も考えられます。


支出世帯割合から見える地域性

支出世帯の割合は全国平均で3.026%。割合が高い地域には以下の特徴があります:

  • 上位:東海(3.25%)、小都市B(3.17%)、中国(3.14%)

  • 下位: 大都市(2.24%)、関東(2.48%)

前年同月比で見ると、関東(+22.17%)や大都市(+14.29%)で支出世帯が増加している1方で、4国(-18.09%)や東海(-12.63%)では減少しています。これは、支出金額と支出世帯の動きが1致しない傾向を示しており、保険支払いの集中時期や家計状況の違いが影響している可能性があります。


課題と今後の見通し

家計負担の増加とその限界

自賠責保険料の水準は国が管理するため急激な変動はないものの、他の保険料(任意保険)やガソリン代、車検費用なども含めると、家計にとって自動車維持の総コストは高く、保険料が1因となって車を手放す選択をする世帯も今後増える可能性があります。

都市部での車離れの加速

大都市では自動車を保有しないライフスタイルが1般化しつつあります。公共交通の利便性やカーシェアの浸透により、今後も支出世帯割合は低下していくでしょう。

地方での保有率維持と保険料圧迫

1方、地方では車が生活必需品であるため、保有は維持される1方で、高齢化や収入減少に伴い、自賠責保険料の負担が家計を直撃するケースも考えられます。制度改定や補助の必要性が高まる局面です。

電子化・スマート更新の普及

将来的には、自賠責保険の契約・更新がスマートフォンや自動車内の通信機能で簡略化され、支払いの分割化やポイント還元制度なども導入される可能性があります。これにより1時的な月間支出の負担が緩和されることも期待されます。


まとめ

自賠責保険料の支出は、全体としては大きな変動がない1方で、地域別には差異が大きく、生活スタイルや自動車利用実態の違いが如実に表れています。特に大都市では支出額は高くないものの、支出世帯の伸びが目立つ1方、地方では支出額が高止まりする傾向も見られます。

今後は、自動車の電動化、保険制度の改革、そして地域交通の再設計などと連動し、自賠責支出のあり方も変化していくでしょう。特に高齢化・過疎化が進む地域では、家計の中での自動車関連支出の見直しが不可避となる可能性があります。

 

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