緑茶の小売価格推移と地域差、今後の価格動向を徹底解説

コーヒー・茶飲料

緑茶100gの全国平均は499.8円。秋田・熊本・松江などで高価格が目立ち、地域によって300円以上の差がある。2025年5月時点では全国的に価格はほぼ横ばいだが、急須離れや市場縮小の影響で今後は横ばいか緩やかな減少傾向が予想される。

都市別の緑茶100gの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均499.2+0.0817
1秋田839-0.827
2熊本799+1.011
3松江730-2.145
4鳥取691
5川口673-0.444
6前橋669+2.137
7藤沢657
8富士652+5.331
9静岡647+10.41
10宮崎647-6.638
11所沢641+0.156
12宇都宮641-4.042
13仙台623+4.882
14府中615
15熊谷608-1.138
16松本603+2.726
17大分594+1.365
18さいたま589-0.169
19東京都区部588
20岐阜587-1.012
21浦安586
22鹿児島585-4.412
23福島581+2.469
24横浜573-2.881
25甲府572-1.887
26名古屋570-1.042
27青森564-1.399
28長岡562-4.259
29山形559
30八王子559
31西宮554
32郡山551
33徳島549
34日立546
35長崎538+2.868
36千葉531-2.925
37相模原529+0.38
38佐賀527
39浜松526-2.412
40川崎525-1.316
41盛岡517
42札幌516-3.189
43511
44豊橋491
45福岡486-5.996
46小山486
47宇部468+0.645
48大阪468-2.5
49岡山462-1.493
50新潟460+0.218
51水戸459-1.078
52枚方445-1.111
53長野444
54松阪440-5.983
55東大阪434+11
56旭川434+5.085
57立川432+1.171
58高松430
59函館429-1.152
60佐世保429
61富山425
62神戸424-5.778
63北九州422-0.236
64福井421+6.582
65高知413-13.05
66金沢406+14.04
67八戸358
68京都350-3.047
69福山349+13.68
70姫路343+0.882
71伊丹337
72山口334+4.375
73和歌山322+4.886
74今治295+4.61
75294-13.53
76松山287+4.745
77広島266-13.07
78奈良249
79那覇243
80大津242
81232
緑茶100g

詳細なデータとグラフ

緑茶の小売価格の相場と推移

2025年5月時点の緑茶100gの全国平均価格は499.8円で、日本の伝統的な嗜好品としては依然として堅調な価格帯を維持しています。しかし、都市別に見ると秋田(839円)熊本(799円)松江(738円)などで突出して高い水準が確認され、高価格地域と平均的地域との価格差が大きく開いていることが分かります。最上位の秋田と全国平均との価格差は約340円以上に達し、地域ごとの緑茶への需要、流通事情、嗜好の違いが強く反映された結果と考えられます。


都市別の価格傾向と地域特性

高価格都市には以下のような地域特性が見られます。

  • 秋田・松江・鳥取など日本海側の地方都市: 地元での消費量が少ないため輸送コストや販売マージンが価格に反映されやすく、また高品質な地元ブランド茶の比率が高い可能性があります。

  • 熊本・宮崎など9州地方の茶産地: 地元産の高級茶が市場に多く出回る傾向があり、価格が上振れしやすい。特に熊本では地域ブランド茶への支持が強いと推測されます。

  • 藤沢・川口・所沢など都市近郊地域: 都市型小売で高品質商品が中心に取り扱われ、標準より高価格帯の商品構成になっている傾向が読み取れます。


これまでの価格推移と直近の動き

2025年5月時点での前年同月比で全国平均は-0.19%と微減。物価上昇傾向の中では異例の動きです。都市別に見ると、松江(-3.529%)宮崎(-6.638%)などでは比較的大きな下落がみられる1方、熊本(+1.011%)、前橋(+2.137%)では上昇が確認されています。

このような価格の下落要因としては、以下が考えられます:

  • 緑茶市場の縮小傾向により、販売価格が抑制されている

  • 大手小売のPB(プライベートブランド)商品による価格競争激化

  • 急須離れによる需要減少で値下げを迫られるメーカーも多い

1方、上昇が見られる地域では、地域ブランドへの評価や、観光需要の影響、あるいは高級路線の継続が価格を支えていると推測されます。


価格の背景にある要因分析

緑茶の相場価格に影響を与える要因は大きく分けて以下の通りです。

  • 国内消費構造の変化: 若年層を中心に、急須で淹れる緑茶の文化が薄れ、手軽なペットボトル緑茶や粉末茶に市場がシフト。これにより伝統的な100g単位のリーフ茶は消費減少傾向にあり、価格維持が困難なケースもあります。

  • 生産者の高齢化と後継者不足: 日本の茶業界全体で生産者の高齢化が進行し、良質な茶葉の安定供給が難しくなりつつあります。これが価格上昇圧力として地域によっては作用しています。

  • 地元ブランド茶への支持と地域振興の動き: 1部地域では地場の高級茶(例:8女茶、宇治茶、知覧茶など)への支持が根強く、観光需要や贈答需要で単価が上昇。こうした地域では価格が維持または上昇する傾向にあります。

  • 国際市場との競争と品質要求: 安価な外国産緑茶(中国、台湾など)との競争が続く1方、日本産茶の品質への信頼から高価格帯を維持する動きも共存しています。


今後の見通しと消費者への影響

今後も、緑茶の100gパッケージ市場は全体として価格の横ばいかやや減少傾向が見込まれます。背景には市場の縮小、ライフスタイルの変化、家庭内での茶葉使用の減少があります。ただし、観光地や産地における高付加価値路線の商品群は価格維持・上昇の可能性が高く、都市によって2極化が進む見通しです。

消費者としては、コストパフォーマンスを重視する層と、地域ブランドや有機栽培などを重視する高付加価値志向の層に分かれ、緑茶市場は多様化の時代を迎えています。

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