日本の組立玩具1個の平均価格は2025年3月時点で6,636円。長崎や奈良などで高く、広島や熊本では安価。原材料費や輸送費、円安の影響で全体的に価格は上昇傾向。高価格帯では知育やブランド価値が重視され、低価格帯では価格競争が背景にある。今後は二極化と新たな販売形態の拡大が鍵となる。
エンタメの都市別小売価格
組立玩具価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長崎 | 奈良 | 前橋 | 福井 | 佐賀 | 福島 | 徳島 | 金沢 | 松山 | 千葉 |
最新値[円] | 6636 | 7479 | 7281 | 7209 | 7205 | 7128 | 6929 | 6929 | 6925 | 6925 | 6925 |
平均比[%] | 100 | 112.7 | 109.7 | 108.6 | 108.6 | 107.4 | 104.4 | 104.4 | 104.4 | 104.4 | 104.4 |
前年月同比[%] | 2.513 | 13.7 | 4.763 | 0 | 0 | 8.197 | 1.449 | 0 | 0 | 0 | 7.548 |
組立玩具価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 広島 | 熊本 | 岡山 | 大津 | 鳥取 | 札幌 | 京都 | 松江 | 甲府 | 新潟 |
最新値[円] | 6636 | 5980 | 6180 | 6210 | 6230 | 6240 | 6249 | 6279 | 6279 | 6380 | 6440 |
平均比[%] | 100 | 90.11 | 93.13 | 93.58 | 93.88 | 94.03 | 94.17 | 94.62 | 94.62 | 96.14 | 97.04 |
前年月同比[%] | 2.513 | 7.168 | 10.75 | 0.323 | -2.198 | 3.5 | -3.55 | 4.147 | -1.583 | 5.804 | 4.039 |
これまでのおもちゃの推移


詳細なデータとグラフ
組立玩具の現状と今後
組立玩具とは、部品を自分で組み立てて完成させる玩具であり、プラモデルやブロック玩具、電子工作系などが含まれます。創造力や手先の器用さを育む知育玩具としても注目され、子どもだけでなく大人向け市場も拡大しています。そのため価格動向は、玩具産業や教育トレンド、家庭の可処分所得の変化を映し出す重要な指標となります。
全国平均と価格推移の傾向
2025年3月時点の全国平均価格は6,636円で、2010年と比較して全体的に上昇傾向が続いています。これは原材料費や製造コストの上昇に加え、ブランド価値の高い製品の比重が増していることが影響しています。かつては3,000〜5,000円台が主流でしたが、現在では1万円を超える高価格帯商品も珍しくありません。
高価格地域の特徴と背景
組立玩具の価格が高い都市上位は、長崎(7,479円)、奈良(7,281円)、前橋(7,209円)などです。特徴としては以下の点が挙げられます:
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地方都市で大型量販店よりも専門店主導の販売が多い
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流通コストや在庫リスクを価格に反映しやすい
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教育・知育への関心が高い家庭層が存在
特に長崎は前年比13.7%の上昇と際立っており、高付加価値型の知育玩具や輸入製品の比率が高まっていると考えられます。また、奈良や佐賀も前年より5%以上上昇しており、流通価格の見直しや円安の影響が考えられます。
低価格地域の傾向と特徴
一方で価格が低い地域には、広島(5,980円)、熊本(6,180円)、岡山(6,210円)などがあります。これらの地域では以下のような背景が考えられます:
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量販店や大型ショッピングモールが流通主軸で、競争が激しい
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地方都市で価格重視の購買傾向が強い
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低価格帯の国内メーカー商品が主流
広島や熊本のように、比較的価格競争が激しいエリアでは値下げ圧力が強く、価格は抑えられがちです。ただし熊本では前年比10.75%上昇しており、需要回復や供給コストの上昇が影響しています。
価格上昇の背景にある経済的・社会的要因
組立玩具の価格上昇は以下の要因によって支えられています:
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原材料費(プラスチック、金属部品)の高騰
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為替レート(円安)による輸入価格の上昇
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輸送・物流コストの上昇
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ハイブランド・限定商品・コラボ商品の台頭
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少子化による高品質・高価格路線へのシフト
また、コロナ禍を経て家庭内のレジャー需要が高まり、より複雑で高価格な組立玩具のニーズが増加したことも影響しています。
今後の展望と課題
今後、以下のような動きが予想されます:
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サブスクリプション型玩具サービスの拡大
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中古市場やシェアリングエコノミーの活用
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教育現場での活用による新たな需要創出
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製造コスト抑制のための国内回帰やAI活用
ただし、価格上昇が続くことで家庭の負担増となり、玩具購入を控える家庭も増える可能性があります。市場全体としては、高価格帯と低価格帯の二極化が進むと予測されます。
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