競技用靴小売価格は、2025年3月時点で全国平均1.535万円に達し、静岡や神戸などで大幅な上昇が見られます。高機能化、ブランド戦略、為替変動が価格を押し上げる一方、大津や京都などでは価格下落も観測されています。今後は高価格帯と低価格帯の二極化が進み、競技人口や地域経済に応じた戦略が求められます。
衣類・美容の都市別小売価格
競技用靴価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鹿児島 | 高松 | 静岡 | 青森 | 長野 | 金沢 | 秋田 | 福島 | 福井 | 神戸 |
最新値[万円] | 1.535 | 1.65 | 1.65 | 1.65 | 1.65 | 1.65 | 1.65 | 1.65 | 1.65 | 1.65 | 1.65 |
平均比[%] | 100 | 107.5 | 107.5 | 107.5 | 107.5 | 107.5 | 107.5 | 107.5 | 107.5 | 107.5 | 107.5 |
前年月同比[%] | 5.285 | 0 | 0 | 17.86 | 15.83 | 17.65 | 0 | 7.143 | 0 | 11.11 | 17.65 |
競技用靴価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大津 | 山形 | 津 | 松山 | 広島 | 熊本 | 甲府 | 京都 | 富山 | 徳島 |
最新値[万円] | 1.535 | 0.99 | 1.127 | 1.315 | 1.348 | 1.374 | 1.375 | 1.375 | 1.4 | 1.403 | 1.403 |
平均比[%] | 100 | 64.48 | 73.4 | 85.61 | 87.76 | 89.48 | 89.52 | 89.55 | 91.14 | 91.34 | 91.34 |
前年月同比[%] | 5.285 | -40 | -2.424 | 20.16 | -1.606 | 21.91 | 0 | -7.407 | -15.18 | -12.07 | -1.232 |
これまでの靴の推移


詳細なデータとグラフ
競技用靴の現状と今後
2015年から2025年にかけて、日本国内の競技用靴(ランニング、サッカー、バスケットボール、陸上競技など専用モデルを指す)の小売価格は、全体として上昇傾向を示してきました。2025年3月の最新全国平均は1.535万円であり、一般的な運動靴と比べると高価格帯を維持しています。背景には、スポーツテクノロジーの高度化、素材革新、トップブランドの戦略的価格設定があり、競技パフォーマンス向上を目指す消費者のニーズに応えた結果と言えます。
都市別価格と特徴
高価格帯都市
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鹿児島・高松・静岡・青森・長野・金沢・秋田・福島・福井・神戸(各1.65万円)
これらの都市はすべて、全国で最高価格帯(1.65万円)を記録しています。特に静岡(17.86%増)、青森(15.83%増)、長野(17.65%増)、神戸(17.65%増)などでは前年同期比でも大幅な上昇が見られました。これらの地域では、スポーツ文化が根付いており、競技レベル向上のために高機能モデルを求める傾向が強まっています。地方でも都市部と同様にトップブランド製品の需要が高まっていることが読み取れます。
低価格帯都市
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大津(0.99万円)
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山形(1.127万円)
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津(1.315万円)
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松山(1.348万円)
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広島(1.374万円)
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熊本・甲府(1.375万円)
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京都(1.4万円)
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富山・徳島(1.403万円)
大津では前年同期比-40%という大幅な下落が見られ、他にも京都(-15.18%)、富山(-12.07%)などで値下がり傾向が目立っています。これらの地域では、消費者がコストパフォーマンスを重視する傾向が強く、ミドルレンジモデルや型落ちモデルの販売が主流になっている可能性があります。
最近の価格上昇・下落要因
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素材・技術革新による高付加価値化カーボンプレート内蔵、超軽量メッシュ素材、高反発ソールなど、最新技術を搭載したモデルの普及が単価を押し上げています。
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ブランド戦略の高級志向化ナイキ、アディダス、アシックスなど大手ブランドが「プロ仕様」「レース仕様」モデルに注力し、高価格帯へのシフトが進んでいます。
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為替変動と輸入コスト増円安が進行し、特に海外製高級モデルの価格が上昇。国内販売価格への転嫁が行われました。
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地域間経済格差地方の一部地域では購買力低下や競技人口減少も影響し、高額モデルの需要が伸び悩み、低価格化圧力が強まっています。
今後の展望と課題
競技用靴市場は今後も「ハイテクモデル重視」「高価格帯志向」が続くと見込まれます。一方で、地方都市では価格に対する敏感さがさらに強まり、型落ちモデルや廉価版モデルへのニーズが高まるでしょう。メーカー側には、トップモデルと普及モデルの両輪で市場を攻める柔軟な価格戦略が求められます。特に、リサイクル素材やサステナブル製品の拡大も、次なる成長分野となる可能性があります。
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