【2025年版】男性用シャツ価格動向｜高価格・低価格都市と価格上昇要因を徹底解説

2025年3月の男性用シャツ全国平均価格は1499円。高知、鳥取、岐阜などでは大幅な価格上昇が目立ち、地方市場での仕入れコストや高機能素材需要が背景にある。一方、日立、府中、札幌などでは低価格帯を維持し、価格競争が激しい。円安や原材料高騰、機能性需要の高まりが全体的な価格上昇を後押ししており、今後も高機能志向と低価格志向の二極化が進むと予測される。

男性用シャツはビジネス・カジュアル双方に需要がある衣料品カテゴリーであり、日常生活に密着した商品の一つです。本稿では、2020年から2025年にかけての価格推移、地域別傾向、そして最近の価格上昇要因について解説します。

　全国平均価格の推移

2025年3月時点の全国平均小売価格は1499円となっています。2020年から見ると、コロナ禍による消費低迷の影響を受け一時的に価格の下押しがありましたが、2023年以降は円安や原材料費高騰などの外部要因により、全体的に緩やかな上昇傾向が続いています。

　高価格帯都市の特徴

価格が高い都市トップ10は以下の通りです。

• 高知（2259円、前年比+38.76%）

• 広島（2068円）

• 鳥取（2013円、前年比+54.61%）

• 奈良（1976円、前年比+20.56%）

• 岐阜（1965円、前年比+35.99%）

• 姫路（1936円、前年比+37.5%）

• 松山（1819円、前年比+29.19%）

• 京都（1805円、前年比+8.019%）

• 東大阪（1783円、前年比+22.8%）

• 大阪（1753円、前年比+13.76%）

これらの都市では、国産シャツブランドや高機能素材（防シワ加工、抗菌防臭）を使用した商品が多く流通しています。特に高知・鳥取・岐阜では、40～50%に及ぶ価格急騰が見られ、地元市場での仕入れコスト増や、製造原価上昇の転嫁が背景にあると推測されます。

　低価格帯都市の特徴

一方、価格が低い都市トップ10は以下の通りです。

• 日立（1008円、前年比+3.067%）

• 府中（1058円）

• 札幌（1078円）

• 宇部（1132円）

• 八戸（1162円、前年比-3.086%）

• 函館（1165円）

• 長崎（1192円、前年比-15.58%）

• 松本（1199円、前年比-8.123%）

• 所沢（1202円、前年比-7.893%）

• 福井（1210円）

これらの地域では、量販型低価格シャツが主流であり、大手チェーン店やネット通販主導の商品展開が中心です。特に長崎、松本、所沢では前年からの価格下落が顕著であり、販売競争の激化や在庫処分、消費者ニーズの低価格志向が影響していると考えられます。

　価格変動の要因分析

最近の価格変動には、以下の複合的な要因が関与しています。

• 円安進行による輸入コスト上昇（2022年以降特に顕著）

• 綿やポリエステルなど原材料価格の高騰

• 人件費の上昇（特に国内生産に依存する地域で顕著）

• 高機能素材やサステナブル素材（再生繊維など）の採用増加

• 流通コスト（物流費）高騰

• 消費者の機能志向（防シワ、防臭、抗菌、接触冷感など）の高まり

特に高知や鳥取のような地方都市では、小規模市場のため価格変動が大きく反映されやすい点も指摘できます。

　地域別傾向と今後の展望

高価格帯地域では、今後も高機能・高品質志向が続き、単価上昇が続く可能性があります。一方、低価格帯地域では、低価格と品質の両立が引き続き課題となるでしょう。また、ネット通販の拡大により、地方でも価格比較が容易になっているため、地域間価格差は中長期的には縮小していくと予測されます。

　まとめ

2020年以降の男性用シャツ価格は、コロナ禍、円安、原材料高騰といった外部要因を背景に、緩やかな上昇基調をたどってきました。都市ごとに価格差や動向は異なりますが、全体的に「高付加価値型商品と低価格競争型商品への二極化」が進行しているのが現状です。今後は、機能性・サステナビリティ志向の高まりが市場のカギとなるでしょう。