2025年4月の生しいたけ1kg平均価格は1763円で前年比+0.59%。地域差は2倍超あり、鹿児島は2314円と大幅増(+46.27%)、東北の秋田や新潟は価格低下。気候変動や生産コスト上昇、流通効率が価格差の主因。今後は生産技術の革新と流通改善、健康志向の高まりで価格安定化が期待される。
小売物価統計
生しいたけ小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鹿児島 | 今治 | 松本 | 徳島 | 長岡 | 岐阜 | 那覇 | 長崎 | 東大阪 | 長野 |
最新値[円] | 1763 | 2314 | 2219 | 2192 | 2171 | 2156 | 2103 | 2101 | 2034 | 2033 | 2008 |
前年同月比[%] | +0.592 | +46.27 | +11.96 | +6.253 | +2.069 | +6.944 | +3.291 | -2.279 | +6.772 | -6.7 | -7.465 |
生しいたけ小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 秋田 | 水戸 | 新潟 | 和歌山 | 盛岡 | 福島 | 大分 | 宇都宮 | 青森 | 広島 |
最新値[円] | 1763 | 1053 | 1107 | 1138 | 1199 | 1354 | 1396 | 1440 | 1479 | 1489 | 1502 |
前年同月比[%] | +0.592 | -7.469 | -18.36 | -21.19 | +2.129 | +15.73 | -6.434 | +5.572 | +7.564 | +2.337 | -1.054 |
生しいたけの推移


詳細なデータとグラフ
生しいたけの現状と今後
2025年4月時点での生しいたけ1kgの全国平均小売価格は約1763円で、前年同月比では微増の約+0.59%となっています。価格の地域差は顕著で、最も高い鹿児島の2314円から最も低い秋田の1053円まで約2.2倍もの差が生じています。
高価格帯は9州地方(鹿児島、大分)、4国の今治、東日本の長岡や岐阜など広範囲に及び、特に鹿児島は前年比+46.27%と大幅に価格が上昇しています。1方、低価格帯は東北や北関東の地域(秋田、水戸、新潟、盛岡)が中心で、これらの地域ではマイナス成長も見られ、特に水戸や新潟は20%超の価格減少が顕著です。
生しいたけ価格の長期的推移と背景
生しいたけの価格は2014年以降、比較的安定した中にも、年ごとに地域や需給バランスの変化が価格に反映されてきました。特に近年の価格動向には以下の要因が影響しています。
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栽培環境と気候変動 生しいたけは気温や湿度の変動に敏感なため、異常気象や季節変動が生産量に直結し、価格変動を招いています。鹿児島の大幅上昇は天候不順による収量減の影響が大きいと推測されます。
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生産技術の向上とコスト増 近年は人工栽培技術の改良で品質向上が進む1方、原材料費や人件費の上昇も価格に反映され、全体の価格底上げ圧力となっています。
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流通・販売形態の多様化 地域間の物流費の違いや、産地直送・地産地消の動きも価格差を拡大させている背景にあります。
地域別価格差の要因分析
地域ごとの価格差は主に以下の理由で説明できます。
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生産地の近さと流通コスト 秋田や新潟など東北地方は原料生産地に近く、流通コストが抑えられるため低価格が維持されやすいです。対して鹿児島や4国の1部は輸送コストがかかりやすく、価格が高くなる傾向にあります。
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需要の強弱 都市圏や観光地周辺では質の高い生しいたけへの需要が高く、価格が高めに設定される場合があります。逆に地方の需要が限定的な地域では低価格圏となります。
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市場の供給過多・供給不足 供給過多の地域は価格が抑えられ、逆に生産量減少地域では価格が急騰することがあります。
生しいたけの今後の価格推移に関する期待
将来的には以下の点が価格動向を左右すると考えられます。
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生産技術のさらなる革新と安定化 新たな栽培技術や環境制御技術の導入により、気候変動の影響を抑制し生産量を安定化できれば、価格の急激な変動を防げるでしょう。
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需給調整と市場流通の効率化 地域間の過剰供給や需給ギャップを解消するための流通システム整備が進めば、価格差縮小と消費者の負担軽減が期待できます。
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消費者の健康志向の強まり 生しいたけは栄養価が高く健康食品としての認知が進んでいるため、安定した需要が価格維持の支えになります。
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国産と輸入品の価格競争 1部の地域では輸入椎茸との競合もあるため、品質向上やブランド化により国産の価値を高める努力が重要です。
まとめと消費者・生産者への提言
生しいたけは日本の食卓に欠かせない食材ですが、価格は地域差と気候要因により変動が激しい側面があります。消費者は地域ごとの価格差を意識しながら購入を検討し、生産者・流通業者は効率化と品質維持に注力することが求められます。将来に向けては技術革新と市場の連携が価格安定の鍵となるでしょう。
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