2025年4月時点の日本における牛乳1Lの小売平均価格は253.6円で、前年同月比は微増の約0.54%でした。那覇や松山、金沢などの地域で高価格帯が目立ち、特に金沢は前年比13.06%増と大幅上昇。一方、長岡や長野、所沢などは低価格で推移し、若干の価格下落が見られます。地域差は流通コストや需要、販売戦略が背景にあり、今後は原材料価格の変動や生産体制の変化、消費者動向が価格形成に大きく影響すると予想されます。
小売物価統計
牛乳小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 那覇 | 松山 | 今治 | 金沢 | 鳥取 | 旭川 | 福島 | 宮崎 | 山口 | 高松 |
最新値[円] | 253.6 | 362 | 324 | 319 | 303 | 300 | 299 | 297 | 284 | 279 | 278 |
前年同月比[%] | +0.543 | +3.725 | -0.313 | +13.06 | +2.768 | +4.12 |
牛乳小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 長岡 | 長野 | 所沢 | 府中 | 柏 | 川口 | 千葉 | 前橋 | 松本 | 熊谷 |
最新値[円] | 253.6 | 211 | 212 | 213 | 214 | 216 | 217 | 219 | 220 | 220 | 222 |
前年同月比[%] | +0.543 | -2.752 | -2.294 | -2.283 | -0.913 | -0.455 | +0.917 | +1.37 |
牛乳の推移


詳細なデータとグラフ
牛乳の現状と今後
2025年4月における牛乳1Lの全国平均小売価格は253.6円となっており、前年同月比では約+0.543%とほぼ横ばいの状況です。
価格が高い地域の状況
-
那覇:362円(前年比+3.725%)
-
松山:324円
-
今治:319円(前年比-0.313%)
-
金沢:303円(前年比+13.06%)
-
鳥取:300円
-
旭川:299円
-
福島:297円(前年比+2.768%)
-
宮崎:284円
-
山口:279円
-
高松:278円(前年比+4.12%)
那覇や松山、金沢といった地域は全国平均を大幅に上回る高値で推移しています。特に金沢の前年比13.06%増は突出しており、何らかのコスト上昇や流通要因が考えられます。
価格が低い地域の状況
-
長岡:211円
-
長野:212円(前年比-2.752%)
-
所沢:213円(前年比-2.294%)
-
府中:214円(前年比-2.283%)
-
柏:216円
-
川口:217円(前年比-0.913%)
-
千葉:219円(前年比-0.455%)
-
前橋:220円
-
松本:220円(前年比+0.917%)
-
熊谷:222円(前年比+1.37%)
こちらは主に関東・北陸などの内陸部中心で、平均を大きく下回る価格帯です。前年からやや価格下落している地域もあり、流通効率の良さや競争環境の影響がうかがえます。
牛乳価格の過去の推移と影響要因
生産コストの変動
2010年以降、飼料価格や燃料費の変動、牛乳生産に関わる労働コストが価格に影響しています。これらコストは地域ごとに異なり、特に離島や物流拠点から遠い地域では高コストが価格に反映されやすい傾向です。
流通・物流コスト
牛乳は重量があるため、物流費の占める割合が大きく、距離が遠い地域ほど小売価格が高くなる傾向があります。沖縄の那覇の高価格はこの典型例です。
需要と供給のバランス
都市圏周辺では多様な競争相手が存在し、価格競争が働くため低価格が維持されやすいです。反面、地方では需要が限定的で価格が高止まりするケースも見られます。
前年比変動の分析
前年比で金沢の13.06%上昇は特異であり、飼料費高騰や輸送コスト上昇が影響している可能性があります。その他の地域の増減幅は小幅で、全体としては価格の安定傾向が続いています。
1方、長野や所沢などでの2%前後の価格低下は、地元の競争激化や効率的な流通体制の影響が考えられます。
今後の牛乳価格推移の見通しと課題
原材料価格の影響
今後も飼料や燃料価格の国際相場変動が生産コストに直結するため、価格の上下動要因となります。円安が進めば輸入飼料コストの増加も懸念材料です。
生産体制の変化と持続可能性
国内酪農家の高齢化や後継者不足は生産量や品質に影響を及ぼし得ます。効率化やスマート農業導入が価格安定の鍵となります。
消費者ニーズの変化
健康志向やオーガニック志向の高まりに伴い、高付加価値商品が増加すると予想され、価格の2極化が進む可能性があります。
消費者と小売業者への提言
消費者側の視点
地域ごとの価格差を意識し、用途や予算に応じた購入選択が重要です。特売やまとめ買いの活用も賢い買い方です。
小売業者側の戦略
地域特性に合わせた価格設定、物流コスト削減の工夫、また健康志向商品やブランド価値向上に向けた商品の開発が求められます。
まとめ
牛乳1Lの小売価格は2025年4月時点で253.6円と、全国的にはほぼ安定傾向にありますが、地域間の価格差は依然として大きいのが現状です。今後も生産コストや流通環境の変化、消費者の価値観の多様化が価格に影響を及ぼし、動向を注視する必要があります。
コメント