2025年4月の照明器具1台あたりの平均価格は1.711万円。高松や金沢では2万円を超え、前年より大幅上昇。一方、山形や札幌などでは価格が低下。都市部ではスマート機能やデザイン性重視で高価格化、地方では実用性重視で低価格モデルが主流。価格差の要因は住宅需要、販売ルート、経済環境の違いによる。
電気製品の都市別小売価格
照明器具価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 高松 | 金沢 | 郡山 | 西宮 | 相模原 | 枚方 | 東大阪 | 堺 | 甲府 | 宇都宮 |
最新値[万円] | 1.711 | 2.178 | 2.178 | 2.046 | 2.046 | 2.046 | 2.046 | 2.046 | 2.046 | 2.013 | 2.013 |
平均比[%] | 100 | 127.3 | 127.3 | 119.6 | 119.6 | 119.6 | 119.6 | 119.6 | 119.6 | 117.6 | 117.6 |
前年月同比[%] | +2.212 | +22.22 | +38.79 | +6.897 | -6.061 | +6.897 | -1.613 | +7.018 |
照明器具価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 山形 | 札幌 | 藤沢 | 前橋 | 鹿児島 | 青森 | 豊橋 | 千葉 | 山口 | さいたま |
最新値[万円] | 1.711 | 1.245 | 1.328 | 1.33 | 1.334 | 1.341 | 1.355 | 1.371 | 1.38 | 1.393 | 1.413 |
平均比[%] | 100 | 72.77 | 77.58 | 77.74 | 77.95 | 78.39 | 79.2 | 80.1 | 80.65 | 81.43 | 82.58 |
前年月同比[%] | +2.212 | -5.559 | -11.17 | -8.089 | -18.71 | +2.156 | +4.151 | -16.67 | +1.261 |
これまでの照明器具の推移


詳細なデータとグラフ
照明器具の現状と今後
照明器具は家庭や職場の快適性を左右する生活必需品であり、LED技術の進化や省エネ需要の高まりに伴って、製品の質と価格帯も大きく変化してきた。近年ではデザイン性やスマート機能を備えた高価格帯モデルも市場に登場し、価格の2極化が進んでいる。
全国平均と価格の上昇傾向
2025年4月時点での照明器具の全国平均価格は1.711万円。これは過去10年以上にわたり緩やかな上昇を続けてきた価格水準であり、特にここ1〜2年の物価上昇の波を受け、上位地域では2万円を超える水準が目立ってきている。
高価格帯都市の傾向と背景
上位の都市と価格(2025年4月):
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高松:2.178万円(前年比+22.22%)
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金沢:2.178万円(+38.79%)
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郡山、西宮、相模原、枚方、東大阪、堺:2.046万円
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甲府、宇都宮:2.013万円(宇都宮は+7.018%)
特徴と背景要因:
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リフォーム・新築需要の集中:住宅再整備が活発な地域では高機能照明の導入が進んでおり、価格を押し上げている。
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スマート照明の普及:Wi-Fi対応・音声操作対応の照明器具の普及が価格高騰の1因となっている。
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地域特有の販売構造:地元工務店や専門業者の利用率が高く、単価の高い製品が標準装備となっているケースがある。
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LED普及の次の段階へ:LED化の初期段階を終え、次の買い替えサイクルで“機能付き高価格モデル”が主流となりつつある。
低価格帯都市の特徴と課題
下位の都市と価格(2025年4月):
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山形:1.245万円(前年比-5.559%)
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札幌:1.328万円(-11.17%)
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藤沢:1.33万円
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前橋:1.334万円(-8.089%)
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鹿児島:1.341万円(-18.71%)
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青森、豊橋、千葉、山口、さいたま:1.355〜1.413万円
背景と要因:
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価格競争の激しい流通構造:地方都市や郊外ではホームセンターやディスカウント店での販売が主流で、低価格モデルが選ばれやすい。
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人口減少と消費マインドの慎重化:とくに北海道・東北・9州では消費意欲の減退により、安価な製品への志向が強まっている。
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買い替えより修理・継続利用志向:省エネ意識はあるものの、既存のLED照明を使い続ける傾向が強く、新品購入が減っている。
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公共需要の低下:地方自治体による公共施設への設備投資が減少していることも、地域経済に波及しやすい。
2012年以降の価格推移とインフレ圧力
長期的な価格動向:
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2012年~2016年:LED照明普及期で1時的に価格が上昇。
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2017年~2021年:製品のコモディティ化により価格がやや下落傾向。
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2022年以降:原材料費・輸送費の上昇、円安の影響により再び上昇トレンド。
近年の物価上昇の具体的要因:
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円安進行による輸入コストの上昇:LEDモジュールやICチップなどのコスト増。
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人件費と製造コストの上昇:国内組立や検査工程の価格上昇も転嫁。
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物流費の増加:運送業界の2024年問題などによる配送費の上昇が価格に反映。
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環境規制対応のコスト:省エネ基準の引き上げに伴う部材高騰や開発費用も影響。
都市別の照明消費と購買傾向の差
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都市部(相模原、堺、東大阪など)では、リノベーションやマンション建設に伴う照明設備のグレードアップが多く見られ、高価格帯が1般的に。
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地方都市(山形、鹿児島、前橋など)では、必要最低限の照明機能を重視する傾向が根強く、実用性重視の安価モデルが多く流通。
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札幌や青森など寒冷地では、電力効率や耐寒性能も重視されるが、価格への影響はさほど大きくない様子。
今後の展望と課題
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照明の“家具化・装飾化”の進展:高価格帯のデザイン照明の市場拡大により、価格平均が引き上げられる可能性。
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スマートホーム需要の波:IoT家電の連携によって、機能付き照明の需要が都市部を中心に伸び続けると予測。
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価格2極化の加速:1方で、実用性重視の低価格モデルは1定の需要があり、価格格差が拡大する可能性も。
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