【焼酎支出ランキング】岡山・堺が急上昇、家庭内消費と地域文化を分析

酒類費

焼酎の月間支出額は岡山市がトップで、堺市、鹿児島市が続きます。特に堺市は支出・回数ともに前年比で大幅増。伝統的な焼酎消費地である鹿児島や宮崎でも依然高水準ですが、都市部や東日本にも焼酎文化が拡大。家庭内飲酒の多様化が背景にあり、今後も地域ごとの特色に沿った動向が注目されます。

焼酎の月間支出ランキング(二人以上世帯)

2025年9月
降順昇順
都市名支出額[円]全国比[%]前年同月比[%]
全国395100-8.776
1宮崎市1239313.7+15.15
2奈良市1072271.4+243.6
3岐阜市870220.3+151.4
4青森市773195.7+102.4
5札幌市754190.9+141.7
6福岡市750189.9+58.23
7高松市627158.7+29.28
8北九州市620157-28.16
9鹿児島市617156.2-13.1
10甲府市603152.7+133.7
11福井市567143.5+137.2
12秋田市555140.5-26.2
13大分市541137+7.984
14盛岡市525132.9+48.31
15岡山市519131.4+8.351
16和歌山市514130.1+394.2
17熊本市508128.6-19.24
18松江市491124.3-12.32
19宇都宮市485122.8
20松山市453114.7+21.77
21山口市453114.7-20.94
22那覇市446112.9-41.39
23高知市443112.2-25.55
24横浜市422106.8+25.97
25長崎市413104.6-2.364
26福島市408103.3+71.43
27前橋市401101.5-43.36
28千葉市400101.3-10.71
29京都市38898.23-8.274
30東京都区部38396.96+10.69
31静岡市38196.46+6.128
32広島市37594.94+0.536
33山形市36893.16-7.538
34水戸市36492.15-30.93
35佐賀市35389.37-0.843
36さいたま市34186.33+34.78
37大津市33685.06+47.37
38大阪市33584.81+0.601
39川崎市31479.49-6.269
40神戸市31379.24-21.36
41徳島市31078.48+237
42浜松市30577.22-16.44
43津市25765.06+44.38
44鳥取市24963.04-66.44
45長野市22055.7-14.06
46富山市21554.43-68.24
47名古屋市20952.91+24.4
48新潟市20150.89-57.05
49金沢市19749.87-19.59
50堺市17343.8-66.54
51相模原市14336.2-55.86
52仙台市9925.06-53.74

月間支出の推移

焼酎の支出額

世帯当りの月間購入回数

2025年9月
降順昇順
都市名購入回数[回]全国比前年同月比[%]
全国0.24100-11.11
1宮崎市1.14475+60.56
2北九州市0.55229.2-9.836
3盛岡市0.49204.2+113
4奈良市0.49204.2+113
5熊本市0.46191.7+31.43
6岐阜市0.44183.3+120
7札幌市0.43179.2+126.3
8広島市0.43179.2+186.7
9那覇市0.42175-30
10甲府市0.42175+133.3
11福岡市0.39162.5+30
12青森市0.37154.2+68.18
13大分市0.37154.2+2.778
14鹿児島市0.35145.8-5.405
15高松市0.33137.5-35.29
16秋田市0.33137.5-32.65
17和歌山市0.33137.5+312.5
18福井市0.31129.2+210
19松江市0.31129.2-20.51
20前橋市0.31129.2-35.42
21山口市0.29120.8-12.12
22福島市0.28116.7+64.71
23横浜市0.26108.3+30
24長崎市0.25104.2-28.57
25岡山市0.25104.2+19.05
26高知市0.24100-29.41
27東京都区部0.24100-4
28千葉市0.24100-46.67
29松山市0.2395.83-8
30山形市0.2395.83
31浜松市0.2291.67+29.41
32大津市0.2291.67+15.79
33神戸市0.2187.5
34水戸市0.2187.5-27.59
35さいたま市0.2187.5+10.53
36徳島市0.283.33+233.3
37川崎市0.283.33-25.93
38佐賀市0.283.33-13.04
39京都市0.283.33-23.08
40静岡市0.1979.17-36.67
41長野市0.1979.17+11.76
42鳥取市0.1770.83-60.47
43宇都宮市0.1770.83-15
44津市0.1562.5-25
45大阪市0.1562.5-44.44
46富山市0.1458.33-65
47金沢市0.1145.83-38.89
48新潟市0.1145.83-56
49相模原市0.141.67-23.08
50堺市0.141.67-33.33
51名古屋市0.141.67-33.33
52仙台市0.0625-57.14

月間購入回数の推移

各世帯の平均支出頻度

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

焼酎の月間支出の現状と今後

焼酎は日本国内で根強い人気を持つ蒸留酒であり、とくに9州を中心とした西日本で長らく親しまれてきました。2015年から2025年4月までの家計調査における都市別の焼酎支出データを分析すると、伝統的な消費地だけでなく、近年は都市圏や東日本でも支出が増加している傾向が見えてきます。本稿では焼酎の支出額とその変化、購入頻度に基づき、地域ごとの特徴を丁寧に読み解いていきます。


最新支出額トップ10都市の動向とその背景

2025年4月時点での月間焼酎支出額の全国平均は459円ですが、岡山市(885円)がトップとなり、全国平均のほぼ2倍に達しています。以下、堺市(780円)鹿児島市(688円)神戸市(678円)、宮崎市(676円)などが続きます。

特に岡山市と堺市の急上昇が目を引き、岡山市は前年比+50.77%、堺市は+117.9%という大幅な増加を記録しています。これは地域イベントや酒類価格の変動、または家庭内飲酒傾向の強化などが影響している可能性があります。

焼酎の本場とも言える鹿児島市や宮崎市も依然として高水準を維持しており、日常的な飲用文化が根強いことが数字からうかがえます。


購入回数から見た「焼酎文化」の定着度

焼酎の全国平均の購入回数は0.27回/月であるのに対し、堺市は0.7回、那覇市0.51回、宮崎市0.48回と、西日本を中心に焼酎の購入頻度が高い傾向が見られます。

とくに堺市は支出額だけでなく購入回数も前年比+204.3%と驚異的な伸びを示しており、1時的なブームあるいは酒販事情の変化が推察されます。対照的に、那覇市や熊本市では購入回数が減少しており、家庭での消費習慣の変化が進んでいることも示唆されます。


前年比から見た地域ごとの変化傾向

支出額と購入回数の前年比を見ることで、地域ごとの焼酎への関心や市場動向をより明確に把握できます。

  • 急成長都市:堺市(支出+117.9%、回数+204.3%)1時的な需要増、地元酒造との連携強化、家庭飲酒の再評価などが背景と考えられます。

  • 持続的増加都市:岡山市、神戸市、横浜市比較的都市型の生活環境で焼酎が浸透しており、多様な食文化とマッチしている可能性があります。

  • 消費減少都市:宮崎市(支出-18.85%)、熊本市(支出-29.19%)伝統的な焼酎消費地であっても、若年層の飲酒離れや外飲み傾向の低下が影響していると考えられます。


都市別文化と焼酎消費の関係性

焼酎は地域色の強い酒であり、その消費には明確な文化的背景が反映されています。

  • 岡山市・堺市・神戸市:中4国・関西都市圏の台頭外食文化との親和性、地元食材との相性が支出増加に影響。

  • 鹿児島市・宮崎市・熊本市:本場の安定消費地域に根付いた伝統と飲酒習慣の名残が依然として高い支出水準を保っています。

  • 横浜市・長崎市・盛岡市:東日本への波及焼酎が都市部でも手軽に楽しめる酒として定着しつつあり、生活様式の多様化が進んでいる兆候です。


まとめ──焼酎支出から見える生活文化の変遷

焼酎の消費は、単なる嗜好品の枠を超え、地域文化や生活様式の反映として読み解くことができます。2025年現在、伝統的な地域だけでなく、都市部や東日本にも消費が広がっており、家庭内での飲酒傾向が多様化する中、焼酎は根強い人気を誇っています。

今後も、高齢化や若者の嗜好変化、健康志向、地域経済の影響などにより、都市別の焼酎支出は流動的に変化していくと予想されます。

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