【焼酎支出ランキング】岡山・堺が急上昇、家庭内消費と地域文化を分析

酒類費

焼酎の月間支出額は岡山市がトップで、堺市、鹿児島市が続きます。特に堺市は支出・回数ともに前年比で大幅増。伝統的な焼酎消費地である鹿児島や宮崎でも依然高水準ですが、都市部や東日本にも焼酎文化が拡大。家庭内飲酒の多様化が背景にあり、今後も地域ごとの特色に沿った動向が注目されます。

焼酎の月間支出ランキング(二人以上世帯)

2025年5月
降順昇順
都市名支出額[円]全国比[%]前年同月比[%]
全国482100+2.991
1福井市993206+156.6
2松江市988205+15.02
3宮崎市907188.2-20.09
4堺市824171+431.6
5北九州市797165.4+10.54
6徳島市787163.3+37.83
7鹿児島市741153.7+1.646
8青森市739153.3+48.99
9佐賀市701145.4+9.02
10山口市653135.5-5.636
11岡山市643133.4+58.77
12那覇市621128.8-4.9
13松山市593123+152.3
14静岡市567117.6+42.82
15長崎市565117.2+80.51
16長野市562116.6+105.1
17横浜市558115.8+32.23
18大阪市557115.6+57.79
19千葉市549113.9+48.78
20高松市546113.3+141.6
21奈良市543112.7+27.17
22和歌山市528109.5-21.55
23津市527109.3+17.37
24鳥取市521108.1+5.68
25浜松市509105.6+8.298
26秋田市504104.6-10.64
27大分市504104.6-29.11
28熊本市483100.2-39.02
29福岡市48199.79-8.902
30広島市45293.78-8.687
31水戸市42187.34+12.27
32金沢市42087.14+57.89
33東京都区部41485.89-28.99
34相模原市41185.27+2.239
35盛岡市40584.02-16.15
36富山市39481.74-22.44
37甲府市38680.08-25.34
38神戸市38479.67-14.29
39前橋市38379.46-45.29
40山形市35874.27-10.95
41札幌市35473.44-25.32
42新潟市33870.12-29.44
43京都市33870.12+39.09
44大津市33068.46-11.29
45宇都宮市31064.32-29.38
46岐阜市29561.2-22.57
47福島市29360.79-41.05
48名古屋市29060.17-37.77
49川崎市27256.43+26.51
50さいたま市26354.56+2.734
51高知市21845.23-38.94
52仙台市20943.36+44.14

月間支出の推移

焼酎の支出額

世帯当りの月間購入回数

2025年5月
降順昇順
都市名購入回数[回]全国比前年同月比[%]
全国0.29100+3.571
1堺市0.64220.7+966.7
2宮崎市0.63217.2-10
3松江市0.55189.7+14.58
4那覇市0.51175.9-20.31
5徳島市0.43148.3+19.44
6山口市0.4137.9+17.65
7北九州市0.4137.9-14.89
8静岡市0.39134.5+56
9岡山市0.39134.5+105.3
10前橋市0.39134.5+21.88
11佐賀市0.39134.5
12鹿児島市0.38131+2.703
13長崎市0.38131+137.5
14青森市0.37127.6+15.63
15大分市0.37127.6-28.85
16福岡市0.36124.1+20
17浜松市0.36124.1+20
18福井市0.34117.2-30.61
19大阪市0.34117.2+41.67
20津市0.33113.8+120
21鳥取市0.32110.3+14.29
22相模原市0.32110.3-15.79
23松山市0.32110.3+14.29
24熊本市0.31106.9-35.42
25秋田市0.3103.4-14.29
26富山市0.3103.4-43.4
27奈良市0.3103.4-3.226
28和歌山市0.3103.4+11.11
29広島市0.29100+16
30高松市0.2896.55+55.56
31東京都区部0.2896.55-15.15
32札幌市0.2793.1-6.897
33水戸市0.2586.21-3.846
34横浜市0.2586.21+4.167
35山形市0.2482.76-14.29
36大津市0.2482.76-29.41
37宇都宮市0.2379.31+9.524
38千葉市0.2379.31-50
39新潟市0.2275.86-18.52
40長野市0.2172.41
41盛岡市0.2172.41-32.26
42京都市0.2172.41+61.54
43神戸市0.268.97-35.48
44甲府市0.268.97-35.48
45川崎市0.268.97+25
46高知市0.1758.62-10.53
47岐阜市0.1551.72-34.78
48さいたま市0.1551.72-11.76
49金沢市0.1448.28-22.22
50福島市0.1448.28-48.15
51名古屋市0.1448.28-54.84
52仙台市0.1137.93+10

月間購入回数の推移

各世帯の平均支出頻度

カテゴリー

詳細なデータとグラフ

焼酎の月間支出の現状と今後

焼酎は日本国内で根強い人気を持つ蒸留酒であり、とくに9州を中心とした西日本で長らく親しまれてきました。2015年から2025年4月までの家計調査における都市別の焼酎支出データを分析すると、伝統的な消費地だけでなく、近年は都市圏や東日本でも支出が増加している傾向が見えてきます。本稿では焼酎の支出額とその変化、購入頻度に基づき、地域ごとの特徴を丁寧に読み解いていきます。


最新支出額トップ10都市の動向とその背景

2025年4月時点での月間焼酎支出額の全国平均は459円ですが、岡山市(885円)がトップとなり、全国平均のほぼ2倍に達しています。以下、堺市(780円)鹿児島市(688円)神戸市(678円)、宮崎市(676円)などが続きます。

特に岡山市と堺市の急上昇が目を引き、岡山市は前年比+50.77%、堺市は+117.9%という大幅な増加を記録しています。これは地域イベントや酒類価格の変動、または家庭内飲酒傾向の強化などが影響している可能性があります。

焼酎の本場とも言える鹿児島市や宮崎市も依然として高水準を維持しており、日常的な飲用文化が根強いことが数字からうかがえます。


購入回数から見た「焼酎文化」の定着度

焼酎の全国平均の購入回数は0.27回/月であるのに対し、堺市は0.7回、那覇市0.51回、宮崎市0.48回と、西日本を中心に焼酎の購入頻度が高い傾向が見られます。

とくに堺市は支出額だけでなく購入回数も前年比+204.3%と驚異的な伸びを示しており、1時的なブームあるいは酒販事情の変化が推察されます。対照的に、那覇市や熊本市では購入回数が減少しており、家庭での消費習慣の変化が進んでいることも示唆されます。


前年比から見た地域ごとの変化傾向

支出額と購入回数の前年比を見ることで、地域ごとの焼酎への関心や市場動向をより明確に把握できます。

  • 急成長都市:堺市(支出+117.9%、回数+204.3%)1時的な需要増、地元酒造との連携強化、家庭飲酒の再評価などが背景と考えられます。

  • 持続的増加都市:岡山市、神戸市、横浜市比較的都市型の生活環境で焼酎が浸透しており、多様な食文化とマッチしている可能性があります。

  • 消費減少都市:宮崎市(支出-18.85%)、熊本市(支出-29.19%)伝統的な焼酎消費地であっても、若年層の飲酒離れや外飲み傾向の低下が影響していると考えられます。


都市別文化と焼酎消費の関係性

焼酎は地域色の強い酒であり、その消費には明確な文化的背景が反映されています。

  • 岡山市・堺市・神戸市:中4国・関西都市圏の台頭外食文化との親和性、地元食材との相性が支出増加に影響。

  • 鹿児島市・宮崎市・熊本市:本場の安定消費地域に根付いた伝統と飲酒習慣の名残が依然として高い支出水準を保っています。

  • 横浜市・長崎市・盛岡市:東日本への波及焼酎が都市部でも手軽に楽しめる酒として定着しつつあり、生活様式の多様化が進んでいる兆候です。


まとめ──焼酎支出から見える生活文化の変遷

焼酎の消費は、単なる嗜好品の枠を超え、地域文化や生活様式の反映として読み解くことができます。2025年現在、伝統的な地域だけでなく、都市部や東日本にも消費が広がっており、家庭内での飲酒傾向が多様化する中、焼酎は根強い人気を誇っています。

今後も、高齢化や若者の嗜好変化、健康志向、地域経済の影響などにより、都市別の焼酎支出は流動的に変化していくと予想されます。

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