【焼酎支出ランキング】岡山・堺が急上昇、家庭内消費と地域文化を分析

酒類費

焼酎の月間支出額は岡山市がトップで、堺市、鹿児島市が続きます。特に堺市は支出・回数ともに前年比で大幅増。伝統的な焼酎消費地である鹿児島や宮崎でも依然高水準ですが、都市部や東日本にも焼酎文化が拡大。家庭内飲酒の多様化が背景にあり、今後も地域ごとの特色に沿った動向が注目されます。

焼酎の月間支出ランキング(二人以上世帯)

2025年4月
降順昇順
都市名支出額[円]全国比[%]前年同月比[%]
全国459100+14.18
1岡山市885192.8+50.77
2堺市780169.9+117.9
3鹿児島市688149.9+7.837
4神戸市678147.7+40.96
5宮崎市676147.3-18.85
6熊本市650141.6-29.19
7盛岡市620135.1+49.76
8那覇市609132.7+6.283
9横浜市606132+87.04
10長崎市599130.5+65.47
11佐賀市592129+12.55
12松江市582126.8-24.22
13福井市572124.6+19.92
14青森市570124.2-10.09
15北九州市554120.7-8.581
16和歌山市529115.3+41.07
17浜松市502109.4+26.77
18福岡市501109.2+77.03
19奈良市500108.9-13.79
20山形市466101.5-1.271
21富山市43694.99-20.58
22徳島市43394.34+65.27
23松山市42392.16+271.1
24甲府市42091.5-16.67
25高松市41991.29+2.445
26長野市41690.63+42.47
27福島市41490.2+4.81
28静岡市39986.93+5.836
29秋田市39385.62-32.47
30千葉市38684.1-0.771
31前橋市38082.79-23.23
32大阪市36479.3+5.507
33名古屋市36479.3+8.333
34岐阜市35477.12+3.812
35大分市35477.12-40.4
36京都市35376.91-4.595
37さいたま市35276.69+11.04
38川崎市34575.16+2.071
39広島市33673.2-6.667
40津市32270.15-9.04
41仙台市31769.06+74.18
42東京都区部30666.67-31.54
43鳥取市28962.96-34.62
44水戸市28261.44-26.18
45山口市27660.13-23.55
46新潟市27459.69-36.43
47宇都宮市26858.39-33.83
48札幌市25555.56-17.74
49金沢市20644.88-8.036
50大津市19241.83-40.92
51高知市18339.87-71.04
52相模原市12527.23-65.66

月間支出の推移

焼酎の支出額

 

世帯当りの月間購入回数

2025年4月
降順昇順
都市名購入回数[回]全国比前年同月比[%]
全国0.27100+12.5
1堺市0.7259.3+204.3
2那覇市0.51188.9-36.25
3宮崎市0.48177.8+6.667
4鹿児島市0.47174.1+17.5
5熊本市0.44163-4.348
6岡山市0.44163+62.96
7静岡市0.39144.4+129.4
8浜松市0.39144.4+85.71
9松江市0.39144.4-17.02
10佐賀市0.38140.7+11.76
11長崎市0.37137+94.74
12北九州市0.37137-11.9
13盛岡市0.34125.9+41.67
14福岡市0.33122.2+43.48
15前橋市0.32118.5+33.33
16和歌山市0.3111.1+25
17青森市0.27100-20.59
18横浜市0.27100+28.57
19新潟市0.27100+28.57
20山形市0.27100-10
21神戸市0.2696.3-29.73
22東京都区部0.2696.3+8.333
23富山市0.2696.3-39.53
24奈良市0.2696.3-18.75
25大分市0.2696.3-40.91
26秋田市0.2592.59-16.67
27甲府市0.2592.59-26.47
28千葉市0.2592.59+19.05
29高松市0.2385.19+15
30福井市0.2385.19-58.18
31松山市0.2385.19
32徳島市0.2385.19+9.524
33川崎市0.2385.19+27.78
34鳥取市0.2281.48-4.348
35津市0.2177.78+75
36広島市0.274.07+5.263
37宇都宮市0.274.07-23.08
38名古屋市0.274.07+53.85
39水戸市0.1970.37-26.92
40仙台市0.1970.37+35.71
41長野市0.1866.67-10
42岐阜市0.1866.67-14.29
43山口市0.1762.96+13.33
44高知市0.1659.26-54.29
45福島市0.1659.26-33.33
46札幌市0.1659.26-15.79
47さいたま市0.1659.26+45.45
48大阪市0.1451.85-44
49京都市0.1348.15-38.1
50金沢市0.1244.44-20
51相模原市0.1140.74-64.52
52大津市0.1140.74-38.89

月間購入回数の推移

各世帯の平均支出頻度

 

カテゴリー

食料



詳細なデータとグラフ

 

焼酎の月間支出の現状と今後

焼酎は日本国内で根強い人気を持つ蒸留酒であり、とくに9州を中心とした西日本で長らく親しまれてきました。2015年から2025年4月までの家計調査における都市別の焼酎支出データを分析すると、伝統的な消費地だけでなく、近年は都市圏や東日本でも支出が増加している傾向が見えてきます。本稿では焼酎の支出額とその変化、購入頻度に基づき、地域ごとの特徴を丁寧に読み解いていきます。


最新支出額トップ10都市の動向とその背景

2025年4月時点での月間焼酎支出額の全国平均は459円ですが、岡山市(885円)がトップとなり、全国平均のほぼ2倍に達しています。以下、堺市(780円)鹿児島市(688円)神戸市(678円)、宮崎市(676円)などが続きます。

特に岡山市と堺市の急上昇が目を引き、岡山市は前年比+50.77%、堺市は+117.9%という大幅な増加を記録しています。これは地域イベントや酒類価格の変動、または家庭内飲酒傾向の強化などが影響している可能性があります。

焼酎の本場とも言える鹿児島市や宮崎市も依然として高水準を維持しており、日常的な飲用文化が根強いことが数字からうかがえます。


購入回数から見た「焼酎文化」の定着度

焼酎の全国平均の購入回数は0.27回/月であるのに対し、堺市は0.7回、那覇市0.51回、宮崎市0.48回と、西日本を中心に焼酎の購入頻度が高い傾向が見られます。

とくに堺市は支出額だけでなく購入回数も前年比+204.3%と驚異的な伸びを示しており、1時的なブームあるいは酒販事情の変化が推察されます。対照的に、那覇市や熊本市では購入回数が減少しており、家庭での消費習慣の変化が進んでいることも示唆されます。


前年比から見た地域ごとの変化傾向

支出額と購入回数の前年比を見ることで、地域ごとの焼酎への関心や市場動向をより明確に把握できます。

  • 急成長都市:堺市(支出+117.9%、回数+204.3%)1時的な需要増、地元酒造との連携強化、家庭飲酒の再評価などが背景と考えられます。

  • 持続的増加都市:岡山市、神戸市、横浜市比較的都市型の生活環境で焼酎が浸透しており、多様な食文化とマッチしている可能性があります。

  • 消費減少都市:宮崎市(支出-18.85%)、熊本市(支出-29.19%)伝統的な焼酎消費地であっても、若年層の飲酒離れや外飲み傾向の低下が影響していると考えられます。


都市別文化と焼酎消費の関係性

焼酎は地域色の強い酒であり、その消費には明確な文化的背景が反映されています。

  • 岡山市・堺市・神戸市:中4国・関西都市圏の台頭外食文化との親和性、地元食材との相性が支出増加に影響。

  • 鹿児島市・宮崎市・熊本市:本場の安定消費地域に根付いた伝統と飲酒習慣の名残が依然として高い支出水準を保っています。

  • 横浜市・長崎市・盛岡市:東日本への波及焼酎が都市部でも手軽に楽しめる酒として定着しつつあり、生活様式の多様化が進んでいる兆候です。


まとめ──焼酎支出から見える生活文化の変遷

焼酎の消費は、単なる嗜好品の枠を超え、地域文化や生活様式の反映として読み解くことができます。2025年現在、伝統的な地域だけでなく、都市部や東日本にも消費が広がっており、家庭内での飲酒傾向が多様化する中、焼酎は根強い人気を誇っています。

今後も、高齢化や若者の嗜好変化、健康志向、地域経済の影響などにより、都市別の焼酎支出は流動的に変化していくと予想されます。

 

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