焼肉の価格推移と今後の展望|地域差と物価上昇の影響を徹底解説

外食・定食

焼肉1人前の全国平均は1,066円で、千葉市では1,914円と突出して高く、価格差が800円以上に広がっています。長野や甲府など地方都市でも大幅な上昇が見られ、肉の原価高や人件費・光熱費の上昇、プレミアム志向が背景にあります。今後も地域ごとの差が拡大する見込みです。

都市別の焼肉1人前の相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均1055+1.527
1千葉1914+9.685
2那覇1703
3熊本1389
4福島1315-3.592
5盛岡1305
6京都1285+4.049
7福岡1250+8.696
8岐阜1213+4.299
9金沢1200+10.19
10横浜1196
11徳島1190
12奈良1188
13鹿児島1150
14高知1139+4.495
15甲府1128
16前橋1128+10.81
17青森1122+11.42
18山口1100-0.99
19岡山1095
20佐賀1095+16.49
21札幌1084+6.483
22神戸1050
23東京都区部1050+2.339
24大分1044
25富山1033-2.085
26長崎1024
27宇都宮1023+12.54
28山形1015-4.695
29福井1010
30大阪986-2.953
31秋田985+7.298
32さいたま967+0.415
33新潟965+2.66
34仙台963+4.221
35静岡952+8.8
36宮崎908+3.771
37高松897+5.778
38鳥取890
39松江880-10.66
40長野853-27.71
41832
42大津820+6.494
43広島814-5.787
44松山748-6.266
45水戸616+4.584
46和歌山539
47名古屋539-7.547
焼肉1人前

詳細なデータとグラフ

焼肉の小売価格の相場と推移

焼肉は、日本の外食文化の中でも根強い人気を誇るメニューであり、家族向け・若者向け・観光向けとさまざまな層に需要があります。その価格には、肉の仕入れ価格や地価、人件費、地域の外食傾向といった要素が複合的に反映されます。2025年5月時点での全国平均価格は1,066円。1方で都市ごとに800円以上の差があり、その背景を理解することは地域経済を知る手がかりにもなります。


最高価格都市 ― 千葉の異常な高騰

千葉市(1,914円)は、全国で最も高価格となっており、全国平均を約80%も上回る水準です。前年比+9.685%と急騰していることから、単なる物価高というよりも、以下のような複合要因が考えられます。

  • 高級志向店舗の増加(特選和牛などの取り扱い)

  • 首都圏からの観光・外食需要の流入

  • 地価や人件費の上昇による運営コスト増

千葉市の焼肉市場は、従来型の食べ放題や低価格帯から高品質志向に移行しており、1人前の価格がプレミアム化している典型例といえます。


南西エリアの高価格 ― 那覇と熊本の背景

那覇市(1,703円)は全国2位の高価格帯であり、離島という物流の制約も加わって、原材料のコストが高くなる傾向があります。とくに本土からの輸送費や冷蔵輸送の負担が大きく、牛肉をはじめとする精肉の仕入れ価格が都市圏よりも高くなります。

熊本市(1,389円)も高価格帯に属しつつ、地元の「赤牛」やブランド和牛の取り扱いが目立ちます。都市全体の物価水準は中庸ながら、焼肉に関しては品質志向の強さが価格に表れていると考えられます。


中高価格帯都市 ― 長野・福島・盛岡など

長野市(1,330円、+12.71%)甲府市(1,278円、+13.3%)は、ともに前年比で10%超の大幅上昇が見られた都市です。これは、地方都市ながら地元の食材(信州牛、甲州牛など)にこだわる傾向が強まり、それを売りにする店舗が価格転嫁を進めている可能性があります。

1方、福島市(1,315円、-3.592%)は例外的に価格が下落しており、競争激化や需要の調整局面、あるいは定番メニューの簡素化などが影響している可能性があります。

盛岡市(1,305円)も高水準ですが、岩手牛などの地産ブランドを活用した観光・外食業の構造が価格を押し上げていると推察されます。


大都市圏・中部地方の動向 ― 京都・福岡・岐阜の特徴

京都市(1,285円、+4.049%)では、観光地特有の飲食価格の高さが焼肉にも及んでおり、近年は外国人観光客向けの高級焼肉店も増加しています。

福岡市(1,250円、+8.696%)は、都市規模に比べて価格水準がやや高めです。9州産の黒毛和牛を前面に出した個人経営店や専門店が増え、消費者の品質志向の高まりが価格上昇に寄与しています。

岐阜市(1,213円、+4.299%)も東海地方の地方中核都市として、安定した外食市場を形成しており、じわじわと価格が上昇しています。飛騨牛の産地に近いこともあり、ブランド肉の取り扱いが価格に反映されている側面があります。


価格上昇の主な要因分析

  1. 牛肉価格の世界的高騰 アメリカやオーストラリア産牛肉の輸入価格が上昇し、円安によって国産・輸入いずれの肉も高騰傾向にあります。

  2. 炭・ガス代、電気代などのコスト増 焼肉業態は調理にガス・炭を多用し、店内換気にも電力が必要なため、光熱費の上昇が経営を圧迫。

  3. サービス品質の向上とメニュー構成の変化 タレや部位ごとの選択肢の拡大、個別配膳や無煙ロースター導入など、接客と設備投資によるコストが転嫁されている。

  4. 人件費の上昇 飲食業界全体の人手不足と最低賃金の上昇により、オペレーションコストが増加。


今後の見通しと地域格差の行方

今後も焼肉価格は全国的に緩やかな上昇が続くと予想されますが、都市ごとにそのペースは異なります。観光地や高級志向の強い地域(千葉・京都・那覇など)ではさらなるプレミアム化が進む1方、地方では需要に応じた価格調整がなされ、2極化がより明確になっていくでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました