焼肉の価格推移と今後の展望|地域差と物価上昇の影響を徹底解説

外食・定食



2016年以降、日本の焼肉1人前の小売価格は緩やかに上昇し、2025年4月時点で全国平均は1,061円。地域間で価格差が大きく、千葉では1,900円超の例もある。背景には原材料や人件費の上昇、外食産業の高付加価値化がある。今後も価格は緩やかに上昇すると見られ、消費者のニーズに応じた“質”や“体験”重視の提供が鍵となる。

小売物価統計

焼肉小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 千葉 那覇 熊本 長野 福島 盛岡 福岡 京都 岐阜 金沢
最新値[円] 1061 1914 1703 1389 1330 1315 1305 1250 1235 1213 1200
前年同月比[%] +2.027 +9.685 +12.71 -3.592 +12.11 +4.299 +10.19

焼肉小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 名古屋 和歌山 水戸 松山 広島 大津 松江 鳥取 高松
最新値[円] 1061 539 539 616 798 814 820 832 880 890 897
前年同月比[%] +2.027 -28.99 +4.584 -5.787 +6.494 -10.66 +5.778

 

焼肉の推移

焼肉小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

焼肉の現状と今後

2016年から2025年4月にかけての焼肉1人前の小売価格は、日本全国で緩やかな上昇傾向を見せています。最新データでは全国平均は1,061円となっており、2010年代半ばの水準(800円台)と比べると大きく上昇しました。物価全体が上がる中、焼肉も例外ではなく、特に牛肉や豚肉といった主要食材の価格高騰が影響を与えています。

この価格上昇の主因は、輸入肉の仕入れ価格の上昇、国内飼育コストの増加、エネルギー価格の上昇、人件費の高騰など、外食産業全体が直面する複合的要因にあります。また、プレミアム化された焼肉店の台頭も、平均価格の押し上げに寄与しています。


地域間格差と特徴的な動向

焼肉価格には、地域ごとに大きな差が見られます。もっとも高いのは千葉(1,914円)で、全国平均の約1.8倍にあたります。那覇(1,703円)や熊本(1,389円)、長野(1,330円)といった高価格帯の地域は、観光客需要や地元産ブランド肉の使用、価格帯を高く設定した専門店の影響が考えられます。

また、前年同月比の増加幅が大きい地域としては、長野(+12.71%)、福岡(+12.11%)、金沢(+10.19%)などがあり、外食価格の見直しや地元経済の回復が反映された可能性があります。1方、福島(-3.592%)や名古屋(-28.99%)、松江(-10.66%)といった地域では価格が下がっており、これは特定店舗の価格改定、競争激化、あるいは需要の減少によるものと推測されます。


価格変動が示す消費者心理と外食の現在

焼肉は外食の中でも「ごちそう」「贅沢」のイメージが強く、家族や友人との会食、特別な日などに選ばれることが多いメニューです。そのため、価格が上昇しても比較的許容されやすい1方、家計に余裕がない層にとっては足が遠のく理由にもなります。

特に中価格帯(1,000〜1,200円)のエリアでは、「コスパ」と「満足度」のバランスが重要になります。ここでトッピングの種類や部位のグレードを調整することで、消費者の満足感を維持しながら価格維持に努める店も増えています。


今後の焼肉価格の見通し

今後も焼肉の価格は、緩やかな上昇が予想されます。とくに次の3点が価格上昇の要因として注目されます:

  1. 牛肉・豚肉などの供給不安:海外の干ばつや疫病の影響による生産減少、および国際物流の停滞。

  2. 人件費の継続的上昇:最低賃金の引き上げにより、飲食店のコスト圧力が増大。

  3. 外食の高付加価値化:店内体験や質の向上を狙い、あえて価格を上げる戦略が増加。

ただし、価格が1,200円を超える水準が当たり前になると、客層の2極化が進む可能性もあります。1方では高級志向の焼肉店がプレミアム市場を拡大し、もう1方ではリーズナブルな価格帯を守る店舗がコストカットで踏ん張るという構図です。


焼肉文化の変化と消費者対応

焼肉の食文化そのものも変化しつつあります。以前は「量重視」が主流でしたが、近年では「部位・質・ヘルシー志向」など、多様なニーズに応じた焼肉が求められています。価格の高騰はそれを後押しする形で、希少部位を少量で楽しむスタイルや、1人焼肉などの新しい食べ方が都市部を中心に広がっています。

また、冷凍技術やテイクアウト・デリバリーの進化により、「家で焼肉」の選択肢も広がり、外食としての焼肉と内食の焼肉の棲み分けも進んでいます。

 

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