無職世帯の自動車購入費、減少傾向と都市間の格差が拡大

交通費(無職)



無職世帯の自動車購入費は全国平均で0.148万円と低水準。大都市ではわずかに増加するも中都市や小都市では大幅減少。高齢化による運転回避や免許返納が影響し、今後も縮小傾向が続くと予測。地域格差と代替交通手段の整備が課題。

自動車等購入の家計調査結果

自動車等購入の多い都市

2025年3月 1 2 3 4
名称 全国 大都市 中都市 小都市B 小都市A
最新値[万円] 0.148 0.334 0.182 0 0
前年月同比[%] -67.34 +0.845 -78.93 -100

自動車等購入の少ない都市

2025年3月 1 2 3 4
名称 全国 小都市A 小都市B 中都市 大都市
最新値[万円] 0.148 0 0 0.182 0.334
前年月同比[%] -67.34 -100 -78.93 +0.845

 

これまでの自動車等購入の推移

自動車等購入の推移
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

自動車等購入の現状と今後

2025年3月時点での無職世帯における1カ月平均の自動車等購入費は1,480円(0.148万円)。これは年単位の高額支出を月割で計上した結果であり、実態としては「買う年と買わない年の差が大きい不定期支出」であることを意味します。特に無職世帯は収入が年金などに限られるため、耐久消費財である自動車の買い替えは慎重になります。


都市別の支出傾向

都市別に見ると、自動車購入費が最も高いのは大都市(0.334万円)、次いで中都市(0.182万円)です。小都市Aでは支出がゼロ(-100%)となっており、調査期間内に該当支出が確認されなかったことを意味します。

興味深いのは大都市が前年比+0.845%とわずかながら増加を見せている点です。都市部では車の必要性が相対的に低いため、買い替えは安全性・故障リスクなどが主な動機であり、支出も限定的です。

一方で中都市は-78.93%と大幅に減少しており、購買意欲の低下あるいは経済的な抑制姿勢がうかがえます。地方に比べて公共交通がある程度機能していることも背景にあるでしょう。


世代的背景と所有動向

無職世帯、とくに高齢者(65歳以上)では、自動車の維持・運転リスクが大きな問題です。加齢に伴う反射神経の衰えや運転事故の増加などにより、自主的な免許返納や家族の説得によって車を手放すケースが増加しています。

また、高齢単身世帯では車両の使用頻度が極端に低く、コスト対効果の観点からも購入を控える傾向があります。一方、郊外在住で日常生活に車が不可欠な世帯では、安全機能付きの軽自動車などへの買い替えが続いていると考えられます。


今後の推移と政策的課題

無職世帯の自動車購入費は、今後も緩やかに縮小傾向が続くと予測されます。これは高齢化の進行と自動車依存からの脱却が進む一方で、カーシェア・自治体の乗合サービスなど代替手段が拡充されつつあるからです。

ただし、地方部や公共交通が弱い地域では一定の自動車需要が残るため、地域差はさらに広がる見込みです。政策面では、高齢者の安全運転支援技術への補助や、免許返納後の交通手段確保策の整備が急務です。

 

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